2021年9月22日水曜日

Necroptosis Signaling : COPD炎症・気道リモデリング・気腫


  • ネクロプトーシス誘導分子RIPK3による細胞死と炎症の制御

https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2019.910265/data/index.html

  • MLKL(mixed lineage kinase domain-like) :This protein plays a critical role in tumor necrosis factor (TNF)-induced necroptosis, a programmed cell death process, via interaction with receptor-interacting protein 3 (RIP3), which is a key signaling molecule in necroptosis pathway.



Necroptosis Signaling Promotes Inflammation, Airway Remodeling, and Emphysema in Chronic Obstructive Pulmonary Disease

Zhe Lu , et al.

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Volume 204, Issue 6 




【根拠】RIPK3(receptor-interacting protein kinase 3)とMLKL(mixed lineage kinase domain-like)を介したNecroptosisは、組織の炎症や破壊を促進する制御された壊死の一形態であるが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病態への寄与は十分に理解されていない。

【目的 COPDにおけるNecroptosisの役割を明らかにすること。

【方法】COPD患者とCOPDでない対照者の肺組織におけるRIPK3とMLKLの総量と活性(リン酸化)を測定した。たばこの煙で実験的にCOPDを発症したマウスの肺と肺マクロファージにおいて,Necroptosis関連のmRNAとタンパク質,および細胞死を調べた。 Ripk3−/− および Mlkl−/−マウスのCS急性および慢性曝露に対する反応を野生型マウスと比較した。また、apoptosis (with the pan-caspase inhibitor quinoline-Val-Asp-difluorophenoxymethylketone [qVD-OPh]) とnecroptosis (with deletion of Mlkl in mice) の複合的な阻害効果を評価した。

【測定と主な結果】 重症のCOPD患者では、上皮とマクロファージの総MLKLタンパク質、肺組織のpRIPK3とpMLKLが、COPDではない非喫煙者や喫煙者の対照者と比較して増加していた。CS曝露マウスと実験的COPDの肺とマクロファージでは、Necroptosis関連のmRNAとタンパク質レベルが上昇していた。Ripk3またはMlklを欠損させると、CSの急性曝露による気道炎症を防ぐことができた。Ripk3の欠損は、慢性的なCS曝露後の気道の炎症とリモデリング、および肺気腫性病理の発症を抑制した。Mlkl欠損とqVD-OPh処理は、CSによる慢性気道炎症を抑制したが、Mlkl欠損のみが気道のリモデリングと肺気腫を予防した。Ripk3またはMlklの欠失とqVD-OPhの投与は、CSによる肺細胞死を減少させた。

【結論】NecroptosisはCS暴露によって誘導され、COPD患者の肺や実験的COPDで増加する。Necroptosisを阻害することで、CS誘導の気道炎症、気道リモデリング、肺気腫が軽減される。Necroptosisを標的として阻害することは、COPDの治療戦略として期待できる。

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