2013年6月25日火曜日

Look AHEADトライアル:2型糖尿病肥満への強化ライフスタイル介入 心血管イベントベネフィット証明できず

2型糖尿病患者への強化的ライフスタイル介入は、食事・運動に対してフォーカスした場合、心疾患予防的効果認めず

Look AHEAD トライアル終了し、心血管ベネフィットに関し有意差を認めなかった


この研究の先行分析では、mobility改善効果はあった
Look AHEAD 研究:2型糖尿病肥満患者でのライフスタイル変容とmobility 2013/03/29

だが、それが心血管疾患イベント改善までは至ってないということか?
あるいは、検出パワーの問題かということだが、実際には対照群の方がスタチン投与量が多く、そのため効果評価を薄めてしまったというのが一解釈らしい。

この研究は無価値かというとそうではなく、減量と体重減少維持が可能であることが示された部分は大きく評価されるべきとのこと


"Cardiovascular effects of intensive lifestyle intervention in type 2 diabetes
Wing R, et al
N Engl J Med 2013; DOI: 10.1056/NEJMoa1212914.

【背景】短期研究ベースでは、2型糖尿病患者過体重・肥満者に対して減量を推奨しているが、心血管疾患への長期的効果は不明。
上記患者での減量への強化ライフスタイル介入が心血管合併症や死亡率減少させるかの検討。 
【研究方法】
米国内16の研究センターで、5145名の2型糖尿病過体重・肥満患者を、カロリー摂取制限と身体活動性増加による減量目的強化ライフスタイル介入(介入群)と、糖尿病サポートと教育(対照群)に割り付け
プライマリアウトカムは、心血管疾患原因死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的卒中、狭心症入院組み合わせで、最大13.5年間のフォローアップ 
【結果】
フォローアップ9.6年間で、トライアルはfutility analysis(無用性解析、無益性解析?)に基づき早期中断。減量は対照群比較にて強化群でより減少(1年次 8.5% vs 0.7%、 研究終了時 6.0% vs 3.5%)
強化ライフスタイル介入は、また、糖化ヘモグロビン減少、フィットネス改善、LDLコレステロール以外の心血管疾患全リスク要素減少が観察された。
プライマリアウトカムは、介入群 403名、 対照群 418名 (100人年あたり 1.83 vs 19.2、介入群ハザード比 0.95:95%信頼区間 0.83-1.09; p=0.51) 
【結論】
2型糖尿病・過体重・肥満患者に対する、減量にフォーカスした強化ライフスタイル介入では、心血管イベント率減少認めず
(Funded by the National Institutes of Health and others; Look AHEAD ClinicalTrials.gov number, NCT00017953.)


研究者たちの分析
・検出パワーの問題だが、ベネフィット18%前提に至ってなかったことが主因
・生活スタイル介入に関して現実面重視であったため、差が出にくかった。
・対照群の教育が効果を与え、差が出にくかった。




Additional source: New England Journal of Medicine
Gerstein HC, et al "Do lifestyle changes reduce serious outcomes in diabetes?"
N Engl J Med 2013; DOI: 10.1056/NEJMe1306987.

2013年6月24日月曜日

1型糖尿病:Carbカウンティング・・・インスリン投与マッチングを是とするエビデンスに疑問


ADA
Carbonhydrate Counting
http://www.diabetes.org/food-and-fitness/food/planning-meals/carb-counting/


Joslin Diabetes Center : Carbohydrate Counting 101
http://www.joslin.org/info/Carbohydrate_Counting_101.html



The efficacy of carbohydrate counting in type 1 diabetes: A systematic review and meta-analysis 
Bell K, et al 
ADA 2013; Abstract 164-OR.

1型糖尿病では、食事中炭水化物量とインスリン投与量をマッチングするこtがベストだとされ、食事方針として推奨されている

だが、今回の検討にて、1型糖尿病での食後血糖コントロールのための炭水化物計測する標準的方法にはそのエビデンスは存在しないことが明らかとなったとのこと

6つのRCT、Carbonhydrate Countingは血糖コントロール改善、HbA1c -0.3%改善するも、有意ではない(p=0.185)


1型糖尿病:ω3不飽和脂肪酸とロイシンは膵β細胞機能温存的に働く?


Nutritional Factors and Preservation of C-Peptide in Youth With Recently Diagnosed Type 1 Diabetes
SEARCH Nutrition Ancillary Study
Mayer-Davis EJ, et al
Diabetes Care 2013; 36:1842–1850.
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ADA/40041

ω3脂肪酸とアミノ酸であるLeucinは、1型糖尿病のβ細胞機能を温存することが可能

ω3脂肪酸EPA、DHAのベースライン血中濃度とロイシン(肉、卵、醤油由来)は、インスリン産生能力指標としての2年後のCペプチド濃度高値 と相関する。

2013年6月22日土曜日

【がちんご】認知症患者に電子タグをつけるべきか?、否か?

