Nebulized versus intravenous tranexamic acid for hemoptysis: A pilot randomized controlled trial
Bharath Gopinath, et al.
CHEST, Published:November 18, 2022
DOI:https://doi.org/10.1016/j.chest.2022.11.021
https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(22)04171-X/
背景
トラネキサム酸(TA)は、喀血患者の出血抑制に用いられる。しかし、TAの投与経路の違いによる有効性は検討されていない。
研究課題
喀血で救急外来を受診した患者において、トラネキサム酸(TA)のネブライザーの投与経路は静脈内投与経路と比較して喀血量を減少させるか?
方法
活動性の喀血で救急外来を受診した成人患者を対象に、ネブライザーを用いたTA(500mg/日)投与と静脈内投与(500mg/日)の実用的なオープンラベル、クラスター無作為化、単一中心型並行試験(パイロット試験)を実施しました。主要評価項目は,30 分後の出血の停止であった.副次的評価項目は,6時間後,12時間後,24時間後の喀血量,インターベンションの実施状況,TAの副作用であった.血行動態が不安定な患者、直ちにインターベンションや人工呼吸を必要とする患者は対象から除外した。
結果
各群55例中、TA投与30分後の喀血停止率は、静注群(n=28)に対してネブライザー群(n=40)で有意に高かった[X2 (1, n=110)=5.55, p=0.0019] 。
また、喀血量はいずれの観察期間においてもネブライザー群で有意に減少した(P値30min=0.011, at 6h=0.002, 12h=0.0008, 24h=0.005 )。気
管支動脈塞栓術を必要とした患者はネブライザー群で少なく(13例 vs 21例,P値=0.024),EDからの退院率は高かった(67.92% vs 39.02%,P値=0.005).
ネブライザー投与群では2名の患者に無症状の気管支収縮が認められたが,短時間作用型βアゴニストのネブライザー投与により消失した.72時間の追跡期間中,救急外来を退院した患者のうち,インターベンション治療を受けた患者や再出血で救急外来を受診した患者はいなかった.
解釈
ネブライザーの使用は、喀血量および救急処置の必要性の減少において、静脈内投与よりも効果的である可能性がある。軽度の喀血を有する患者において、静脈内投与と比較したネブライザーの可能性をさらに探るため、今後の大規模試験が必要である。
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