2012年9月10日月曜日

リウマチ因子(IgM型)陽性者は関節リウマチ発症リスク高い 30年間前向き研究

血中リウマチ因子(rheumatoid factor of IgM type)値増加は、長期的観察にて、関節リウマチ発症と相関する・・・この研究結果は、リウマチ発症予測に役立つ可能性がある


関節リウマチの一般頻度は0.5-2%程度である。早期に関節リウマチ診断することの重要性が認識されつつあることと合わせ、どのように早期発見・早期治療に結びつけていくかが今後の課題となるだろう。


Elevated rheumatoid factor and long term risk of rheumatoid arthritis: a prospective cohort study
BMJ 2012; 345 doi: 10.1136/bmj.e5244 (Published 6 September 2012)

Copenhagen City Heart Study:1981-1983年の血中濃度検査を2010年8月10日までフォロー
関節リウマチ無しの9712名(20-100歳まで)

主要アウトカム測定:血中IgMリウマチ濃度 25-50、50.1-100、>100、vs <25 IU/mL比較

結果:リウマチ因子濃度は20-100歳まで同等
187659人年、関節リウマチ発症 193名
健康人にて、リウマチ因子倍は関節リウマチ発症リスク増加と関連 3.3倍(95%信頼区間 2.7-4.0)で、この傾向は他の自己免疫性リウマチ疾患でも同様の傾向。

関節リウマチ累積頻度はリウマチ因子カテゴリー増加毎に増加 (Ptrend<0.0001)

関節リウマチの多変量補正ハザード比は、リウマチ因子最小カテゴリー( <25 IU/mL)比較で、それぞれのリウマチ因子25-50で 3.6(95%信頼区間1.7-7.3)、同様に、 50.1-100 IU/mLで 25-50 IU/mL, 6.0 (3.4 to 10)、>100 IU/mLで 26 (15 to 46) (Ptrend<0.0001)

関節リウマチの最高10年絶対リスクは32%で、リウマチ濃度>100 IU/ml、喫煙女性、50-69歳女性


結論:リウマチ因子増加している人は、関節リウマチの長期リスク26倍増加をみとめ、10年のリウマチ絶対リスクは32%まで増加。
この新しい知見は、リウマチ因子をベースとしたリウマチ専門家や早期関節炎クリニックへのガイドライン改訂につながるだろう。



リウマチ因子陰性関節リウマチの存在もあり、抗CCP抗体が臨床上重用されている。一方、この論文では、IgM型リウマチ因子定量であり、リウマチ因子陽性側からの検討であることに注意が必要。

2012年9月9日日曜日

喘息・COPDへのIL-18ターゲット治療に関してpeer-reviewed publication

喘息・COPDへのIL-18ターゲット治療に関してpeer-reviewed publication



Journal of Interferon & Cytokine Research
Interleukin-18 in Pulmonary Inflammatory Diseases
Tomotaka Kawayama, et. al.
Journal of Interferon & Cytokine Research.  doi:10.1089/jir.2012.0029.


レビューなのにScience Dailyに解説

Promising New Drug Target for Inflammatory Lung Diseases
ScienceDaily (Sep. 6, 2012)
http://www.sciencedaily.com/releases/2012/09/120906111906.htm


2012年9月8日土曜日

エリートバレーボール選手に於ける手指虚血症状の調査

女子バレーボールの銅メダルのおかげで、人気低落化一段落の感があるバレーボール。


エリートバレーボール選手に於ける手指の虚血性病変、後上腕回旋動脈の動脈瘤性拡張と末梢閉塞・血栓塞栓の問題、それに伴う徴候・症状に関する報告。

High Prevalence of Self-Reported Symptoms of Digital Ischemia in Elite Male Volleyball Players in the Netherlands
A Cross-Sectional National Survey
Am J Sports Med August 27, 2012 0363546512456973
背景: 筆者自病院にて、最近3年で、虚血性6名のバレーボール選手が利き手の虚血性手指及び指動脈の微小血栓を主訴とした患者がいた。症状としては、同側上肢の末梢動脈の閉塞・指動脈塞栓を伴う後上腕回旋動脈( posterior circumflex humeral artery (PCHA) )の動脈瘤性拡張が原因であった。末梢性塞栓を伴うPCHA病変( PCHA pathological lesions with digital emboli (PCHAP with DE))の正確な徴候・エリートバレーボール選手での頻度の詳細は不明。血管病変が早期に同定できたら、手指血栓塞栓合併症、不可逆性変化予防可能となるかもしれない。

目的: オランダのエリート男性バレーボール選手において、PCHA with DE原因と考えられる指動脈虚血に合致した症状の頻度評価

研究デザイン: Cross-sectional study; Level of evidence, 3.

