喫煙量少なければ問題ないと、特にニコチン含量/暴露量少なければ問題ないという主張もあったが、喫煙本数と線形な関係ではないことが明らかで、”非喫煙→軽度喫煙”で急峻な健康被害リスクを生じる。このことは受動喫煙の健康への影響の重篤さを想起させるに十分。
Low cigarette consumption and risk of coronary heart disease and stroke: meta-analysis of 141 cohort studies in 55 study reports
Allan Hackshaw et. al.
BMJ 2018; 360 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j5855 (Published 24 January 2018) Cite this as: BMJ 2018;360:j5855
目的
軽度喫煙(1日1-5本)対する、シガレット使用と心血管疾患の相関性を冠動脈疾患・卒中リスクの定量化にて評価
デザイン Systematic review and meta-analysis.
データソース Medline 1946 to May 2015, with manual searches of references.
登録クライテリア:50イベント以上を有し、非喫煙者比較、年齢特異的冠動脈性心疾患或いは卒中の発生頻度ハザードリスク・相対リスク報告を含む前向きコホート研究
データ抽出/作成
MOOSE guideline遵守
リスクとシガレット摂取量間の回帰モデルを用いてシガレット1本、5本、20本に対して相対リスク
相対リスクは年齢補正を最低でも行い、付加的に共役要素補正も行う場合も
主要測定は、(肺癌で観察される)リスクと摂取量に5%の線形関連あると仮定した場合の、1日20本例に対する(PR_20_per_day-1)超過リスク
シガレット1本、5本、20本/日に於ける相対リスクも、random effects meta-analysisにて全研究横断的にpool化
独立解析を性別疾患の組み合わせで実施
結果
141のコホートを含む55の報告のmeta-analysis
男性では
心疾患pooled相対リスクは、
pooled相対リスク各々1.48、2.04
多共役要素補正相対リスクを用いると、1.74、2.27
同様、女性では
pooled相対リスクは、1日当たりシガレット1本、20本で、 1.57、2.84
多共役要素補正相対リスク 2.19、3.95
1日1本の男性摂取は、1日20本摂取比較の超過相対リスクは、46%(多因子補正後相対リスクを用いると 53%)
女性では、31%(多因子補正後相対リスクを用いると 38%)
卒中に対しては、pooled相対リスク
男性 pooled相対リスク 1日当たりシガレット1本、20本で、 1.25、 1.64
(多共役要素補正相対リスク 1.30、1.56 )
女性 pooled相対リスク 1日当たりシガレット1本、20本で、 1.31、 2.16
(多共役要素補正相対リスク 1.46、 2.42 )
1日1本での卒中超過リスク(1日20本との比較)は男性 41%、女性 34%(多因子補正相対リスク 64% 、36%)
相対リスクは男性より女性が高い
結論 1日1本のシガレット使用でさえ、冠動脈性心疾患、卒中発症のリスクは予想以上にかなり大きくなり、1日20本の喫煙のほぼ半分のリスク。
心血管疾患にとって喫煙の安全域はない。
喫煙は完全に止めることが2つの主要疾患リスク減少には有意義
1日当たり20本に比べたときの、1本、5本の超過相対リスク分布(水平dashはメディアン)
2018年1月26日金曜日
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