2014年9月30日火曜日

AAN Position Paper : 非がん性疼痛へのオピオイド使用は慎重に!

日本でも、非がん性疼痛に対するオピオイド使用が広がっている。乱用ではないかと感じる症例に遭遇することも多い。ちょっとした腰背部痛で、μ受容体パーシャルアゴニストが処方されている日本の現状を憂える。


そんな中、米国神経学会(ANN)のポジションペーパー


Opioids for chronic noncancer pain
A position paper of the American Academy of Neurology
Gary M. Franklin, et. al.
Neurology September 30, 2014 vol. 83 no. 14 1277-1284
http://www.neurology.org/content/83/14/1277.full




米国においては、The Patient Safety Subcommitteeから、オピオイド処方関連合併症・死亡率の公衆衛生疫学に関する科学的及びポリシー課題レビュー要求された。

1990年代後半からの施策変更により、直間接的を含めると10万名を超える死亡が米国内において処方オピオイドから発生している。

36-54歳の高リスク群において、銃器・運転事故からの超過死亡が見られる。


短期鎮痛の重要性エビデンスは存在するが、長期においてmoverdose、dependency、addictionの重大リスクを生じない状態で疼痛緩和維持・機能改善効果をもたらすか?その充分なエビデンスは存在しない。


以下の項目に関するレビュー記事
(1) the key initiating causes of the epidemic 
(2) the evidence for safety and effectiveness of opioids for chronic pain 
(3) federal and state policy responses 
(4) recommendations for neurologists in practice to increase use of best practices/universal precautions most likely to improve effective and safe use of opioids and to reduce the likelihood of severe adverse and overdose events





こういう記載が乱用を誘発するんだよなぁ

「海外の変形性関節症に関するガイドラインの一部はアセトアミノフェンとともにトラマドールを第一選択薬や第二選択薬に挙げています。」
http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/110630html/index.html

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