2013年2月26日火曜日

RCT:地中海ダイエット(エクストラ・バージン・オリーブ油、ナッツ)心血管疾患一次予防効果

Mediterranean Dietを一応表題では、地中海ダイエットと訳してる・・・単に長いから・・・

序文にあるように、観察コホートと二次予防という効果が現れやすい条件下での予防効果は報告されていた。
メタアナリシス:Mediterranean Dietのメタボリックシンドロームとその構成要素への影響 2011年03月11日
今回は、一次予防という、効果の現れにくい状況でのRCT
しかも、心血管イベント減少効果という、日本の製薬メーカーが良くやる検査値だけの比較ではない、重大アウトカムの減少効果があらわれたというもの


Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet
Ramón Estruch,  et. al.
for the PREDIMED Study Investigators
N Engl. J. Med. February 25, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1200303

観察コホート研究と二次予防トライアルで、Meiterranean dietと心血管疾患リスクの逆相関が示されている。
これでは、心血管疾患一次予防のランダム化トライアル


スペインの多施設トライアル、高心血管リスク患者・登録時心血管疾患無し患者をランダム割り付け
・extra-virgin olive oilを用いたMediterranean diet
・mixed nutsを用いたMediterranean diet
・対象:食事性脂肪制限助言のみ


プライマリエンドポイントは、重大心血管イベント(心筋梗塞、卒中、心血管疾患原因死)
内部解析結果に基づき、4.8年フォローアップ中央値で中断

55-80歳、女性 57%、7447名登録

2つのMediterranean-diet群は介入に対し、アドヒアランス良好(摂取自己報告、バイオマーカー解析)

プライマリエンドポイント 288名で発生

対照群(イベント数 109)比較多変量補正ハザード比
extra-virgin oil群(イベント数 96) 0.70(95% 信頼区間 [CI], 0.54 - 0.92)
nuts群(イベント数 83)  0.72(95% CI, 0.54 - 0.96)

Mediterranean dietサプリメントは、extra-viginオリーブオイルでも、ナッツでも、重大心血管イベントを一次予防的に減少させる


ナッツを食べようにも、どの製品も食品も、食塩多用のが多くて・・・ 地中海式ダイエットではどのような工夫されてるんだろ?

2013年2月25日月曜日

"SXC ESP" :除菌・アレルギー除去のための新しいデバイス

ワシントン大学の科学者チームが、Soft X-ray Electrostatic Precipitator (SXC ESP)という大気中の、細菌、アレルゲン、ウィルス、かび、有害エアゾール分子を中和するという、新しいデバイスを開発し、その有効性を免疫不全ヌードマウスモデルで確認
ニュースソース:https://news.wustl.edu/news/Pages/25013.aspx

corono-soft X-rayシステムは粒子を荷電・補足を効率的に促進システムで、荷電困難分子も容易に荷電可能であり、電界にトラップできるため、高イオン濃度、イオン化環境で、有機物質は二酸化炭素となる。ナノ構造catalyst coatingにより毒性を消失させる。
Soft-X-Ray-Enhanced Electrostatic Precipitation for Protection against Inhalable Allergens, Ultrafine Particles, and Microbial Infections.
Kettleson EM, et. al.
Appl Environ Microbiol. 2013 Feb;79(4):1333-41.
 

いままで報告のないくらいの高レベルの有効性が示され、バイオテロ関係でも対応できるとのこと
居宅でも利用可能で、免疫不全状態、乳幼児、高齢者、呼吸器系疾患、アトピー・アレルギー患者、バイオテロ脅威対策で利用可能。
しかも、コストは屋内空気洗浄機なみだそうで、しかも、空気清浄機にこの機能を組み込むことも可能とのこと
デバイスフィルターは、大気中の分子を荷電し、電磁界で分子をふるい落とす方法
病原性物質をイオン化・蛍光照射するシステムを利用する方法にも採用できるが、SXC ESPは紫外線ベースのものより効率が良いと書かれてる。


