2012年8月8日水曜日

糖尿病発症時正常体重例の予後は悪い :遺伝的特異的サブグループの可能性

5つの長軸コホート研究 pooled analysis

糖尿病発症時、BMI<25 br="br">

Association of Weight Status With Mortality in Adults With Incident Diabetes
Mercedes R. Carnethon,  et. al.
JAMA. 2012;308(6):581-590.
糖尿病発症時正常体重である比率は9-21%(全体的 12%)
フォローアップ中、死亡 449名、心血管原因 178名、非心血管原因 253名、分類不能 18名

総、心血管、非心血管死亡率は、正常体重者で、過体重/肥満登録者より多い
(284.8, 99.8,  198.1 / 10 000 人年 vs 152.1, 67.8, 87.9 / 10 000 人年)

住民登録特性・血圧・脂質・ウェスト径、喫煙状態補正後、正常体重登録者の過体重・肥満登録者比較ハザード比(総死亡、心血管死亡、非血管疾患死亡)は 2.08 (95% CI, 1.52-2.85), 1.52 (95% CI, 0.89-2.58),  2.32 (95% CI, 1.55-3.48)

 肥満は糖尿病の発症リスクだが、家族歴や、民族性、年齢もリスク要素。

著者の1人 Mercedes R. Carnethon, ( Northwestern University Feinberg School of Medicine)によれば、発症時正常体重群の存在は遺伝的要素が関与しているのではないかと考察している。


発症前体重のトレンドに関する報告で、体重減少の検討(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jat/18/2/18_5926/_article)も有ったと思う。また、東洋人、日本人では、体重に対して、糖尿病発症率高いことが知られている( http://www.kplu.org/post/despite-healthy-image-japanese-americans-diabetes-risk-higher )。

発症時体重あるいは直前体重変化と、その後の動脈硬化リスク・総死亡リスクの関連もう少し検討が必要だろう。
 

2012年8月7日火曜日

AHA/ASA科学諮問 :非弁膜性心房細動卒中予防 ・・・ 2種新規抗凝固薬推奨



Oral antithrombotic agents for the prevention of stroke in nonvalvular atrial fibrillation:
A science advisory for healthcare professionals from the American Heart Association/American Stroke Association.
Stroke 2012; DOI:10.1161/STR.0b013e318266722a.
http://stroke.ahajournals.org/content/early/2012/08/02/STR.0b013e318266722a.citation

非弁膜性心房細動(non-valvular atrial fibrillation: NVAF)患者への卒中予防のための新規抗凝固薬のAmerican Heart Association/American Stroke Associationの科学的助言

ワーファリン、ダビガトラン(プラダキサ)が既に推奨されているが、 リバーロキサバン:rivaroxaban (イグザレルト)や、アピキサバン:apixaban (Eliquis, Pfizer/Bristol-Myers Squibb)もNVAF患者で卒中初回・再発予防適応として示唆された。


ずしも優れて無くても、良い点があれば追加した(http://www.theheart.org/article/1432629.do#bib_1)。何よりも、PT(INR)が必要ないことを最重要視したようなコメント。




関連
ワーファリン適正使用情報(第3版)
http://www.eisai.jp/medical/products/warfarin/proper-use/

ワルファリン療法に入る前に
ワルファリン療法導入前には、一般的なことであるが、本剤に対するアレルギー既往歴の有無、妊娠の有無、特異体質か否か、併用薬の有無などの問診を行うこと。
ワルファリン投与前に血液凝固能に異常のないことを確認しておく。
ワルファリン療法には、血液凝固能のモニタリングが必須



ダビガトラン(プラダキサ)投与:
日循 「心房細動における抗血栓療法に関する緊急ステートメント」
 http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/statement.pdf



イグザレルト適正使用ガイド:http://bayer-hv.jp/hv/files/pdf.php/xarelto_guide.pdf?id=1273a71b5b1aa0e183972c3665f8f18e9



ウェイトトレーニング単独でも2型糖尿病抑制効果 ;ただし、好気的運動組み合わせの方が期待できそうだが・・・

ウェイトトレーニングも独立して糖尿病抑制効果が示せたことがこの報告の意義らしい

何らかの事情で、ウェイトトレーニングのみしかできない場合でも、予防効果が期待できるらしい。

もっとも、運動による2型糖尿病予防効果:好気的運動+ウェイトトレーニング ≧ 好気的運動のみ >ウェイトトレーニングのみ ・・・だが

A Prospective Study of Weight Training and Risk of Type 2 Diabetes Mellitus in Men
Anders Grøntved, et. al.
Arch Intern Med. Published online August 06, 2012.