方法: アンケート調査をオランダ国内のトップリーグ・オランダビーチバレーチームのエリートバレーボール選手で行った。アンケートは文献ベースのデータと一致したPCHAP with DEの症状で、医療ファイルからのデータも利用。

結果: 登録107名中99名、93%の応答率
頻回報告症状は、練習・試合中あるいはその直後の利き手の冷感、青ざめた感じ、蒼白の指の訴えが多い。
これらの症状の頻度は11%-27%
練習中・試合中の手指冷感頻度は27%
試合中・直後の手指冷感、青ざめた感じ、蒼白頻度は12%

結論: エリートバレーボール選手の利き手PCHAP with DEの頻度は予想外に高い。
決定的な手指虚血発症リスクが潜在的にあることを考慮する必要があるので、手指虚血やPCHA損傷に関してさらなる解析が必要。







エリートアスリートは大変だ、その身体リスクに対応できるメディカルスタッフの質も必要

2012年9月7日金曜日

自閉症のごく一部で必須アミノ酸破壊防止蛋白異常と関連

Mutations in BCKD-kinase Lead to a Potentially Treatable Form of Autism with Epilepsy
Science DOI: 10.1126/science.122463



6名の自閉症のこどもに、 必須アミノ酸破壊防止遺伝子の変異発見した。この遺伝子欠損マウスは自閉症関連神経学的発達障害を示す。

ただ、この遺伝子異常に関わる例はかなり稀で、一般化不能。

branched chain ketoacid dehydrogenase (BCKDH)のE1-αサブユニットのリン酸化作用不活化に関連するエンコードされた蛋白。
BCKD-kinase,は、人の体内では合成できない必須アミノ酸でもある、分岐型アミノ酸であるロイシン、イソロイシン、バリンの破壊防止する役割がある。

“総合医”構想


なんのための総合医なんだか・・・総合医とは、個々の病院長に都合の良い医者、もしくは、コスト削減に役立つ医者のこと 2012年2月21日火曜日

厚労省検討会でも 三者三様の“総合医”のとらえ方がされてる

・ 一般的な傷病の入院管理と、当直、救急に対応する『病院総合内科医』
・ 病院常勤医がいない診療科を対応できる医師
・ 在宅医療、プライマリケアを担う医師




いっそのこと以下の4つに分ければ良い・・・
・病院経営者に都合の良い「総合医」A
・病院勤務者に都合の良い「総合医」B
・診療所経営者に都合の良い「総合医」C
・行政に都合の良い「総合医」D

オートノミー型分類

職業 的オートノミー有り(自主尊重型):B型・C型
職業的オートノミー無し(奴隷化型):A型・D型


コスト目標別分類
コスト削減(主眼)型:D型
コスト増大(希望)型:A・B型
現場維持(希望)型:C型

発案者別分類
現場からの発案(患者から近い):B・C型
霞ヶ関からの発案(患者から遠い):D型

 建前分類
患者のための・・・という嘘:A・B・C・D型



■ 新専門医「日医生涯教育の活用を」 ― 横倉会長 ―

 横倉義武会長は9月1日、福岡市で開かれた日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で講演し、専門医制度について「今後はどういう制度が国民にとって良いのかという立場で問題提起、主張をしていきたい」と方針を述べた。日医の生涯教育制度の概要を説明し、専門医の認定・更新に活用することを提案した。

 専門医の認定・評価については「プロフェッショナルオートノミーで行うべき。行政が認定を行うことになればプロフェッショナルオートノミーが崩れる」とし、国の関与に否定的な見解を示した。