Yes vs Noで紙上議論



Should patients with dementia who wander be electronically tagged? Yes
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f3603 (Published 20 June 2013)

リアルタイム追跡により、行方不明患者を探すコスト削減効果があり、行政はそれを進めている。GPS追跡で、徘徊など特定の患者に有害性リスクを軽減することは確か。
倫理的リスクは軽度という主張。




Should patients with dementia who wander be electronically tagged? No
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f3606 (Published 20 June 2013)

"malignant social psychology of dementia"という側面で行われている、社会現象ともなっているという批判。非倫理性という側面とともに、患者個人のwellbeingへやケアの阻害にもなるという。
模物化(objectification)、幼児化(infantilisation)、無力化(disempowerment)

認知症のない人間にこれらのことを行おうとすれば、オートノミーより安全性だけを重視していると批判されることだろう。

例えば、画像電話、ランプ技術、紛失物locatorなど自立生活をサポートする補助的テクノロジーを促進すべきで、相互的メッセージ化技術で、motion transmittedな光を伴うランプが特に興味ある技術であると筆者。
トレーニングの重要性や向精神薬の誤った使いかたなどにも一部言及。

妊娠貧血:鉄剤投与で出生時低体重リスク減少

母体の貧血と出生前鉄剤使用、血液学的・副作用妊娠アウトカムへの影響要約


Anaemia, prenatal iron use, and risk of adverse pregnancy outcomes: systematic review and meta-analysis
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f3443 (Published 21 June 2013

48 のランダム化トライアル(女性 17,793)と44コホート(女性 1,851,682)
鉄剤使用で、対照群に比べ、母体平均ヘモグロビン濃度 4.59増加(95%信頼区間 3.72-5.45) g/dl増加、有意に貧血リスク減少(相対リスク 0.50、 0.42-0.59)、鉄欠乏症( 0.59, 0.46-0.79)、鉄欠乏性貧血 (0.40,0.26-0.60)、低生下時体重 0.81, 0.71-0.93)

早期産への鉄の影響は有意でない (相対リスク 0.84, 0.68 〜 1.03)

コホート研究解析で、第1、第2トリメスター貧血での、妊娠低体重リスク(補正オッズ比 1.29, 1.09 〜 1.53)、早期産リスク (1.21, 1.13 〜 1.30) 増加示された。

暴露反応解析で、1日あたりの鉄剤投与10mg増加毎、66mg/日まで、母体貧血相対リスクは0.88(0.84-0.92)(線形傾向 P < 0.001)

10mg/日増加毎
生下時体重は15.1(6.0 - 24.2) g増加 (線形傾向 P = 0.005)
低体重リスクは3%減少 (相対リスク 0.97, 0.95 - 0.98) (線形傾向 P f<0 .001="" br="" nbsp="">
投与療法生後、アウトカムに対して、使用期間では有意差認めず

さらに、平均Hb1g/L増加毎、生下時体重14.0(6.8-21.8)g(線形傾向 P = 0.002)
しかし、平均ヘモグロビンは生下時体重、早期産リスクに相関しない。

妊娠期間に関わる有意な影響認めず、同様に妊娠年齢比較低体重、低身長に有意差認めず

人工呼吸関連肺炎(VAP)抗生剤レジメン 短期(7-8日間) vs 長期(10-15日間)比較:抗生剤無使用日数に差、但し、再発に関しては議論必要


人工換気関連肺炎(VAP)への7-8日間の短期 vs 10-15日間の長期レジメン比較

プライマリアウトカムは、死亡率、抗生剤無投与期間、臨床的・微生物学的再発
セカンダリアウトカムは、無人工呼吸日数、人工呼吸器使用期間、ICU滞在日数

抗生剤短期レジメンで抗生剤無使用期間増加するが、死亡率・再発に差を認めないという結果。だが、長期レジメンの方が再発少ない傾向で、臨床的というより、微生物学的な評価結果でこういう傾向に出るのだろうという考察。

Short- versus long-duration antibiotic regimens for ventilator-associated pneumonia: a systematic review and meta-analysis
George Dimopoulos,  et. al.
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-0076


全てのRCTで死亡率データを含む、一方、再発、抗生剤使用無し日数データはそれぞれ、3、2つのRCTに過ぎない

死亡率は両群差認めず (Fixed Effect Model(FEM): オッズ比 (OR)=1.20, 95% 信頼区間(CI) 0.84-1.72, p=0.32)

短期治療期間群で、抗生剤無使用日数増加;プール化比重平均差 3.40 日間(Random Effects Model: 95% CI 1.43 to 5.37, p<0 .001="" p="">
対照群比較で再発に差を認めず

しかし、長期間治療群で再発減少傾向あり  (FEM: OR=1.67, 95% CI 0.99-2.83, p=0.06)。アウトカム持続にかかわらず、2群での差を認めない。感度分析でも同様の結果。

2013年6月21日金曜日

入院投薬過誤は頻回で、10%にも上る

投薬過誤は入院患者で頻回。

TOEを用いた時間過誤なしの過誤率平均は横断的には10%も存在。denominatorを用いた投薬過誤標準化、過誤数、過誤種類が将来検討に必要。

Drug Administration Errors in Hospital Inpatients: A Systematic Review.
Berdot S, Gillaizeau F, Caruba T, Prognon P, Durieux P, et al. (2013) 
PLoS ONE 8(6): e68856. doi:10.1371/journal.pone.0068856

2088研究中、TOE 総計52の研究報告
多くの研究は横断研究(n-46)

Total Opportunity for Errors (TOE)とは、” sum of the total number of doses ordered plus the unordered doses given)”、すなわち、指示投与量及び非指示投与量総数の合計

TOEを用いた横断研究によると、時間過誤無しの過誤率中央値は 10.5% [IQR: 7.3%-21.7%].

18研究では、臨床的インパクト検討にて、致命的過誤は認めず、多くの過誤はマイナーとして分類。

出版バイアスのエビデンス認めず

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...