未コントロール下喘息患者では、吸入ステロイド中等量→高用量への増量で、血中好酸球減少する。さらに300/μL未満でも低下が見られるようで、好酸球数絶対値での事前判断は困難では?
好酸球数モニタリングにて変動など考慮することも、IL-5関連バイオ製剤使用に関して、参考になるのでは?また、ICS投与量設定の上でも・・・
Impact of an increase in the inhaled corticosteroid dose on blood eosinophils in asthma
Lommatzsch M, et al.
Thorax 2018;0:1–2. doi:10.1136/thoraxjnl-2018-212233
https://thorax.bmj.com/content/early/2018/10/12/thoraxjnl-2018-212233
20世紀初頭から好酸球増加は喘息の臨床的特徴の一つとして認識されてるが、ここ10年間はこのパラメータとしての関心が新興している。血中好酸球数増加は、喘息重症度、喘息急性増悪発生と関連するが、血中好酸球の特異的減少をもたらバイオ製剤は喘息急性増悪減少と相関する。吸入ステロイド(ICS)長期治療と短期的ICS増量は喘息急性増悪を減少するが、ICS治療の好酸球へのインパクトは不明である。
現在、IL-5経路ターゲットBio製剤治療のの決定は血中好酸球数をベースになされる。故に、ベースラインでの喘息治療、特にICSと血中好酸球の変化へのインパクトが重要
1993年、Evansらは、ICS高用量(ブデソニド 1600 μg/日, 14日間)1を)、ICS投与治療歴のない軽症喘息10名の患者に治療し、血中好酸球数 370 → 160 細胞数/μLへの減少を示した。しかし、中等症・重症喘息患者での血中好酸球ネオICSメンテナンス量増加の影響は不明であった。
well-controlに至らない患者でbio製剤治療評価のため事前ICS投与量最適化のための推奨として血中好酸球へ影響が強いという初めての報告。
連続11名患者(年齢中央値 54歳、女性 5名、男性 6名;Never-Smoker 6名、Ex-smoker 5名)ルーチン受診の一環としての対象。ICS/LABAでもwell-controlに至らない症例
重症喘息クリニックの初期コンサルテーション前6ヶ月以上ICS投与量は安定という条件
11名の患者中、7名で長時間作用型ムスカリン受容体拮抗剤併用
経口ステロイド、他の免疫抑制、バイオ製剤希望患者なし
ベースライン肺機能、血中好酸球数)(数/μL)、血中好酸球比率(%全白血球)をICS連日投与2倍量以上(投与量中央値 ベクロメサゾン1000μg→2000μg/日換算)投与前評価
フォローアップ期間中央値 84日評価
ICS投与量増加後全患者で血中好酸球数減少、血中好酸球数 中央値 56 → 320 数/μL (49%減少)、好酸球数比率 8.7% → 4.8%(減少 46%)
中等量→高用量ICS増加にて、喘息での血中好酸球減少は、ことさらに、一定的に減少する (ほぼ半減)
この観察された影響は、ICS増加による物で、アドヒアランスによるものと考察される(専門外来受診フォロー)。投与量増加、アドヒアランス改善のどちらでもICS量増加により、好酸球への影響は生じ、ICS日内投与量に依存
ICSは血中好酸球濃度へインパクトを与えるが、これらの結果により補強された
ベースラインでの好酸球数個別評価は、研究登録のクライテリアではなかったため、フォローアップ後の平均への回帰はなさそう。 経口ステロイド投与、IL-5経路ターゲットのバイオ製剤は血中好酸球濃度へ強いインパクトを与えることが確立されている。
ICS投与量が血中好酸球にさらに強くインパクトを与えることは2つの臨床的意義がある。
ひとつは、このデータによると、好酸球性喘息患者および再発性悪化患者のICSの用量を、生物製剤または全身性コルチコステロイドによる治療を検討する前に高用量に増やすべきであるという考え方が支持される。もうひとつは 、このデータでは、喘息におけるパラメータ「血液好酸球」が、個々の患者のICSの現在の投与量によって実質的に影響を受けることを示唆している。
故に、喘息での好酸球数の”正常値”は個別化判定必要で、さらに、ICS投与量増加により血中好酸球に影響w与えるが、IL-5経路ターゲットbio製剤必要性の閾値は低すぎる可能性ありICS投与量増加前に血中好酸球をモニターすべきということが示唆される。
FeNOでもそうだよなぁ
登録:
コメントの投稿 (Atom)
noteへ実験的移行
禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note
-
禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note
-
米国では、Potiga (ezogabine):ポティガ(エゾガビン)、国際的には、レチガビン [RTG ]で、従来の抗てんかん薬剤と異なるメカニズムで、KCNQ2-5 (K(v) 7.2-7.5) ion channelのpositive allosteric modulato...
-
Association Between MRI Exposure During Pregnancy and Fetal and Childhood Outcomes Joel G. Ray, et. al. JAMA. 2016;316(9):952-961. doi:...
0 件のコメント:
コメントを投稿