 現行の医療制度と整合性を取るべきとも指摘し、地域のかかりつけ医の評価にも配慮するよう求めた。専門医のインセンティブについては「慎重に議論することが必要」と述べた。

 横倉会長は「総合医」と「総合診療医」を明確に区別すべきとも述べ、両者の定義を説明した。

 総合医は就業形態や診療科を問わず「医療的機能」以外にかかりつけ医機能(社会的機能)を備えた医師と定義。日医が従来主張してきたかかりつけ医と同義であるとした。一方、総合診療医は幅広い診療科の知識を身に付けた「医療的機能」の面だけで評価された医師と位置付けた。

【メディファクス】

現場維持(希望)型:C型


赤ワインの降圧効果は、アルコールによる作用で無く、ポリフェノールの効果

アルコール抜き赤ワインで、収縮期・拡張期血圧減少効果あり
NOを介したメカニズムで説明できると著者ら

心血管リスク高度の67名の男性、2週間のrun-in periodを設け、3つの治療へ交差的にわりつけ(赤ワイン アルコール30g/日、同等量の無アルコール赤ワイン、ジン アルコール30g/日)、4週間継続
血圧降下は血中NO増加と相関性を有していた


Short Communication
Dealcoholized Red Wine Decreases Systolic and Diastolic Blood Pressure and Increases Plasma Nitric Oxide
Circulation Research CIRCRESAHA.112.275636 Published online before print September 6, 2012, doi: 10.1161/​CIRCRESAHA.112.275636




この表題見たとき、無アルコールワインなんぞ飲むより、蒲萄ジュースでも飲んどけ!と思ってしまった。

赤ワインのベネフィットって、アルコール成分で無く、ポリフェノールなどのNO効果ってことを示したかったようだ。


“適量なら、アルコールは健康によい”というのはホントなのか?


アルコール摂取は線形的に高血圧と関連する。
Alcohol and hypertension: gender differences in dose-response relationships determined through systematic review and meta-analysis.
Addiction. 2009 Dec;104(12):1981-90. Epub 2009 Oct 5.

アルコール関連企業の広告は巧みなので、 だまされないように・・・

乳がん:BRCA1/2遺伝子変異は放射線による乳がん発症リスクが高い。

乳がん家族リスクある女性は、診断レントゲン放射線暴露にてリスク増加するという報告。

BRCA1、BRCA2変異を有するキャリアでの30歳前での診断的放射線使用は乳がんリスクを90%まで増加するという報告


"Exposure to diagnostic radiation and risk of breast cancer among carriers of BRCA1/2 mutations: retrospective cohort study (GENE-RAD-RISK)"
Pijpe A, et al
BMJ 2012; 345: e5660. 

3つの国家的研究(フランス、英国、オランダ) (GENEPSO, EMBRACE, HEBON)
2006-2009年のBRCA1/2変異キャリア女性1993名


30歳前BRCA1/2変異キャリアの診断的放射線暴露は乳がんリスク増加と関連
(ハザード比 1.90, 95% 信頼区間 1.20 to 3.00)
量反応パターンあり

推定累積投与 <0 .0020=".0020" 1.63="1.63" 1.75="1.75" 1.78="1.78" 2.77="2.77" 3.58="3.58" 3.84="3.84" 4.25="4.25" 8.79="8.79" br="br" gy="gy" nbsp="nbsp" to="to">
放射線診断検査の種類解析では、20歳前、30歳前でのレントゲン数でのリスク増加パターンが示された。

30歳前のマンモグラフィー既往は乳がんリスク増加と関連 (ハザード比 1.43, 0.85 to 2.40).

感度分析にて、家族歴による適応関与による原因ではないということが示された。


乳がん関与BRCA遺伝子変異があるから放射線被曝量が増して・・・という話ではないようだ。
遺伝子変異があるからレントゲン検査をしなければならないのに、かえって放射線被曝により乳がん発症リスクが増すという現象。

診断時放射線量や回数を極力軽減する以外に、それ以外の診断モダリティーの開発が望まれるとうことなのだろうが・・・

noteへ実験的移行

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