筆者等は、今までも心血管リスクを個別に高める原因遺伝子発見はあったが、メタボリックシンドロームのような心血管疾患リスクのクラスターに関わる感受性遺伝子の発見は初めてだと主張している。
A Form of the Metabolic Syndrome Associated with Mutations in DYRK1B
Ali R. Keramati, et. al.
N Engl J Med 2014; 370:1909-1919May 15, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1301824
冠動脈疾患若年発症・中心性肥満・高血圧・糖尿病遺伝性3家系
linkage analysisとwhole-exome sequencingにて、病因遺伝子解析
kinase-like domainに存在するDYRK1B の比較的多い領域であるposition 102のcysteine→arginineへの置換変異
関連家族メンバー全員に、遺伝子変異は、臨床的症候群 に、共分離(2つの遺伝子・マーカーが同時に遺伝、分離し配偶子に振り分けられ)、変異関連しない家族、無関連対照では認めない。
疾患遺伝子の機能特性は、DYRK1B によるエンコードされた非変異蛋白 は、 SHH (sonic hedgehog) とd Wnt signaling pathwayを抑制し、adipogenesisを促進する。
さらに、DYRK1Bは、 糖新生の鍵である、 glucose-6-phosphatase発現を促進する。
R102C allele は、これらの作用を促進するgain-of-function activityを有する。
2つめの変異(histidine 90の proline置換)は、民族的に異なる、同様な臨床症候群の共分離を示した。
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