Covid-19治療に関し、「米国で唯一承認されている治療法はレムデシビルであり、これまでのところ死亡率を低下させることが示されている唯一の治療法はデキサメタゾン」だが、ご承知の如く、前者の有効性/安全性に関して確たるエビデンスレベルがあるとは言えない状況。
米国CDC調査報告によると、非ヒスパニック系の黒人では非ヒスパニック系白人の3.7倍、ヒスパニック系またはラテン系の4.1倍、非ヒスパニック系アメリカインディアンまたはアラスカ先住民では非ヒスパニック系白人の4.0倍となっており、これは世界的な問題でもあり、英国の1700万人の患者のうち、白人以外の人種・民族の患者はすべて、白人患者よりもCovid-19関連の死亡リスクが高かったとのことで、この報告は、ハイリスク患者や人種・民族的マイノリティ集団に焦点を当てた治験
Tocilizumab in Patients Hospitalized with Covid-19 Pneumonia
Carlos Salama, et al.
N. Engl. J. Med. DOI: 10.1056/NEJMoa2030340
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2030340
機械式人工呼吸を受けていないCovid-19肺炎入院患者へ2:1ランダム化割り付け
標準ケア+
tocilizumab ( 8mg/kgBW)1回投与 or 2回投与 or placebo
高リスク・マイノリティ人種登録の所在地を組み入れ、site selectionに焦点を当てた
プライマリアウトカム:day 28に人工呼吸 or 死亡
コロナウイルス疾患2019(Covid-19)肺炎で入院した,十分な治療を受けていない人種・少数民族の患者を対象に,トシリズマブ(抗インターロイキン-6受容体抗体)を投与した.機械換気を受けていないコビド-19肺炎で入院した患者を、標準治療+トシリズマブ(体重1キログラムあたり8mgを静脈内投与)またはプラセボのいずれか1または2用量の投与を受けるように無作為に(2:1の比率で)割り付けた。主要評価項目は、28日目までの機械的人工呼吸または死亡であった。その結果、機械換気を受けていないCovid-19肺炎入院患者において、トシリズマブ投与により、複合アウトカムである機械換気または死亡への進行確率の低下が認められたが、トシリズマブは生存率の改善には至らなかった。また、新たな安全性シグナルは認めらなかった。
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