2018年5月23日水曜日

呼気NO濃度測定により吸入ステロイド必要性が客観的に検証できる

MedPage Todayの解説記事:https://www.medpagetoday.com/meetingcoverage/ats/73011


呼気NO濃度測定により吸入ステロイド必要性が客観的に検証できる?

より低FeNO値症例に比べ、50ppb以上の患者ではステロイド治療効果の蓋然性オッズ比で2倍となる


The Role of FeNO in Cough Management: A Randomised Controlled Trial
D. B. Price1, R ,et. al.
http://abstractsonline.com/pp8/#!/4499/presentation/12028

背景: Fractional exhaled nitric oxide (FeNO)は喘息治療反応評価に有用だが、咳嗽症状や喘息診断歴無しの患者で有用なベースライン測定法なのかは不明

目的と対象: 非特異的呼吸器症状患者において、咳嗽という観点からベースラインFeNOと治療効果の関連推定


研究方法: 多施設、ランダム化対照トライアル、UK、シンガポールの患者、extrafine ICS(BDI 200μg bid)、プラシーボ 4週間
FeNO:NIOX VERO (Circassia) 測定
プライマリエンドポイント:ACQスコアの変化量
セカンダリエンドポイント:VAS評価咳嗽の変化量


結果: 咳嗽が主なベースライン症状(n=257)で、85%の患者が訴え
高FeNO値と治療効果の相関、 ベースラインFeNO 10 ppb増加毎、extrafine ICS群( vs プラシーボ比較)のVAS咳嗽治療効果変化量は大きい 3.115(95% 信頼区間[CI], 0.579-5.651)
extrafine ICS群の単変量測定モデルでは、ベースライン FeNO 50 ppb超過症例では50ppb未満のそれに比べ、VAS咳嗽スコアは20以上改善が2倍を超える(非補正オッズ比 2.37 , 95%CI 1.01-5.55)

結論:FeNO測定は咳嗽症状患者にとって、シンプルで、患者に近く、定量的、非侵襲的な診断ツール。今後推奨カットオフ値の確立が必要。



日本国内では、まぁ耳に胝の話ではあるが・・・


喘息と断定してない

患者特性は、年齢中央値 48歳、男性 45%程、咳嗽VAS 41
FeNO平均値 37 ppbと日本のカットオフ値に比べても、もともとやや高値

平均罹病期間など情報が無いのだが、慢性咳嗽を念頭にしたような記述


6−8週間未満の亜急性咳嗽のセッティングとは異なるようだ
臨床症状を細かく区切った検討が必要と思う

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