2015年4月6日月曜日

GLUCOLD研究:中等症・重症COPD 吸入ステロイド長期使用から中断すると 1秒量、QOL、気道過敏性悪化出現

WISDOM研究をあらためて見ると、ICS外しでやると、やっぱり、1秒量低下してる。
より長期の検討だとその傾向がさらに明らかで、QOL、AHRまで悪化が証明された。

・・・まてよ、気道過敏性悪化???

Relapse in FEV1-Decline after Steroid Withdrawal in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Lisette I.Z. Kunz, et. al.  the GLUCOLD Study Group
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-3091


【序文】吸入ステロイド(ICS)30ヶ月で、COPDのFEV1減少減弱効果の報告があったと筆者は以前報告したが、ICS中断により再発するかどうか不明であった。
仮説として、ICS長期使用後の中断にて、FEV1減少、気道過敏性(AHR)、QOLが低下するかどうか仮説を立てた。

【方法】114 名の中等症・重症COPD、フルチカゾン(500μg、bid)使用6ヶ月間(F6)、30ヶ月間(F30)、30ヶ月フルチカゾン/サルメテロール(500/50μg
 bid)(F30)、プラシーボ (GLUCOLD-1 [GL1]
その後5年間前向き年次フォローアップ(GL2)
拡張剤後FEV1、AHR、QOLをベースラインで調査、30ヶ月(GL1)、とGL2間の年次検査。解析は線形mixed-effects modelで分析。


【結果】GL1期間中101名のアドヒアランス患者のうち
治療スタート 79名 、GL2 58名
GL1中ICS使用者、GL2期間中はICS0-50%使用者のみ(n=56/79) が、GL1に比べ、年次FEV1減少有意に促進 (差 GL2-GL1 [95%CI]: FS30 -68ml/年間 [-112 〜 -25], p=0.002; F30 -73ml/年間 [-119 to -26], p=0.002)
それに伴い、AHR、QOLも低下

【結論】COPD30ヶ月使用後のICS中断は、その後5年間フォローアップ後、肺機能減少を悪化し、AHR,QOLも悪化させる。
この結果、ICS治療は治療中断後疾患緩和作用継続することはなく、そのまんま継続する必要がある。




WISDOM研究:COPD 3種吸入からステロイドを離脱すると・・・ http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/09/wisdomcopd3.html


ICS/LABA/LAMAの3剤併用から吸入ステロイド(ICS)を外し、LABA/LAMAだけにした場合 mMRCスコアにおいて差なし、SGRQスコアに差が見られた。この臨床的意義はないのではということだったが、FEV1の群間差は少ないが有意であった。


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