Bjørn O. Åsvold, et. al.
for the Thyroid Studies Collaboration
JAMA Intern Med. Published online April 20, 2015.
【意義】 血中サイロトロピン値の現行参照範囲上限値でも異常と考えるべきと主張する専門家もおり、軽症甲状腺機能低下症を有すると細分類すべきアプローチも主張されている。血中サイロトロピン値参照範囲上限値の健康ハザードの記述少ないが、異なるエビデンスにて、サイロトロピン参照上限値は冠動脈心疾患(CHD)リスク増加と関連するとされている。
【目的】 参照値範囲内甲状腺機能値と、CHDリスクの関連性評価
【デザイン、セッティング、被験者】 14コート・ベースライン検査された個別被験者データ解析(1972年7月〜2002年4月、フォローアップ中央値3.3〜20.0年間)。55,412名、血中サイロトロピン値 0.45〜4.49 mIU/L、既知心血管疾患をベースラインで認めない
【暴露】ベースライン血中サイロトロピン値
【主要アウトカム・測定】 CHD死亡率、CHDイベントのハザード比、年齢、性別、喫煙状態にて補正
【結果】 55 412 名中、 CHD原因死亡 1813 (3.3%) / 643 183 フォローアップ人年
非致死性・致死性CHDイベント情報を有する10コホートにて、 初回CHDイベント発生 4666 /48 875名(9.5%)イベント / 533 408 フォローアップ人年
サイロトロピン値1−mIU/L増加毎、 ハザード比は
CHD死亡率 0.97 (95% CI, 0.90-1.04)
初回CHDイベント 1.00 (95% CI, 0.97-1.03)
サイロトロピンカテゴリー解析、 血中サイロトロピン 最高群 (3.50-4.49 mIU/L) vs 最小群 (0.45-1.49 mIU/L) CHD死亡率HR (0.94 [95% CI, 0.74-1.20])、 CHD イベントHR (0.97 [95% CI, 0.83-1.13])で、同様
【結論・知見】 正常参照値内のThyrotropin値は、CHDイベントやCHD死亡率リスクと関連しない。 これらの知見は一般住民正常参照値内の甲状腺機能値の程度によりCHDリスクに影響を与えないことがわかった。 サイロトロピン基準限界値はCHDリスクの理由付けにならない。
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