「早期治療」は全て「善」なのだろうか? 早期発見・早期治療が全て善とされているような風潮の日本。
合併症無しの急性呼吸器感染では、処方箋をもっててもすぐに使わず患者判断で使用した場合でも、即治療群と同等の有症状期間であり、かつ、重症度も変わらない
無治療群でもさほど差は無い
Prescription Strategies in Acute Uncomplicated Respiratory Infections
A Randomized Clinical Trial
Mariam de la Poza Abad, et. al. ; for the Delayed Antibiotic Prescription (DAP) Group
JAMA Intern Med. Published online December 21, 2015.
4つの処方戦略
(1) delayed patient-led prescription strategy : 遷延的患者主導処方戦略
(2) a delayed prescription collection strategy requiring patients to collect their prescription from the primary care center : 一次医療センターからの処方収集するよう患者から要求された、遷延的処方収集戦略
(3) an immediate prescription strategy : 即時処方戦略
(4) a no antibiotic strategy : 抗生剤使用無し戦略
遷延処方戦略とは、症状悪化時のみ、もしくは、医療機関受診後数日で症状改善したいの時のみ服用する方法
プライマリアウトカムは、症状期間と症状重症度
各症状は6ポイントLikertスケール(3もしくは4は中等度、5もしくは6は重症)
セカンダリアウトカムは抗生剤使用、患者満足度、抗生剤有効性患者の評価
405名を登録、うち398名を解析;136名(34.2%)男性、平均(SD) 年齢 45(17)歳
平均重症度 Likert scale 1.8〜3.5、初診からの平均(SD)症状期間 6(6)日間。初診時平均(SD)健康状態を0〜100(最善)としたスケールで評価 54 (20)
314名(80.1%)は非喫煙者、372名(93.5%)は呼吸器系合併症無し
4群同様な初診時症状所見
重症症状期間は、即時治療群では 3.6(3.2)日間、 処方無し群では 4.7(3.6)日間
重症症状期間 中央値[IQR] は、遷延的処方収集戦略群 3 (1-4)日間、患者主導処方群では 3 (2-6)日間
最大重症度中央値(IQR)は、即治療群 及び遷延的処方収集戦略群 5 (3-5)
遷延的患者主導処方戦略群は、 5(4-6)、 抗生剤使用無し戦略群では 5 (4-6)
抗生剤使用無し戦略なしにランダム化された群もしくは遷延的戦略群では、抗生剤使用少なく、抗生剤が有効であると考える頻度も少なかった。
患者満足度はどの群も同等
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