2015年6月9日火曜日

IBS治療薬イリボー:用法用量で性差

セロトニン5-HT3受容体を選択的に阻害作用による、IBS治療薬イリボーが女性患者にも適応拡大
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201505/542049.html


用法・用量が男女で違うため注意必要!


【効能又は効果】
**下痢型過敏性腸症候群

【用法及び用量】
**男性における下痢型過敏性腸症候群
なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は10μgまでとする。
通常、成人男性にはラモセトロン塩酸塩として5μgを1日1回経口投与する。

**女性における下痢型過敏性腸症候群
なお、効果不十分の場合には増量することができるが、1日最高投与量は5μgまでとする。
通常、成人女性にはラモセトロン塩酸塩として2.5μgを1日1回経口投与する。


以下のレビューでは、まだ、女性IBS-Dに関する記載がない。おそらく、厚労省提出された臨床治験があるはず・・・

The clinical potential of ramosetron in the treatment of irritable bowel syndrome with diarrhea (IBS-D)

過敏性腸症候群 (IBS) は機能性腸疾患として最も頻度が多く、Serotonin (5-HT) iが生理学的・病態生理上も胃腸機能の調整において重要な役割を果たす。5-HT3受容体拮抗剤は腸管移動緩徐化、胃腸管逆流運動を予防、直腸感受性減少する。
Alosetronとcilansetronは、IBS-D(下痢型IBS)で効果判明したが、alosetronは虚血性腸疾患、便秘合併症のため自主撤退。cilansetronはマーケット化されなかった。
Ramesetronは、他の機序および選択性をもつ 5-HT3 receptor antagonistで、日本、韓国、台湾でマーケット化されている。動物モデルで、ramosetronはcorticotrophin-releasing hormoneによるdefecation(排便)減少し、colonic nociceptionの抑制作用を持つ。
2つのRCT(957名 IBS-D)で患者報告全般評価改善し、 ムスカリン系拮抗剤mebeverineと男性IBS-D患者では同等。最近のRCT、343名男性IBS-D患者では、弁成分、腹痛・不快感改善、健康関連QOL改善が示された。
安全性に関して、他の5-HT3受容体拮抗剤より便秘頻度少なく、虚血性腸炎報告認めず。

女性での有効性評価、長期安全性評価が必要だが、薬剤機序的には貴重な薬剤であるという評価。



パンフから
【男性】


【女性】






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