2013年6月20日木曜日

2型糖尿病:低ゴナドトロピン性性腺機能低下症合併 テストステロン注射でインスリン感受性改善・脂肪から除脂肪体重への転換促進

私は個人的には”男性更年期”って言葉が大嫌いだ

蛋白同化ホルモン投与ってのは、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の確認があって初めて行われるべきだ

2型糖尿病の中で、性腺ホルモン機能低下を合併した場合に、その補充が病態改善に役立つかもしれないという報告。ただ、心血管合併症や多臓器への影響はなにも語られてないので、解釈に注意が必要と思う

低ゴナドトロピン性性機能低下と2型糖尿病合併男性へのランダム化対照化トライアル
プラシーボ比較で、テストステロン注射6ヶ月後インスリン感受性改善の報告(P=0.01)



Dhindsa SS, et al "Testosterone replacement decreases insulin resistance in hypogonadal men with type 2 diabetes" ENDO 2013; Abstract OR22-

http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ENDO/39965

2型糖尿病81名の男性
ベースラインで、性腺機能低下症では、低テストステロン症の無い場合より、BMI高値 、脂肪量多い
上記ごとく、2型糖尿病+低ゴナドトロピン性性腺機能低下症では、性腺機能低下症のない場合に比べインスリン感受性有意に低い(P=0.001)、そして、体重・年齢補正後もこの関連性は不変(P=0.017)

6ヶ月間テストステロン vs プラシーボにランダム化
治療後、テストステロン値は、治療群で有意増加 256 ng/dL → 562 ng/dL, p = 0.001
プラシーボ群では有意差無し 
遊離テストステロン劇的に増加 4.1 nmol/L → 12.4 nmol/L p < 0.001
プラシーボでは有意変化認めず

筆者等は、インスリン感受性(euglycemic clump測定)でインスリン感受性25%(p=.01)と劇的に改善したと主張。プラシーボではインスリン感受性有意差無し。 
体重、ウェスト/ヒップ比は両群変化認めず、総除脂肪体重(lean body mass)はテストステロン患者では有意に増加 (p=0.004)
同時期、脂肪量は有意に減少 (p=0.02) 
脂肪2kgが、除脂肪体重に置き換わったわけである 
平均インスリン濃度は薬物治療群でインスリン感受性とともにインスリン濃度低下 (11.6 → 7.1, p < 0.05)、 HOMA-IRも有意減少 (3.5 → 2.8, p < 0.05)

脂質濃度は両群で変化せず、しかし、テストステロン群で有意に性的欲求が高まった (P=0.05)

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