2018年10月15日月曜日

RCT:非大量喀血へのトラネキサム酸吸入の有効性・安全性

もちろん、日本でしてはいけないと思うが、喀血治療としてのトランサミン吸入療法の二重盲検ランダム化トライアル

日常臨床にておいて、この効果は無視できないのでは?

Inhaled Tranexamic Acid for Hemoptysis Treatment: A Randomized Controlled Trial
Ori Wand, et. al.
https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(18)32572-8/fulltext
DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.09.026


2重盲検ランダム化トライアル:トラネキサム酸500mgx3/日 ネブライザー投与
vs プラシーボ(生理食塩水)
大量喀血(200ml超/24時間、喀血量)
血行動態・呼吸不安定患者除外
死亡率と血痰再発率を30日目、1年間フォローアップ

ランダム化 47名、トラネキサム酸吸入 n=25 vs 生理食塩水 n=22

  • トラネキサム酸は、入院2日目から予測喀血量の有意減少
  • 入院5日間内血痰寛解率はトラネキサム酸群で高い 96% vs. 50%, p<0.0005)

  • 平均入院日数はトラネキサム酸群で短い  (5.7±2.5 vs. 7.8±4.6 days, p=0.046)
  • また、出血コントロールのための比較的侵襲的処置(気管支鏡処置、血管塞栓など)必要数減少 (none vs 18.2%, p=0.041)

  • 副作用どの群でも認めず
  • 加え、フォローアップ1年時点で再発率減少 (p=0.009)


結論:トラネキサム酸吸入は、非massiveな喀血患者に安全で、有効

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