2018年1月26日金曜日

メトホルミン: geroprotective作用、寿命延長

なんどもブログで取り上げてきたが、メトホルミン軽視の日本の糖尿病関連団体のスタンスは日本の医療の縮図だと思う





Metformin reduces all-cause mortality and diseases of ageing independent of its effect on diabetes control: A systematic review and meta-analysis
Jared M.Campbell, et al.
Ageing Research Reviews Vol. 40 , Nov. 2017, 31-44
Article in Ageing research reviews 40 · August 2017
DOI: 10.1016/j.arr.2017.08.003
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1568163717301472

 システマティックレビューにて、インスリン感受性増強作用を有するメトホルミンが、ヒトへ geroprotective(老化防止)作用を有するか、検討



Pubmed と Embaseで、未出版研究も検討
検討クライテリアは、メトホルミンにて、非糖尿病住民もしくは他薬剤による疾患コントロール補正達成糖尿病者と比較した全原因死亡率、加齢疾患の影響を検討


全体で260のフルテキストレビューし、53がこのクライテリア合致


 メトホルミン服用糖尿病では、非糖尿病に比べ全原因死亡率有意減少 (ハザード比 (HR)= 0.93, 95%CI 0.88-0.99)
メトホルミン治療糖尿病患者では、 非メトホルミン薬剤治療糖尿病患者比較 (HR= 0.72, 95%CI 0.65-0.80)、インスリン比較 (HR=0.68, 95%CI 0.63-0.75)、SU剤比較 (HR= 0.80, 95%CI 0.66-0.97)



メトホルミン使用者は、非糖尿病に比べ、がん減少 (rate ratio= 0.94, 95%CI 0.92-0.97)
メトホルミン使用者は、心血管疾患において、非メトホルミン薬剤治療比較 (HR= 0.76, 95%CI 0.66-0.87)、インスリン比較で減少 (HR= 0.78, 95%CI 0.73-0.83)

ベースライン特性はバイアス知見に寄与していることが見られたが、統計学的補正なされた

 メトホルミンによる、全原因死亡率、加齢疾患の明確な減少作用は、メトホルミンが余命及び健康寿命延長効果がありgeroprotective agentとして作用を示唆。

Keywords: metformin; aging; insulin sensitizer; lifespan; longevity; geroprotection









メトホルミンのような古い薬剤だが、エッセンシャルな薬剤が日本の医療ではなぜ軽視されるか?

新薬に関して見聞きする機会が多く、医療・医薬品情報さえ上げ膳据え膳の医師のスタンスが一番の問題だと思うが・・・

”新薬開発→治験に関わる利権→新薬→(講演会・出版)利権”が問題と思うが、臨床ガイドラインを製薬メーカーに一括購入させ出版利益させるシステム

国(厚労省・文科など)は金を出さず 、口先だけで、費用がかさむところは、医薬・医療器具メーカーに金を出させる→情報バイアスの必然性が生じる


この国の医療行政・制度、医師たちの医療情報へのスタンスどうにかならないのだろうか?

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