2014年4月10日木曜日

オセルタミビル:タミフルの治療効果、予防効果とも不確実 有益性より有害性が上回り無駄な薬剤と・・・

医師だけじゃなく、国家全体として、タミフルの価値についてよく考えてみる必要がある。症状緩和期間17時間弱軽減効果のみ認められ、合併症予防に役立つか不明感染予防についても不確実。使用による副作用結構多く、中枢神経系副作用に関しては用量依存的で無視できない報告が上がっている。

有益性より有害性


巨額な損をもたらす、薬剤という批判が・・・
http://www.bbc.com/news/health-26954482


予防投与による精神系副作用も注意点

Oseltamivir for influenza in adults and children: systematic review of clinical study reports and summary of regulatory comments.
 Jefferson T, Jones M, Doshi P, Spencer EA, Onakpoya I, Heneghan CJ.
BMJ2014;348:g2545. 

自然インフルエンザ感染対象ランダム化プラシーボ対照化トライアル(成人・小児)
European Medicines Agency Rocheから、83トライアルの臨床研究報告入手、 stage 1(信頼性・完遂スクリーン合格)の23トライアル、stage 2 (フォーマル解析)20を含む

成人治療トライアルでは、オセルタミビルは、16.8時間の症状緩和時間短縮  (95% 信頼区間 8.4 to 25.1 時間, P<0 .001="" br="">喘息小児では効果認めず、しかし、他の健常小児では効果認める (差平均 29 時間, 95% 信頼区間 12 to 47 時間, P=0.001)

治療トライアル群では、成人での、受診入院差認めず (risk difference 0.15%, 95% 信頼区間 −0.91% to 0.78%, P=0.84) 。小児、予防トライアルではデータそのものが乏しい。

成人治療群で、オセルタミビルは、調査者介在確認のない肺炎を減少 (リスク差 1.00%, 0.22% to 1.49%; number needed to treat to benefit (NNTB) 100, 95% 信頼区間 67 to 451)
詳細な肺炎臨床診断を用いた、5つのトライアルでは、統計学的に有意ではなかった。そして、臨床研究報告では、検査確認・診断確認肺炎報告は存在しない。
小児では、未確認肺炎も、予防効果も有意で無い。

調査者未確認気管支炎、中耳炎、重症・研究中断関連合併症と分類されるリスク減少有意差認めず。
14/20トライアルでは、被験者に、全ての二次疾患・症状自己報告を調査者に
成人治療のオセルタミビルは、吐気リスク増加  (リスク差 3.66%, 0.90% to 7.39%; number needed to treat to harm (NNTH) 28, 95% 信頼区間 14 to 112) 、嘔吐リスク増加 (4.56%, 2.39% to 7.58%; 22, 14 to 42)を示す。小児治療において、オセルタミビルは吐気をもたらす  (5.34%, 1.75% to 10.29%; 19, 10 to 57)



予防トライアルに関しては、オセルタミビルは、55%被験者の有症状インフルエンザを減少 (3.05%, 1.83% to 3.88%; NNTB 33, 26 to 55) 、1つの研究では居宅内 有症状インフルエンザ減少 (13.6%, 9.52% to 15.47%; NNTB 7, 6 to 11) するも、無症状インフルエンザへの効果には有意差みとめず、伝播減少エビデンス認めず。
予防研究にて、オセルタミビルはon-treatmentoff-treatment併合期間中、精神的合併症リスク増加 (risk difference 1.06%, 0.07% to 2.76%; NNTH 94, 36 to 1538) 、そして、オセルタミビルの2つのpivotal治療トライアルにて用量依存的影響がもたされた(75 mg (standard dose) 150 mg (high dose) ×2/ (P=0.038)予防研究にて、オセルタミビルは、on-treatment 頭痛リスク増加 (risk difference 3.15%, 0.88% to 5.78%; NNTH 32, 18 to 115)、治療に関わる腎障害 (0.67%, −0.01% to 2.93%)、治療中吐気(4.15%, 0.86% to 9.51%; NNTH 25, 11 to 116)増加する。





ロッシュ社はそろそろ逃げるか? 製薬会社ってこんなもの・・・

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