(気になるのは、SXC ESP研究で、0.3μmほどの微粒子を100%除去可能と書かれてるが、20-50nmサイズのウィルスには対応できないはず? 細菌サイズの1-5μmは対応可能だろうが・・・)


塩化臭素や次亜塩素酸や”マイナスイオン”発生器のようなオゾン産生リスクはないのだろうか?臨床の場でも使えるのかもしれない・・・と期待。

Pseudogeneはがん関連遺伝子活性化調整に働いていた

ヒトゲノムのDNAの小さな延長部分、pseudogeneと呼ばれるところは、長く、コードされてないjunk部分と考えられてきた。TSRIの研究者の報告によると、がん関連遺伝子であるPTENの活性コントロールする部分であることが判明。

他のpseudogeneにもそのような役割があるのではないかと・・・にわかに騒がしくなったという話らしい

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-02/sri-sfs021913.php


PTENpg1-encoded antisense RNA(asRNA)が、PTENのtranscriptionやPTEN mRNA安定性を調整することがわかり、asRNA isoformとして、α、βを認め、DNA methyltransferase 3a、Enhancer of ZesteによるPTEN transcriptionをepigeneticに調整する

A pseudogene long noncoding RNA network regulates PTEN transcription and translation in human cells
Per Johnsson, Amanda Ackley,  et. al.
Nature Structural & Molecular Biology. February 24, 2013
http://www.nature.com/nsmb/journal/vaop/ncurrent/full/nsmb.2516.html

ATS2013のアレルギー・喘息・免疫関係ハイライト

ATS2013のアレルギー・喘息・免疫関係ハイライト
http://www.thoracic.org/media/press-releases/resources/Allergy%20Asthma%20and%20Immunology%20Highlights%20at%20ATS%202013%20final.pdf

間質性肺炎関係、肥満との関連、炎症免疫系の話題

・結合織疾患ー間質性議論:Pro-Con debade CTD-ILD評価、分類、管理に関する多くの議論

・Autophagy:肺疾患上味方?・敵? 急性肺疾患(敗血症・ARDSなど)、慢性肺疾患(肺高血圧症・COPDなど)

・肥満、adipokine、肺疾患 肥満・adipokineの肺疾患発症・modulationに関する知見提示
肥満誘発肺疾患の科学的ベース、ヒトの病態に関する肥満の介入要素を議論 肥満に関する科学的かつ臨床的な分類を議論 セッション構成者に従い、肺疾患発症への肥満の役割、そして、肺の炎症・感染発症に関する肥満の関与を議論

・肺線維症の免疫調整異常
肺線維症患者及び肺線維症モデルにおける疫学・pathogenesisに関する免疫システムの役割に着眼 innate 及び adaptive免役システムの肺線維症での複雑な文献理解、安定時及び急性進行繊維性肺疾患における免疫反応の役割を評価し、臨床の場での免疫抑制剤使用の再評価の科学的ベースを提供に関する理解を容易にするよう努める意向とのこと
成人・小児肺疾患医、科学者、看護師、その他専門家へ興味を待たすよう、肺線維症の免疫システムの役割の理解を深める意向

・小児喘息の遺伝学 NIH/NHLBスポンサーのセッションで、 15年1000名超の喘息児の遺伝子データ調査 Childhood Asthma Management Program (CAMP) 、Childhood Asthma Research and Education (CARE) Networkによる多数の臨床管理トライアルに基づく議論・内省報告

・IPFの治療戦略:ベンチ・ベッドサイド間議論
IPFのトライアルデザインの補完的トピックス
ヒトでの臨床診断の基礎的研究から、マネージメント、そして、動物モデルでの新しい治療法開発までカバー
CTで診断不能ケース肺実質疾患高齢者での手術生検の役割、、pIIIトライアルの最良エンドポイント、上皮-間葉間interfaceが新規治療のターゲットとして最適化か?


