サプリメントは、お金の無駄遣いだけでなく、有害な気晴らしになる可能性もある
Vitamin and Mineral Supplements for the Primary Prevention of Cardiovascular Disease and Cancer
Updated Evidence Report and Systematic Review for the US Preventive Services Task Force
Elizabeth A. O’Connor, PhD1; Corinne V. Evans, MPP1; Ilya Ivlev, MD, PhD, MBI1; et alMegan C. Rushkin, MPH1,2; Rachel G. Thomas, MPH1; Allea Martin, MPH1; Jennifer S. Lin, MD, MCR1
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2793447
JAMA. 2022;327(23):2334-2347. doi:10.1001/jama.2021.15650
解説記事が以下
Multivitamins and Supplements—Benign Preventionor Potentially Harmful Distraction?.
Jia, J., et al. (2022)
JAMA. doi.org/10.1001/jama.2022.9167.
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2793472
成人の半数以上が栄養補助食品を摂取しており、米国におけるサプリメントの使用は増加すると予測されている。2021年には、米国の人々は栄養補助食品に500億ドル近くを費やし、栄養補助食品業界はマーケティングに約9億ドルを費やしたと推定される
サプリメントの魅力は明白で、理論的には、ビタミンとミネラルには抗酸化作用と抗炎症作用があり、心血管疾患とがんの発症を減少させるはずだ。野菜や果物を食べることは、心血管疾患やがんのリスク低減につながる。しかし、野菜や果物には、ビタミン、植物化学物質、食物繊維、その他の栄養素が含まれており、それらが相乗的に作用して健康に良い効果をもたらすと考えられている。微量栄養素は、単独で摂取した場合と、他の多くの栄養成分と一緒に摂取した場合とでは、体内での作用が異なる可能性がある。
適切な状況であれば、サプリメントには健康上の利点があります。ビタミンとミネラルの欠乏は、無数の病気の原因となる。妊娠中または妊娠の可能性がある人には、神経管欠損症を予防するために葉酸を、早産や低出生体重児を予防し、胎児の脳の発達を高めるために鉄を摂取することが推奨されている。
妊娠していない健康な成人に対しては、米国予防医療専門委員会(USPSTF)は、心血管疾患や癌を予防するためのサプリメントの使用に関する勧告を更新した(US Preventive Services Task Force. Vitamin, mineral, and multivitamin supplementation to prevent cardiovascular disease and cancer: US Preventive Services Task Force recommendation statement. JAMA. Published June 21, 2022. doi:10.1001/jama.2022.8970)。
この更新された勧告は、2014年のこのテーマに関する最後のUSPSTF勧告以降の52の新しい研究を含む84の研究の新しいエビデンスレポートと系統的レビュー(ともにJAMA本号に掲載)に基づいている。USPSTFは、心血管疾患またはがんの予防のためのマルチビタミンサプリメント、単独のサプリメント、またはほとんどのペアサプリメントの使用に関する利点と害のバランスを評価するには現在の証拠は不十分と結論付けている(I statement)。
USPSTFは、死亡率、心血管死亡率、肺がんのリスクを高める可能性があるため、心血管疾患またはがんの予防のためのベータカロテンサプリメントの使用を特にagainst推奨(要するに、使用しない方を推奨)(D勧告)。
また、USPSTFは、死亡率、心血管疾患、または癌を減少させる正味の利点がおそらくないため、心血管疾患または癌の予防のためのビタミンEサプリメントの使用(D勧告)を明確にagainst推奨をしている(要するに、使用しない方を推奨)。
マルチビタミンに関しては、有効性がないことを証明することはchallengingであり、、Iステートメント(すなわち、「不十分な」証拠)は、使用の推奨でも不使用でもない。しかし、現在のところ、マルチビタミンの死亡率低下に関する潜在的な効果は、せいぜいわずかなものであることが示唆されている。例えば、健康な65歳女性の9年間の推定死亡リスクは約8.0%であるが、マルチビタミンを5年から10年摂取すれば、推定死亡リスクは7.5%に減少するかもしれない(オッズ比0.94に基づく)。この推定値は、潜在的な有益性が小さいことに加え、不完全な証拠に基づいており、不正確であり、データの解釈や分析の仕方に大きく影響されるものである。利用可能なエビデンスは、研究されたマルチビタミンの不均一性、短い追跡期間、および多様でない研究サンプルによって制限されている。
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