2015年7月29日水曜日

日本の抗ウィルス薬重視のインフルエンザ診療:課題は併発肺炎、特に医療ケア関連肺炎発症と多剤耐性肺炎

日本は他国と異なる特異的なインフルエンザ診療が行われている。すなわち、インフルエンザ診療にルーチンに抗ウィルス治療がなされている。
検査確認インフルエンザ多施設前向きコホート研究。


対照比較のない研究で有り、日本のインフルエンザの是非を問う研究ではない
予後悪化要素を抽出するのが精一杯・・・

肺炎合併、特に、日本ではNHCAPということになるのだろうが・・・医療関連肺炎:HCAP症例がやはり問題になり、薬剤適正使用厳守必要性が強調された報告となっている




Outcomes and prognostic features of patients with influenza requiring hospitalization and receiving early antiviral therapy:
A Prospective Multicenter-Cohort Study
Takaya Maruyama, et. al.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-2768


1345名のインフルエンザ患者、小児 766名、成人 579名 1歳未満除外 
抗ウィルス治療 1224/1253、97.7% 
成人患者579名中、30日内死亡 24(4.1%)
小児患者766名中、死亡無し 
インフルエンザA 成人 528名、91.2%、慢性基礎疾患あり 509(87.9%) 
レントゲン確認肺炎 211(36.4%) 
死亡24名中20名が肺炎を発症、病原菌は肺炎球菌 12.3%、 黄色ブドウ球菌 10.9%、うちMRSA 3.3%、 Enterobacteriaceae 8.1%、 緑膿菌 3.3%
これらのうち、市中肺炎:CAP分類 151、 医療施設関連(HCAP) 60
不適正治療はCAPよりHCAP多く 15.2% vs  2% , p = 0.001

HCAPでは、潜在性リスクをもつ多剤耐性(MDR)関与が多い ( 21.7% vs 2.6% , p < 0.001)、 特に MRSA(10% vs 0.7%, p=0.002) 、緑膿菌が多い (8.3% vs 1.3%, p=0.021)

事前登録独立要素によるCox比例ハザード モデルでは、男性、重症度スコア、血中アルブミン、肺炎がインフルエンザ発症後30日生存率と関連する






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