2014年11月13日木曜日
米国内エボラウィルス疾患患者2名症例報告
Two Patients with EVD in the United States
November 12, 2014 | G.M. Lyon and Others
(DOI: 10.1056/NEJMoa1409838)
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1409838?query=featured_home
循環血液量減少、低カリウム血症、低カルシウム血症、低アルブミン血症と、凝固障害なしの血小板減少所見。
水分・電解質管理がなされたので、それ以外に治療法の有効性は不明。
モノクローナル抗体療法の実験的治療の臨床的有益性は不明
ZMAPPに関して、鉱質浸透圧改善効果の印象
MOF、敗血症ショック、DICを致死的要素と考えたが、特に、低カリウム血症が最も重大と考えての治療したとのこと。積極的循環血液量確保、カリウム、カルシウム管理の重点が置かれた。
血管漏出症候群では、3rdスペースへの液体プーリングにつながり、胸水など出現の可能性あり、
Rollinらの報告(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17940972?dopt=Abstract)では、Transの増加腎障害が死亡リスクと関連。低アルブミン血症、低カルシウム血症、アミラーゼ増加、D-Dimer高値と予後の関連性示唆。
筆者らのケースでは低アルブミン血症とALP増加。
特に大量下痢患者では、経口カリウム、カルシウムおよびマグネシウムで経口補水が重要ということを示唆。
ウィルス量やEBDV抗体検査は、米国内到着後のみ施行。
EBDV特異IgM、IgG抗体陽性。
IgM、IgG抗体は8-10日後検出、IgM抗体はピークは18日め。
IgG抗体は12年間検出。
2症例とも血中EBDVウィルス量減少とともに臨床症状・臨床検査所見改善。EBDV RNAは4週目まで存在。感染ウィルス存在とRNAは4週目検出レベルの関連性は不明。
EVD生存者からの血液を1例目は、そして2例とも全血輸血し、FFP・血小板輸血は凝固疾患へのベネフィットもたらしたのかもしれない。
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