・ミニシンポジウム
肺障害・炎症改善に関するメカニズム、肺感染改善上の制御性(regulatory-)T cellの役割、低酸素誘起急性肺障害減少、たばこ煙による肺気腫、アレルギー性喘息の急性増悪における炎症改善促進のためのresolvin D1の役割、MDSC様細胞の肺炎改善促進の役割

Hypoxia induced inflammation in the lung
肺胞低酸素で肺炎症促進(Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 2003 Feb;284(2):L360-7. )、低酸素血症はLPS肺障害悪化(Clin Exp Immunol. 2005 August; 141(2): 248–260. )、低酸素血症暴露気道上皮細胞は炎症メディエータ促進(Anat Cell Biol. 2012 December; 45(4): 221–228. )

Resolvin D1
ドコサヘキサエン酸(DHA)とDHA由来脂質メディエータの抗炎症作用と炎症改善促進作用(pro-resolving property)が話題になり、DHAは、PPARγ経由でのLPS誘起のNFーκB活動促進をdown-regulateし、DHA由来メディエータであるresolvin D1(RvD1)の役割が注目されている

regT cell
免疫自己寛容,すなわち,自己と非自己を識別し,自己抗原とは反応せず,非自己抗原のみに反応するため,高等生物は種々の機序を進化させてきた.代表的なのは,胸腺での自己反応性T細胞レパトア(→レパトア選択)の除去であるが,これ単独では,免疫自己寛容は不完全である.胸腺は自己反応性リンパ球を抑制するような細胞集団を同時に産生することで,それを補っている。CD25+CD4+制御性T細胞(以下,制御性T細胞)は,抑制機能をもつように特化した細胞として胸腺で産生され,末梢において,自己反応性T細胞レパトアを抑制することで,免疫自己寛容の維持に重要な役割を果たしている。マウスやヒトで,末梢CD4+T細胞の5-10%を制御性T細胞が占めている。
制御性T細胞は,試験管内でのTCR刺激に対して自らの増殖活性は低いが,他のT細胞の増殖反応を細胞接着依存性に抑制する.制御性T細胞がどのような分子的機序により,他のT細胞増殖を抑制しているかは,現在のところ不明である。
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsci/28/5/28_5_291/_pdf)
 

MDSC(Myeloid-derived Suppressor Cells
early myeloid progenitorのヘテロな集合体で、未分化な顆粒球、マクロファージ、樹状細胞の集合体で、分化のステージ様々である。NKやNKT細胞のcytotoxic activityを抑制し、CD4+、CD8+ を介する適応免疫反応の抑制をするため関心が向けられている。
NK細胞阻害の メカニズムは詳細不明だが、多くの経路で、MDSC介在T細胞抑制が生じているらしい
1) arginase 1/ARG1産生
2) nitric oxide synthase 2 (NOS2)のupregulation

2013年2月24日日曜日

AAAAI年次総会の話題:食物アレルギーはゾレア・減感作、喘息は環境汚染との関連

2013年・AAAAI(American Academy of Allergy, Asthma, and Immunology)年次集会

食物アレルギーへの免疫療法から新しい喘息リスク要素の話題など850の発表がなされる。

総じて、ゾレア(inakuzynab)の抗ヒスタミン剤不応性慢性じんましん治療に関するlate-breaking reportがなされる以外、あまり話題がないらしい

 
ゾレア注の関連記事
http://www.nytimes.com/2013/02/25/health/hives-may-be-treated-with-asthma-drug-study-shows.html?_r=0

関連NEJM論文
Omalizumab for the Treatment of Chronic Idiopathic or Spontaneous Urticaria
Marcus Maurer,  et. al.
February 24, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1215372


食事アレルギー
牛乳・ピーナッツを含む食物アレルギーへの経口・舌下治療が立ち上がりつつあるという点

アナフィラキシーに関しては、治療法そのものは確立しており、後は、学校・家庭・地域での対応制度の問題である。

ピーナッツアレルギーに関する低用量・経口早期治療
経口感作治療をミルクアレルギー緩和に用いた場合の長期的アウトカム

食事制限による弊害、特に、マルチプルな場合の問題点
単一アレルゲン、マルチプルアレルゲン、その他の慢性疾患小児での比較検討

喘息
無数の疫学データで、大気汚染、交通量の多いハイウェイ近くという所在地が、喘息リスク要素であることが明らかに。特に浮遊微粒子が問題だが、自動車排気ガスや他の都市大気汚染など多くの要素がある。

