2015年8月3日月曜日

尿酸とアルコール性肝障害の関連:尿酸・ATPはアルコール性肝障害の肝細胞・免疫細胞クロストークを介在する

 尿酸とアルコール性肝障害の関連


NLRP3インフラマソームは、鋭利な末端を有する刺激性粒子である尿酸結晶やアスベストなどによってリソソームの膜が損傷を受けた際には過度に活性化し、重篤な組織障害を引き起こす。よって、NLRP3インフラマソームは、感染症や炎症性疾患の有力な治療標的と考えられている。

・・・痛風治療薬である微小管重合阻害剤コルヒチンが尿酸結晶によるNLRP3インフラマソームの活性化を抑制する機序を明らかにした 
http://shushoku-signal.com/soshiki/kobo/saito.html


アルコール性肝障害は可逆性のステージから進行するには炎症プロセスが必須。腸管から肝臓へのLPSのtranslocationがアルコール性肝障害の炎症プロセスに必要とまでは分かっていたが、炎症に必要な内因・代謝的危険信号は不明であった。


内因性代謝性危険シグナルである、尿酸、ATPが、肝細胞と免疫細胞の炎症性クロストークに関わり、アルコール誘因肝障害にクリティカルな役割を果たしていることが分かった。



Metabolic danger signals, uric acid and ATP, mediate inflammatory cross-talk between hepatocytes and immune cells in alcoholic liver disease
Jan Petrasek, et. al.
JLB,Published online before print May 1, 2015

尿酸とATPが主要な炎症誘発危険シグナルであることを、健康ボランティアあるいはヒト肝細胞へのエタノール暴露にて評価。in vitroでは、NLRP3欠損マウスにエタノール食を与え、尿酸、ATPのシグナリングダウンストリーム評価。
肝細胞が内因性炎症性シグナルの重要な発生源であることが示され、障害幹細胞と免疫細胞間のパラクライン炎症クロストークにおいて尿酸、ATPが介在している。IL-1β、TNF-α発現増加する。尿酸・ATPのリガンドセンシング成分であるNLRP3欠損マウスでは、アルコール肝障害予防的にとなり、肝障害・脂肪肝が減少する。




非アルコール性脂肪肝疾患は?




http://www.nature.com/nri/journal/v9/n4/box/nri2510_BX2.html

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note