2014年4月10日木曜日

ザナミビル(リレンザ)治療・予防投与:システマティック・レビュー&メタアナリシス やはり限定的効果

ザナミビルのシステマティック・レビュー&メタアナリシス


タミフルと似たようなものだが、効果は、こちらがマシということか。耐性の問題が重要だと思うのだけど・・・


Zanamivir for influenza in adults and children: systematic review of clinical study reports.
Heneghan CJ, et. al.
BMJ2014;348:g2547.

stage 1(適切な研究デザインと判断されたトライアル)28トライアル、stage 2(フォーマル解析)の26トライアル
成人治療に関して、ザナミビルはインフルエンザ症状期間緩和0.60日  (95% 信頼区間 0.39 to 0.81, P < 0.01 , I2 9%)、平均14.4時間に相当、6.6日から6.0日へ平均の減少。緩和薬剤投与を許可した場合での初回症状緩和の期間は、無治療に比べも短い。 

ザナミビルは、成人において自己報告調査者介入肺炎のリスク減少しない  (リスク差 0.17%, −0.73% to 0.70%)、同様にレントゲン確認肺炎も減少させない  (−0.06%, −6.56% to 2.11%) 。小児での肺炎の効果も有意差認めず t (0.56%, −1.64% to 1.04%) 
中耳炎、副鼻腔炎に関して、成人・小児ともに有意差認めず、ただ、例外的に世人で小程度の気管支炎への効果認めた  (1.80%, 0.65% to 2.80%)が、小児では認めず
成人・小児で入院への効果評価データなし
ザナミビルは、治療耐用性良好。



ザナミビル予防研究によると、有症状インフルエンザは有意に減少 (1.98%, (0.98% to 2.54%); イベント率として3.26%→1.27%で、インフルエンザ症例1例予防治療のための投与必要数は、51  (95% 信頼区間, 40 to 103)
逆に、無症状インフルエンザへの予防効果は個人では有意差認めず  (リスク差 0.14%, −1.10% to 1.10%) 、世帯としても認めず (1.32%, −2.20% to 3.84%).
世帯内治療予防に関して、有症状インフルエンザに関して効果  (14.84%, 12.18% to 16.55%)、しかし、これは828名の小規模研究2つのみであり充分なエビデンスとは言えない。
成人の予防による未確認肺炎は減少 (0.32%, 0.09% to 0.41%; NNTB (number needed to treat to benefit) 311, 244 to 1086) 、だが、小児と、成人気管支炎・副鼻腔炎への効果はない  (リスク差 0.32%, 0.09% to 0.41%; NNTB 311, 244 to 1086).




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