2014年2月19日水曜日

レクサプロ(シタロプラム)のアルツハイマー病:中核症状認知機能低下するも、BPSDとしてのagitation、世話者負担は改善

アルツハイマー病のagitation(激高)、せん妄はよく見られる合併症で、その後の予後悪化と関連する。

このトライアルの主目的は、シタロプラムのアルツハイマー病agitationへの有効性評価と安全性、認知機能への悪影響、耐用性の検討


結論として、患者本人の認知症中核症状である認知機能への悪影響あり、本人のADLs改善を シタロプラム:レクサプロ はもたらさない。しかし、BPSDとしてのagitationは改善し、世話者の心的負担を改善する


認知症治療原則が果たして現行のだけでよいのか、ケア・ギバーへの負担などは考慮せずに良いのか。考えさせられる薬剤投与である。


Effect of Citalopram on Agitation in Alzheimer Disease
The CitAD Randomized Clinical Trial
JAMA. 2014;311(7):682-691. doi:10.1001/jama.2014.93.



ランダム化プラシーボ化二重盲験平行群トライアル
アルツハイマー病診断例・臨床的意味あるagitationを示した 事例
シタロプラム(n=94) vs プラシーボ(n=92)の比較


プライマリアウトカムは、18点NBRS-A(Neurobehavioral Rating Scale agitation subscale)とmADCS-CGIS(modified Alzheimer Disease Cooperative Study-Clinical Global Impression of Change )
他のアウトカムは、CMAI( Cohen-Mansfield Agitation Inventoryと、NPI( Neuropsychiatric Inventory、 ADLs( ability to complete activities of daily living  )、 世話人dsitress、 認知機能安全性 (based on scores from the 30-point Mini Mental State Examination [MMSE])と副事象

結果:シタロプラム処方患者は、両プライマリアウトカム(18点 NBRS-A、 M-ADCS-CGIS)比較でプラシーボに比較して有意改善


NBRS-Aは9週間 時点での差 (citalopram minus placebo) was −0.93 (95% CI, −1.80 to −0.06), P = .04.


mADCS-CGISのベースラインからの改善程度は、プラシーボ26%改善に比べ、シタロプラム群で中等・劇的改善を示す ( 一定程度の CGISカテゴリーより良好な改善を示す場合のオッズ比  [OR] ) 2.13 (95% CI, 1.23-3.69), P = .01


シタロプラム投与患者は有意にMAI、総NPI、世話者のdistressスコアを改善するが、NPI agitation subscale、ADLs、 ロラゼパム(ワイパックス)・レスキュー使用低下には関与しない(日本では発売されてないワイパックス注射のようである)。


下プラム投与群では、認知悪化 (−1.05 点; 95% CI, −1.97 to −0.13; P = .03) 、QT間隔延長 (18.1 ms; 95% CI, 6.1-30.1; P = .01)が示される 


0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note