2014年2月19日水曜日

小児肥満傾向:肥満関連遺伝子は満腹充足感不足と関連するのだろう

 肥満では、関連遺伝性及びその特異的遺伝子も見いだされている。肥満関連遺伝子の体重への影響メカニズムを見いだせれば、介入の新しいターゲットとなる。一つの候補メカニズムは、満腹充足反応であり、この特性が多くの肥満要素と関連する可能性がある。
 satiety responsivenes(満腹充足反応)が、行動表現型を仲介し、小児肥満の遺伝子出現と関連するか仮説検証。

 PRS(頻度の多い肥満関連SNPs28種によるスコア)は満腹充足度と逆相関、さらに、実際のBMI、ウェスト径と正相関する。


Satiety Mechanisms in Genetic Risk of Obesity
Clare H. et. al.
JAMA Pediatr. Published online February 17, 2014. doi:10.1001/jamapediatrics.2013.


デザイン・セッティング・被験者  横断的観察研究、住民ベースコホート双生児出生(1994年1月1日から1996年12月31日)(Twins Early Development Study)
 2258無関連小児(女児 53.3%、平均年齢[SD], 9.9 [0.8]歳、双子の片方をランダム選択



暴露  肥満の遺伝的傾向、polygenic risk score (PRS)作成(28のコモンな肥満関連SNPs同定、肥満関連GWA研究メタ解析による) 


主要アウトカムと測定項目  満腹充足反応を標準化心理測定スケール (Child Eating Behavior Questionnaire)で指数化 。1990 UK参照データ、BMI標準偏差スコア、ウェスト標準偏差スコアを計算し、各児童の親報告体測定値データを集計。
満腹充足反応情報、身体測定評価、遺伝子型を2258名の子供で入手。PRS、肥満程度、満腹充足反応の関連性を評価 


結果  PRSは満腹充足度と負相関  (β coefficient, −0.060; 95% CI, −0.019 to −0.101) 、肥満と正相関 (BMIのSDスコアに於けるβ coefficient, 0.177; 95% CI, 0.136-0.218 、 同様ウェスト径SDスコアに於けるβ coefficient, 0.167; 95% CI, 0.126-0.208 )

PRSの上位25%の子供は、下位25%子供に比較して、過体重( 18.5% vs 7.2%; オッズ比, 2.90; 95% CI, 1.98-4.25)

PRSと肥満の相関性は、満腹充足反応により有意に影響を受ける  (P = .006 for body mass index SD scores and P = .005 for waist SD scores)


結論・知見 これらの結果は、満腹充足反応の影響が、食べ物が豊富になる環境の中で、体重増加遺伝的傾向を示すメカニズムの一つとの仮説を支持することとなる。満腹感充足が充分なされるような戦略が可能なら、遺伝的にリスク状態有る場合でもそれを改善することが可能となるだろう。

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