2022年12月16日金曜日

日本の高血圧学会の不作為悪行:HCTZ比較のクロルタリドンの臨床的有効性がさらに明確になったわけだが・・・

クロルタリドンはヒドロクロロチアジドよりも、高血圧患者における心血管イベントの予防効果が高いと報告されているにも関わらず、クロルタリドン:ダイクロトライド(万有製薬)が販売中止になった背景は日本の医者の科学的エビデンス(ALLHAT研究)無視の診療姿勢の結果だと思っている。これに対して高血圧学会などの専門家集団も責任ある対応を示さなかった。高血圧専門家たちもエビデンスに基づく治療方針をとらなかった。

ダイクロトライドを使用しているのは私のところが、九州でほぼ唯一と”薬品卸”から言われたことを思い出す。

これって専門医として恥ずかしいことではないのか?


脂質異常(LDL直接法の宙ぶらりん(検診と医療の乖離)、中性脂肪治療へのエビデンス不足に関わらず推奨する矛盾など)や糖尿病学会(メトホルミン軽視・差別、第一選択薬選別してないことなど)、腎臓病学会(顕性蛋白尿でも微量アルブミン基準をゴリ押しし公的保険下では診断不能の病態放置など、CKD検診コストベネフィット分析無視など)の様々な矛盾を含むガイドラインも、高圧的姿勢の一環の結果だと思う


Chlorthalidone vs. Hydrochlorothiazide for Hypertension–Cardiovascular Events

Areef Ishani, et al., for the Diuretic Comparison Project Writing Group*

N. Engl. J. Med. December 14, 2022

DOI: 10.1056/NEJMoa2212270  

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2212270?query=featured_home                       

背景

高血圧患者において,クロルタリドンがヒドロクロロチアジドよりも主要な心血管系有害事象の予防に優れているかどうかは不明である。

方法

退役軍人省の医療システムにおいて,ヒドロクロロチアジドの1日用量25または50mgの投与を受けていた65歳以上の成人を対象に,ヒドロクロロチアジドによる治療を継続する群と,1日用量12.5または25mgのクロルタリドンに変更する群を無作為に割り付けた実用的試験において,クロルタリドンを投与した群としなかった群の比較を行った。主要評価項目は、非致死的心筋梗塞、脳卒中、入院に至る心不全、不安定狭心症に対する緊急冠動脈血行再建術、および癌に関連しない死亡の複合であった。また、安全性についても評価した。

結果

合計13,523人の患者が無作為化を受けた。平均年齢は72歳であった。ベースライン時、12,781例(94.5%)にヒドロクロロチアジド(25mg/日)が処方されていた。各群のベースライン収縮期血圧の平均は139mmHgであった。追跡期間中央値2.4年において、クロルタリドン群(702例[10.4%])とヒドロクロロチアジド群(675例[10.0%])の間で主要評価項目の発生にほとんど差がなかった(ハザード比、1.04;95%信頼区間、0.94〜1.16;P=0.45)。主要転帰のいずれの構成要素の発生にも群間差は認められなかった.低カリウム血症の発生率は,ヒドロクロロチアジド群よりもクロルタリドン群で高かった(6.0% vs. 4.4%, P<0.001).

結論

臨床で一般的に使用されている用量のサイアザイド系利尿薬を用いたこの大規模な実用的試験において,クロルタリドンを投与された患者は,ヒドロクロロチアジドを投与された患者よりも主要な心血管転帰イベントや癌関連以外の死亡の発生率が低かった.(退役軍人協会共同研究プログラムによる資金提供。ClinicalTrials.gov番号、NCT02185417。新しいタブで開きます。)



世の中こんなもんなのかな? 風通しの悪い集団内で、いい加減な幹部がその集団を支配し、権威を持ち続け、合理性のないアクションを続けている

貴重な薬剤の存在を無くした・・・日本高血圧学会のアホども



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