アロプリノールの総死亡・心血管疾患アウトカムへの影響は後顧的住民研究レベルだと解釈難しい
死亡率・心血管アウトカム減少作用は高用量では大きな減少効果があったが、それなら総累積量により効果変動しそうなものだがそれは認められなかった。
尿酸値と死亡率の関連性は Mendelian randomization study(, , , et al. Plasma urate concentration and risk of coronary heart disease: a Mendelian randomisation analysis. Lancet Diabetes Endocrinol. 2016;4(4):327‐336.)では認められなかったことと合わせ、まだ混沌部分が多い
Association between allopurinol and cardiovascular outcomes and all‐cause mortality in diabetes: A retrospective, population‐based cohort study
Alanna Weisman ,et al.
Journal of Pharmacology and Therapeutics
First published: 08 February 2019
https://doi.org/10.1111/dom.13656
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/dom.13656
カナダ・オンタリオの住民ベース後顧的コホート研究
アロプリノールと死亡率、心血管アウトカムの関連性 66歳以上の糖尿病患者で2002年4月1日から2012年3月31日まで初回処方症例で、2016年3月31日までの検討
フォローアップ中央値 4.65 (IQR , 1.79 - 7.81)年間
プライマリアウトカム (総死亡、非致死性心血管疾患(心筋梗塞、血管再建、卒中)、うっ血性心不全)発生:男性 16 266/23 103、女性 10 571/15 313
アロプリノールは、プライマリアウトカム減少と関連 [補正ハザード比 (aHR) 男性 0.77 (95% 信頼区間 0.75–0.80) 、 女性:0.81 (0.78–0.84) ]
総死亡率減少顕著、心血管イベント/うっ血性心不全 modest
累積アロプリノール量はアウトカムに影響無く、アロプリノールは、男性肺炎リスク減少と関連 [aHR 0.88 (0.83, 0.93)]
尿酸はプリン代謝の産物で、細胞外環境及び低濃度では尿酸は抗酸化作用を有するが、高濃度・細胞外環境ではpro-oxidant作用を有し有害作用となる可能性がある。Xanthine oxidaseはhypoxanthineからxanthineへ、xanthineから尿酸への反応を触媒し、ROSを産生する。高尿酸血症は、酸化ストレス、RAAS活性化、心血管アウトカムと関連。一方、尿酸は心血管疾患のメディエーター、従来のリスクのマーカーでもある。
アロプリノールは血管内皮機能を改善し、左室容積を改善、酸化ストレスを軽減し、尿酸低下と無関係の作用の可能性がある。セカンダリ・データ(二次データ)を用いた多くの観察研究では、アロプリノールが臨床的に有意な心血管アウトカム減少効果を大規模住民研究では示せず、特に心不全においては一致した結果がない。
最近出現の尿酸低下薬剤である非プリンXanthine oxidase阻害剤 febuxostatの心血管疾患安全性評価臨床トライアルでは、allopurinoloに比べ総死亡率、心血管特異的死亡率低下の報告 (注. 非劣性だが・・・)
, , , et al. Cardiovascular safety of febuxostat or allopurinol in patients with gout. N Engl J Med. 2018;378(13):1200‐1210.
ALL-HEART研究
, , , et al. Multicentre, prospective, randomised, open‐label, blinded end point trial of the efficacy of allopurinol therapy in improving cardiovascular outcomes in patients with ischaemic heart disease: protocol of the ALL‐HEART study. BMJ Open. 2016;6(9):e013774.
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