2015年7月29日水曜日

前立腺癌のための生検基準:年齢補正PSA値の見直し必要?

PSA総量値のみの基準は国際的に見れば時代遅れで、free/total PSA ratio (%fPSA)が用いられる。PSAは抗プロテアーゼと結合している結合型PSA(主にα1ーantichymotrypsinと結合したPSA-ACT)と遊離型PSAPSA(free PSA; fPSA)に大別され、%fPSAは前立腺癌において低比率であることが利用される。

1993年開始のTyrol Study
age-referenced PSA valueとして、>2.5 ng/mL for 40–49 years; >3.5 ng/mL for 50–59 years; >4.5 ng/mL for 60–69 years, and >6.6 ng/mL for 70–79 years) を percentage- free PSA levels of <22 blockquote="">
以降、Free-PSA低値とPSA総量との組み合わせによる生検基準が一般的になった
(参照:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2943354/


Age-Adjusted PSA Levels in Prostate Cancer Prediction: Updated Results of the Tyrol Prostate Cancer Early Detection Program
Isabel Heidegger, et. al.
PLOSone Published: July 28, 2015DOI: 10.1371/journal.pone.0134134

2259名の前立腺生検施行患者で、年齢別、49歳以下 178名、50−59歳 597名、60−69歳 962名、 70歳以上 488名で PSALカットオフ値を考察

前立腺癌検出1218名(54.7%)

free-PSA21%以下とベスト特異性を有するフォローPSAカットオフ値の組み合わせ
  • 49歳以下と50−59歳 1.75 ng/ml
  • 60−69歳 2.25 ng/ml
  • 70歳以上 3.25 ng/ml

年齢補正PSAカットオフ値を用いると、生検数減少のまま全て有意な腫瘍認知

全体的には、古い基準に比べ、新しいカットオフ値では、13−14名のうち1名の生検回避 (number needed to screen = 13.3, reduction of biopsies = 7.5%)
49歳以下では9.2名に1人、50−59歳では17.4名に1人回避





49歳以下



50-59歳





60−69歳





70歳以上






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