2012年12月3日月曜日

男性ホルモン補充:バイアグラの効果改善せず

男性性腺機能低下を拡大解釈し、加齢に伴うテストステロン減少や後期発症臨床的低ゴナドトロピン症を“男性更年期”と称し、補充療法を正当化する動きがある。これは諸外国の一般的な統一見解ではなく、議論段階の概念である。

Male menopause: is it a real clinical syndrome?
Climacteric. 2011 Feb;14(1):15-7.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20670200



男性更年期診断の厳格化によりその疾病はわずか2%(NEJM) ・・・ 疾患存在への疑問2010年 06月 17日
http://intmed.exblog.jp/10823817/


にもかかわらず、日本医師会は、勇み足を行っている。

男性更年期障害:バランスを失った日本医師会雑誌の記載・・・生涯教育素材の価値無し2011年 02月 05日
http://intmed.exblog.jp/12055983/



話は、かわり・・・

男性ホルモン補充が バイアグラの勃起機能改善効果に影響をあたえるか? ・・・ 答えはNo!

Effect of Testosterone Replacement on Response to Sildenafil Citrate in Men With Erectile Dysfunction: A Parallel, Randomized Trial
Matthew Spitzer, et. al.
Ann Intern Med. 20 November 2012;157(10):681-691
http://annals.org/article.aspx?articleID=1391696

 International Index of Erectile Functionの勃起機能属性(erectile function domain (EFD))25点以下の、40-70歳

総テストステロン < 11.45 nmol/L (<330 ng/dL)、遊離テストステロン濃度< 73.35 pmol/L(<50 pg/mL)
シルデナフィル投与量を最適化し、140名の被験者のうち、70名ずつに
・経皮的ジェル(テストステロン 10g)連日投与
・プラシーボ投与

ベースラインにおいて、2群は同様のEFDスコア

シルデナフィル投与は、有意にEFDスコア増加と関連  (平均, 7.7 [95% CI, 6.5 to 8.8])
しかし、ランダム後化2群にEFDスコア差認めず(差 , 2.2 [CI, −0.8 to 5.1]; P = 0.150)

これらの所見は、若年男性の性機能の他の属性でも同様、肥満でも、低テストステロン濃度、シルデナフィル反応不良でも同様。

テストステロン群でも、プラシーボ群でも、副作用は同様。

短期間投与の研究という反論は当然出てくるだろう。

だが、リビドーの改善効果が果たしてあるのかという疑問が沸いてくる。

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