2014年3月20日木曜日

雑感:さらばベッド

全く個人的な話ですが、平成7年1月、神戸・淡路地区大地震発生直後、無床診療所として、私のところは、診療所開設しました。変わってると言われたのは、無床診療所ながら、管理栄養士を雇用したことでした。その後平成8年11月に有床診療所としました。
その当時、なんで、ベッドを持つの?という同業者や関連業者からの疑問を投げかけられました。理由は、自分でやりたい医療をするためには入院施設の利用が必要だったこと。例えば、COPD急性増悪で抗生剤点滴すべき症例、糖尿病教育入院必要な症例などです。その後、次第に重症患者もケアするようになり、看取り数も結構な数となっていきました。その後、新幹線居眠り報道の1年前の平成14年睡眠時無呼吸症候群診療のため睡眠ポリグラフィーを導入し、平成17年に非侵襲的人工呼吸のBiPAP導入し、切迫性CO2ナルコーシス状態の重症喘息・COPDの医療も行って参りました。平成18年に呼吸リハビリテーション健保適応なりましたがそれ以前よりリハビリテーションを行い、比較的包括的な呼吸器医療を行ったつもりです。

有床診療所の取り巻く環境は厳しくなっております。高度医療機関と同じニーズを要求されるのは利用者としては当然なのでしょう。行政からの人的基準要求も、施設基準要求も報酬に見合うものではなくなってきております。有床診療所の火災事故、食中毒関連、医療安全問題、感染症対策問題、労災及び雇用受給問題など枚挙にいとま無く、零細事業所管理者としての側面でも大きな負担となってます。

今後、経営者サイドとして、有床診療所をシステミックに残すのなら、チェーンやグループ経営しか将来性はないと私は見ています。1人のスピリッツとして、救急医療や重症患者診療する形態には限界があると身をもって感じました。

そういうことで、私が理事長である医療法人・診療所は、本日を最後に、無床(休床)となります。

支えてくれた、職員のみなさんたち、ありがとう!そして、利用してくれた患者さんたちに感謝。

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