大気汚染カクテル中の、 多環芳香族炭化水素:polycyclic aromatic hydrocarbon(s)について話題

喘息発症・急性増悪に関わるリスクを含め、アレルギーとアトピー、喫煙暴露、細菌・ウィルス感染、薬物アドヒアランス、ケア・アクセスの話題
 米国喘息罹患率と経済的バーデンにおいて、成人入院の年齢・性別分布に新しい知見があったとのこと
喘息患者の早期死への新しい報告




多環芳香族炭化水素 :PAHに関して、化石燃料などの不完全燃焼に際して生じ、非工業地域においても家庭生活や交通用具に関して大気濃度増加が報告されている。

2013年2月23日土曜日

コンピュータプロバイダオーダー(CPOE)Eシステムで処方オーダーミス半減


computerized provider order entry (CPOE) systemによる電子処方で、どの程度投薬ミスをふせげるか?

システマティック文献レビュー・ランダムエフェクト効果メタアナリシス

処方オーダー過誤48%(95%信頼区間 41%〜55%)減少

このeffect sizeから推定すれば、投薬ミス全体では、それを12.5%減少。
全米で1年間に1740万件の投薬ミスを減らすことができると試算。


Reduction in medication errors in hospitals due to adoption of computerized provider order entry systems
J Am Med Inform Assoc doi:10.1136/amiajnl-2012-001241


日本では、総務省・厚労省あたりが口だけ出して、金だそうとせず、各病院が、独自に、オーダーシステム導入。
システム内容に関する信頼性の担保がなく、うじつうやネック・いたちといったメーカーのやりたい放題となってる。

家族性高コレステロール血症の6割は多遺伝子異常原因

追試・追認が必要かもしれないけど教科書記載が変わるはず・・・

家族性高コレステロール血症は、3つの既知遺伝子異常(LDLR、APOB、PCSK9)による常染色体優性疾患とされる。そして、影響されてる家族を同定するため、DNAベースcascade testingがUKガイドラインで推奨されている。しかしながら、約60%では遺伝子異常が存在しない。

頻度の多いsmall-effect LDL-C増加alleleが原因となる、家族性高コレステロール血症があるのではないかという仮説を検討


"Use of low-denisty lipoprotein cholesterol gene score to distinguish patients with polygenic and monogenic familial hypercholesterolemia: a case-control study"
Talmud PJ, et al
Lancet 2013; DOI: 10.1016/S0140-6736(12)62127-8.


家族性高コレステロール血症(FH)の一部には、多遺伝子原因のものが存在することが判明。
単一遺伝子疾患を有さない患者で、12のSNPs候補スコアで、対照健常者比較での有意高値(1.0 vs 0.90, =4.5×10-16


家族性高コレステロール血症の臨床診断は遺伝子異常同定されたケースに限定されるべきだが、遺伝子異常見つからないケースでも多遺伝子的高コレステロール血症が存在する。
両群ともスタチン治療が必要だろうが、コスト効果は異なるかもしれない。



「高コレステロール血症を特定健診で引っかけて、食事指導だけで放置し、家族サーベイは行わず、毎年、採血を強要する・・・行政の愚かさ・馬鹿さ加減」・・・日本人はいつ気づくのだろう このくだらなさ

厚労省って、この遺伝性疾患の治療法の一番に来るのが食事指導だと思ってるらしい
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/kousi/treatment.html

厚労省って馬鹿しかいないんだなぁ・・・と確認できる記載
↓
「なかでも特に重要なのが食事(食事療法)」
・・・・だそうだ

高コレステロール血症に関し、まともな知識があれば、「家族サーベイとスタチン治療」がまず最初だろ!

これじゃ、まともな厚生行政できるはずもない。日本の厚生官僚のあまりのアホさにげんなり

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...