2017年5月22日月曜日

敗血症:抗生剤投与できるだけ迅速に!

抗生剤投与できるだけ迅速に!

2015年の11の観察研究に対するメタアナリシス(Crit Care Med. 2015 Sep;43(9):1907-15)では、3時間内EDトリアージ内抗生剤投与による死亡率改善効果認めず

・・・という報告があったが、今回、表題の如く、抗生剤投与の迅速性が肝要と


 "Time to treatment and mortality during mandated emergency care for sepsis"
Seymour CW, et al
N Engl J Med 2017; DOI: 10.10156/NEJMoa1703058.
【背景】2013年、敗血症の早期同定・治療のためのプロトコールをニューヨークは要求。しかし、敗血症治療より迅速治療が果たして患者のアウトカムを改善するか不明。

【方法】2014年4月1日から2016年6月30日までNew York State Department of Healthに報告のあった患者のデータを検討。ED到着後6時間以内開始敗血症プロトコルで、12時間内完遂された3-hour bundle全項目 (i.e., 血液培養, 広域抗生剤投与,乳酸測定)を有する患者。
3-hour bundle完遂までの時間とリスク補正死亡率についてマルチレベル分析
抗生剤投与までの時間、静脈内輸液初期ボーラス完遂までの時間も検討

【結果】149病院49,331 名中、3時間内3-hour bundle完遂 , 40,696 (82.5%)
3-hour bundle完遂までの時間中央値 1.30時間(IQR , 0.65 - 2.35時間)
The median time to completion of the 3-hour bundle was 1.30 hours (IQR , 0.65 to 2.35)
抗生剤投与までの時間中央値  0.95 時間 (IQR ,  0.35 to 1.95)
輸液ボーラス完遂までの時間中央値  2.56 時間(IQR , 1.33 to 4.20)


3-hour bundle12時間内完遂のうち、bundle完遂までの時間長いほど、リスク補正院内死亡率高い (オッズ比, 1.04 /時間; 95% 信頼区間 [CI], 1.02 to 1.05; P<0 .001="" 1.03="" 1.04="" 1.06="" 95="" br="" ci="" nbsp="" p="" to="">しかし、静脈内点滴ボーラス完遂までの時間長いほどリスクが高いというわけではない (オッズ比, 1.01 /時間; 95% CI, 0.99 to 1.02; P=0.21)




【結論】敗血症ケアの3-hour bundleの完遂迅速ほど、抗生剤投与迅速ほど、リスク補正院内死亡率は低下するも、輸液静脈初期ボーラス投与完遂迅速であることは死亡率に関連しない





"State sepsis mandates - a new era for regulation of hospital quality"
Hershey TB, et al
N Engl J Med 2017; DOI: 10.1056/NEJMp1611928.






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