2017年5月22日月曜日

非侵襲的人工換気)(NIV)施行COPD急性増悪後在宅非侵襲的人工換気の有用性

エディトリアル:http://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2627984?amp;utm_source=JAMAPublishAheadofPrint&utm_campaign=21-05-2017

2014年の2つのRCTトライアルでNPPVに関して肯定的結果とネガティブな結果得られた
 Köhnleinらは12ヶ月での死亡率33%減少の他、昼間の高炭酸ガス血症改善、運動耐容能、QOLについても改善効果を示した。PaCO2 >51.9 mmHgの安定期高炭酸ガス血症患者対象。
 一方、Struikらは201名の 人工呼吸無しでPaCO2 >45.1 mm Hgの患者で1年後、死亡、再入院、急性増悪頻度、肺機能、QOLにおいて有意差認めなかった。 
Köhnlein  T, Windisch  W, Köhler  D,  et al.  Non-invasive positive pressure ventilation for the treatment of severe stable chronic obstructive pulmonary disease.  Lancet Respir Med. 2014;2(9):698-705
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25066329 
Struik  FM, Sprooten  RT, Kerstjens  HA,  et al.  Nocturnal non-invasive ventilation in COPD patients with prolonged hypercapnia after ventilatory support for acute respiratory failure.  Thorax. 2014;69(9):826-834.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24781217
以上の如く、治験対象について十分吟味しなければ結果変わる可能性がある


今回の報告は、非侵襲的人工換気の必要性ありそれを施行した対象者に対する、その後の在宅非侵襲的人工換気の効果検討


Effect of Home Noninvasive Ventilation With Oxygen Therapy vs Oxygen Therapy Alone on Hospital Readmission or Death After an Acute COPD Exacerbation
A Randomized Clinical Trial
Patrick B. Murphy, et al.
JAMA. Published online May 21, 2017. doi:10.1001/jama.2017.4451 
【研究意義】  非侵襲的人工換気)(NIV)を要する慢性閉塞性肺疾患(COPD)急性増悪後のアウトカムは不良で、その後の再入院や死亡予防に役立つ治療法は限られている。

【目的】  COPD急性増悪後の持続性高炭酸ガス血症患者の在宅NIV+酸素の再入院・死亡までの期間への効果検証

【デザイン・セッティング・被検者】  ランダム化臨床トライアル
呼吸性acidemia改善後2週から4週でPaCO2 53 mm Hg超の持続性高炭酸ガス血症患者のランダム化臨床とリアル、13の英国センター登録(2010−2015年)
除外クライテリア(BMI > 35)、閉塞型無呼吸症候群、他原因呼吸不全
2021名スクリーン、124を登録

【介入】ランダム化
・在宅酸素単独 (酸素流量中央値, 1.0 L/min [中間4分位 {IQR}, 0.5-2.0 L/min]) :59名
・在宅酸素+在宅 NIV (m酸素流量中央値, 1.0 L/min [IQR, 0.5-1.5 L/min]):57名
在宅人工換気セッティング:IPAP(吸気陽圧) 24  (IQR, 22-26) cm H2O, EPAP(呼気陽圧) 4 (IQR, 4-5) cm H2O, backup rate 14 (IQR, 14-16) 回/分

【主要アウトカム・測定】それまでのCOPD入院回数・長期酸素療法既往・年齢・BMI補正後の12ヶ月以内の再入院・死亡までの期間

【結果】ランダム化患者 116 名 (平均 [SD] 年齢 67 [10] 歳, 女性 53% , 平均 BMI  21.6 [IQR, 18.2-26.1], 平均 [SD] FEV1 0.6 L [0.2 L], 平均室内空気吸入下 [SD] Paco2  59 [7] mm Hg)
12ヶ月間研究完遂 64名 (在宅酸素単独 28、在宅酸素+在宅NIV 36)

再入院・死亡までの期間中央値
在宅酸素+在宅NIV 4.3ヶ月 (IQR, 1.3-13.8 ヶ月)  vs  在宅酸素療法単独 1.4 ヶ月(IQR, 0.5-3.9  ヶ月)  , 補正ハザード比0.49 (95% CI, 0.31-0.77; P = .002)

 再入院・死亡12ヶ月間リスク
在宅酸素+在宅NIV 63.4% vs 在宅酸素療法単独 80.4% , 絶対的リスク減少 17.0% (95% CI, 0.1%-34.0%)


  12ヶ月時点での死亡数、在宅酸素療法+在宅NIV 16名、 在宅酸素療法単独 19名


【結論と知見】  COPD急性増悪後の持続性高炭酸ガス血症患者において、自宅酸素療法に在宅非侵襲的人工換気を加えることは、12ヶ月内における再入院・死亡減少に寄与する

Trial Registration  clinicaltrials.gov Identifier: NCT00990132
https://clinicaltrials.gov/show/NCT00990132

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