2014年1月8日水曜日

喘息急性増悪:β刺激剤に比例し高乳酸血症増加

β刺激剤吸入投与量比例的に、血中乳酸濃度は増加する。直接の健康インパクトは示されてないが、代謝性アシドーシスをもたらすなど、影響をあたえることは確か。


Albuterol Administration Is Commonly Associated With Increases in Serum Lactate in Patients With Asthma Treated for Acute Exacerbation of Asthma
Lawrence M. Lewis, et. al.
Chest. 2014;145(1):53-59. doi:10.1378/chest.13-0930 

背景:  喘息急性増悪間の、高乳酸血症の頻度・原因について、議論が存在する。
喘息急性悪化例での高乳酸血症頻度・寄与原因・副作用イベントを評価。

方法: 急性喘息増悪症例・IV βアドレナリンアゴニスト評価の 前向き、ランダム化トライアルからのプラシーボ被験者のサブ解析
血中アルブテロール、血中乳酸、重炭酸濃度をベースライン、1.25時間評価。呼吸困難スコア、スパイロメトリーをベースラインと3時間時間毎行う
アルブテロールネブライザー5から15mg、イプラトロピウムネブライザー0.5から1mg、経口プレドニゾロン50m最低、研究前同等量を含む治療トライアル
ランダム化に続き、アルブテロール継続及びマグネシウムIV治療を治療医師判断で行う。入院、退院フォローアップ24時間、1週間後。

結果:親トライアル登録 175名、プラシーボ 84名、 完全データ 65名。
アルブテロール投与量 平均±SDは、12.5 ± 5.3 mg
ベースライン乳酸平均は、  18.5 ± 8.4 mg/dL vs 26.5 ± 11.8 mg/dL at 1.25 h (P < .001)
45名 (69.2%)で、高乳酸血症
平均ベースライン血中重炭酸濃度は 22.6 ± 2.9 mEq/L vs 21.9 ± 4.0 mEq/L at 1.25 h (P = .11)

アルブテロール血中濃度を乳酸濃度と相関 (β = 0.45, P < .001)、喘息重症度補正後もその相関は維持  (β = 0.41, P = .001).

高乳酸血症は入院や再発リスクを増加させず  (P = .26) 、 3時間後予測1秒率低下と相関する (P = .54)


結論:血中アルブテロールは有意に血中乳酸濃度と相関し、喘息重症度補正後も相関する。高乳酸血症は、3時間後1秒率予測値評価である肺機能悪化と相関せず、1週間後の入院率や再発などとも相関しない。


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