一連の話が、インターフェロンγによる(原因不明)慢性咳嗽病態に関わることにとどまらず、神経障害性疼痛・異痛状態類似で、同様機序も考慮という話も・・・・
慢性咳嗽のうち7−46%は検査でも原因不明、この原因不明の慢性咳嗽で、"cough Hypersensitivity syndrome(CHS)"、unexplained chronic cough、chronic refractory cough、idiopathic chronic coughなどと参照。ウィルス感染がトリガーとなることが多い。しかしそのメカニズムは不明・・・ということで、インターフェロンγ陽性effector Tリンパ増加が多く存在し、adaptive immune responseとしてTリンパ球からのINF-γに着眼。
Interferon- γ enhances the cough reflex sensitivity via calcium influx in vagal sensory nerves.
Deng Z. ZW, Sun J., Li C., Zhong B., Lai K.
American Journal Respiratory Critical Care Medicine [online ahead of print] 19 April 2018;
www.atsjournals.org/doi/abs/10.1164/rccm.201709-1813OC
インターフェロンγ気管内滴下で、クエン酸 in vivo咳嗽反射促進
in vitroで、INF-γはリン酸化シグナルtransducer、transcriptin-1のactivatosレベル増加するも、リン酸化transient receptor potential vanilloid 1(TRPV1)レベル増加しない
INF-γはカプサイシンのニューロンへの反応・電気刺激促進だけではなく、直接、Janus kinase(JAK)、protein kinase A(PKA)や alpha-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazolepropionic acid (AMPA) pathwayを介して、神経の Ca2+ 流入誘発、膜脱分極、活動電位の亢進をもたらす
しかし、INF-γは、phospholipase C(PKC)経路を介した小胞体からの Ca2+ 遊離を生じさせない。
INF-γによる活動電位は、 Ca2+ influx inhibitorにより抑制するも、INF-γによる Ca2+ influxは rapid sodium channel阻害剤では反応しない
神経系への炎症誘引疾患・障害、neuroinflammationが、CHSを生じさせ、感染だけでなく物理的・科学的刺激を含む広範な要因で、咳嗽や神経過敏故にmultipleな炎症性となり、肺臓器以外の及び、慢性疼痛(neuropathic pain:神経障害性疼痛)なども。神経障害性疼痛の"allodynia:異痛"類似病態で、本来無反応のはずの無害刺激による咳嗽誘発を示す。
上記研究ではINFγが一過性 Ca2+ 流入を直接生じさせTRPV1アゴニスト(カプサイシン)によるピーク Ca2+ 流入促進したということ、downstreamのJAK、PKA、AMPA経路を通した感覚ニューロンの直接刺激で、PLCを介したものではないことが示されたが、ライノウィルス・インフルエンザウィルス、細菌・結核菌など様々な感染で生じるが、様々な自己免疫疾患でも生じる。甲状腺機能低下症のような自己免疫疾患で特発性咳嗽を呈する女性の一群がいて、BALF中でのHLA-DRのCD4+T細胞増加が示され、関連性が示唆される。
また、神経障害性疼痛からの示唆として、P2X3も慢性咳嗽の病態に関与する可能性。迷走感覚神経のAMPA受容体antagonistでAMPAのような非NMDA受容体活性化されるとともに、直接作用として Ca2+直接流入が生じることで、 グルタミン酸がinotropic NMDA、非NMDA受容体で咳嗽発生を誘発する可能性あり
IFN-γ: A Driver of Cough Hypersensitivity Pathways in Chronic Cough?
Kian Fan Chung
https://doi.org/10.1164/rccm.201804-0740ED PubMed: 29758165
https://www.atsjournals.org/doi/abs/10.1164/rccm.201804-0740ED
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