2015年6月13日土曜日

スピリーバは、局所メディエータとして杯細胞化生を阻害

アセチルコリンは神経伝達物質であると共に、局所組織でのメディエータとしての働きもある。上皮を含む気道上皮でのアセチルコリン産生され、気道上皮分化に直接作用を示す。
抗コリン剤チオトロピウムは、おそらく、FoxA2あるいはFoxA3を介して、IL-13誘導杯細胞化生を防止する。神経系・神経伝達系を介さない気道上皮からの直接作用による杯細胞分化に影響を与えることが示された。


Tiotropium attenuates IL-13-induced goblet cell metaplasia of human airway epithelial cells
Loes E M Kistemaker , et. al.
Thorax 2015;70:668-676 doi:10.1136/thoraxjnl-2014-205731



Goblet cell metaplasia と 粘液過剰産生は、COPD患者の死亡率・合併症と相関(N Engl J Med 2010; 363:2233-2247

winged helix/forkhead box transcription factorをエンコードする、FoxA2遺伝子の変異は、肺の好酸球浸潤やGoblet cell metaplasiaを誘導する(J. Biol. Chem. 283, 29532–29544., Development 136, 2297-2307.)



杯細胞化生 goblet cell metaplasia は気道壁の再構築(リモデリング)にも関連し、スピリーバの宣伝には役立つだろう・・・臨床的意義はまだしらないけどね

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