米国男性におけるウェイトトレーニングと2型糖尿病(T2DM)リスクの関連性研究

32002名の前向きコホート研究( Health Professionals Follow-up Study ; 1990 ~ 2008)
ウェイトトレーニングと好気的運動週毎経験時間をアンケート調査

508332人年フォローアップ(18年)間、T2DM 2278例 新規発症

多因子補正モデルで、ウェイトトレーニング・好気的運動消費時間増加とT2DMリスク減少に量依存的関連 (P < .001 for trend)

週毎150分裁定ウェイトトレーニング・好気的運動を行うことはT2DMリスクを、それぞれ 34% (95% CI, 7%-54%)、52%(95% CI, 45%-58%)減少と関連

好気的運動とウェイトトレーニング両方を週毎最低150分が最もT2DMリスク減少(59%; 95% CI, 39%-73%)。

糖尿病合併高血圧:強化的目標は死亡率減少に寄与せず ・・・ 現行ガイドラインと反する報告

“糖尿病合併高血圧の降圧目標 130/80未満”(http://www.ketsuatsu.com/topics/01.html)とのことだが・・・死亡率というハードなアウトカム比較だと、必ずしも正しくないようだ。


2型糖尿病患者では標準血圧目標よりきびしい130/80mmHgという厳格な降圧目標を行っても卒中リスクでもさほどリスク減少が望めず、死亡率や心筋梗塞ではその効果すらはっきりしない・・・という注目すべき報告。


Intensive and Standard Blood Pressure Targets in Patients With Type 2 Diabetes Mellitus: Systematic Review and Meta-analysis
Kerry McBrien, et. al.
Arch Intern Med. Published online August 06, 2012. doi:10.1001/archinternmed.2012.3147

強化治療: intensive targets (上限 収縮期血圧 130 mm Hg 、 拡張期血圧 80 mm Hg)
標準治療: standard targets (上限 収縮期血圧 140-160 mm Hg、拡張期血圧  85-100 mm Hg )

強化治療は、死亡率リスク減少と有意に相関しない (relative risk difference, 0.76; 95% CI, 0.55-1.05)、心筋梗塞リスクとも有意に相関しない (relative risk difference, 0.93; 95% CI, 0.80-1.08)
しかし、卒中リスク減少と相関 (relative risk, 0.65; 95% CI, 0.48-0.86)。
しかし、強化治療使用のリスク差 pooled analysisによれば、その絶対値差は小さい (絶対的リスク差, −0.01; 95% CI, −0.02 ~ −0.00)
死亡率や心筋梗塞のリスク差は有意で無い

光線過敏性をもつ降圧剤は口唇がんリスクを増加させる

hydrochlorothiazide や nifedipineといった光線過敏症をを生じる降圧剤と口唇がんの関連性


Antihypertensive Drugs and Lip Cancer in Non-Hispanic Whites ONLINE FIRST
Gary D. Friedman et. al.
Arch Intern Med. Published online August 06 2012. doi:10.1001/archinternmed.2012.2754

薬剤未使用比較最低5年使用によるオッズ比は
hydrochlorothiazide 4.22 (2.82-6.31)
hydrochlorothiazide-triamterene 2.82 (1.74-4.55)
lisinopril 1.42 (0.95-2.13)
nifedipine 2.50 (1.29-4.84)
atenolol 1.93 (1.29-2.91)

他の薬剤除外時、 atenololオッズ比は 0.54 (0.07-4.08)となった。


非ヒスパニック系白人の話ですけどね・・・

糖尿病:中等度運動で死亡率35%減少効果

糖尿病患者のマネージメントにおいて、合併症予防として運動に注目が集まる。しかし、結論的エビデンスが存在しなかった。

ということでEPIC study (European Prospective Investigation Into Cancer and Nutrition)コホート(35歳から70歳)で5859名の糖尿病患者で、レジャー時間と総運動・ウォーキングと心血管疾患(CVD)・総死亡率の関連を検討


12の前向きコホートデータ・メタアナリシスを加えると、糖尿病患者では定期的中等度運動を続けることで、38%死亡率低下効果との結果


Physical Activity and Mortality in Individuals With Diabetes MellitusA Prospective Study and Meta-analysis
Arch Intern Med. Published online August 06, 2012. doi:10.1001/archinternmed.2012.3130

総運動は、心血管疾患リスク、総死亡率減少と相関。


身体非活動性(運動不足)者に比べ、総死亡率リスクは中等度運動群でもっとも低いリスクで、総死亡率 ハザード比  0.62 (95% CI, 0.49-0.78)、CVD死亡率 ハザード比 0.51 (95% CI, 0.32-0.81)

レジャー時間運動は総死亡率リスク減少と関連し、ウォーキングはCVD死亡リスク減少と関連。

運動高レベルvs低レベル比較総死亡率 5研究メタアナリシス・pooled random-effects ハザード比は、 0.60 (95% CI, 0.49-0.73)


解説:http://www.theheart.org/article/1433257.do

研究の問題点として、1型・2型糖尿病を分けてないこと




Effect of physical inactivity on major non-communicable diseases worldwide: an analysis of burden of disease and life expectancy.
Lancet 2012;380(9838):219-29.</>
Rethinking our approach to physical activity.
Lancet 2012;380(9838):189-90.

2012年8月6日月曜日

米国CDC: 新型インフルエンザ H3N2 流行の恐れ

CDC Reports Cases 18-29 of H3N2v Virus Infection; Continues to Recommend Interim Precautions When Interacting with Pigs
http://www.cdc.gov/flu/spotlights/h3n2v_us_cases.htm


August 3, 2012 –12のインフルエンザA(H3N2)変異ウィルスを3つの州(ハワイ 1例、オハイオ 10例、インディアナ 1例)で報告
ヒト influenza A(H1N1)pdm09 (2009 H1N1) virusからのM遺伝子を含む
そして、H1N1インフルエンザウィルスの遺伝子も含む

このタイプのインフルエンザの流行性に関し、CDCは伝播しやすいと考えており、感染予防に注意するよう呼びかけている。
http://www.capitolcolumn.com/news/cdc-swine-flu-continues-spread-to-state-fairs/


HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...