2014年12月16日火曜日

非がん性疼痛へのトラマドール使用と低血糖入院リスク

リリカとトラマドールの併用を見たりすると・・・プレガバリンと  トラマドール の乱用が怖い
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/07/blog-post_7306.html




”トラマドール 150mg/日はモルヒネ30mg/日に相当”するわけで、安易な処方はそれ相応のオピオイドによる副作用の覚悟を!


トラマールの添付文書には
眠気、眩暈、意識消失が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意し、なお、意識消失により自動車事故に至った例も報告されている。
 ・・・と書かれてる。


中には、低血糖もあるのでは?



Tramadol Use and the Risk of Hospitalization for Hypoglycemia in Patients With Noncancer Pain
Jean-Pascal Fournier, et. al.
JAMA Intern Med. Published online December 08, 2014. 


意義  トラマドール は、弱いオピオイド鎮痛剤で、急激にその使用量が増加し、そして、低血糖副作用イベントと関連がある。

目的 トラマドールが、コデイン使用と比べ、低血糖による入院リスク増加と関連するかどうか?


デザイン・セッティング・被験者  United Kingdom Clinical Practice Research Datalink内 Hospital Episodes Statistics databaseと関連付調査
非がん性疼痛のためのトラマドールとコデインの新規使用(1998年から2012年)
コホートと症例交叉分析結果一致性評価について共に行う。

主要アウトカムと測定 低血糖のための入院症例を10の対照まで年齢、性別、フォローアップ期間についてマッチ化。


結果 コホート33万4034症例、うち、低血糖入院 1105症例(1000人年あたり0.7 VS マッチ化 1万1019症例)


コデインと比較し、トラマドールは低血糖入院リスク増加 (OR, 1.52 [95% CI, 1.09 - 2.10])、 特に使用30日目までのリスク高い (OR, 2.61 [95% CI, 1.61 - 4.23])


この30日内リスク増加はコホートでも確認 (HR, 3.60 [95% CI, 1.56 - 8.34]) 、症例交叉分析でも確認 (OR, 3.80 [95% CI, 2.64 - 5.47]).



結論・新知見 トラマドール治療開始は、入院必要な低血糖リスクを増加させる。 付加研究にて確認必要で、致死的イベントにつながらないか検討必要。

1年以上増悪無し中等度COPDの半年程度の評価では、アドエア→オンブレスへの変更十分可能

多剤からよりすくない種類の薬剤数に 変更可能かどうかというと
WISDOM研究を彷彿とさせる・・・・
WISDOM研究:COPD 3種吸入からステロイドを離脱すると・・・
http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/09/wisdomcopd3.html?q=ICS/LABA


安定中等度COPDの半年程度の評価では、アドエア→オンブレスへの変更十分可能とのこと


Switching Non-exacerbating Patients with Moderate COPD From Salmeterol/Fluticasone to Indacaterol (INSTEAD) study

SFC(吸入ステロイド・レジメン:サルメテロール50μg/フルチカゾン500μg)→インダカテロール 150μg
すなわち、アドエア500→オンブレスへのSwitch可能かどうか?

答えはYesらしい・・・・

INSTEAD: a randomised switch trial of indacaterol versus salmeterol/fluticasone in moderate COPD
Eur Respir J 2014 44:6, 1548-1556; published ahead of print 2014, doi:10.1183/09031936.00126814
http://erj.ersjournals.com/content/44/6/1548.abstract
中等症COPD患者581名
・インダカテロール 150μg ×1 /日
・SFC 50/500 ×2 /日

ランダム割り付け(二重盲検・ダブルダミー・平行群・第4相)

1年以上急性増悪なしの安定症例

プライマリアウトカムは、FEV1 12週後の非劣性検討

プライマリ目標と合致し、9ml(95% CI -45~26ml)の差

12週後、26週後、TDIによる息切れ、Saint George Respiratory Questionnaireによる健康度指標で有意差無し

Rescue薬物、COPD急性増悪26週間で有意差無し

安全性特性は両群とも同等


ERSステートメント:COPD身体活動性

ERS statement
An official European Respiratory Society statement on physical activity in COPD
Eur Respir J 2014 44:6, 1521-1537
erj.ersjournals.com/content/44/6/1521.full.pdf


European Respiratory Society (ERS) statementは、COPD患者の身体活動性包括的俯瞰的レビューを提供。
多職種Task Forceで、 ERS Scientific Group 01.02 を代表。

“Rehabilitation and Chronic Care” は、包括的視点でコンセンサスによるステートメント決定。着眼した文献レビューは、鍵となる領域で行われ、最終的内容はメンバー全員の一致したものをこのStatementとした。



全部読もうと思うけど、拾い読みすると、

身体活動性が以下のいずれかに合致しない場合を一般には身体活動性低下と定義
1)中等度身体活動性30分間以上×週5日以上
2)強度運動20分×週3日間以上
3)いずれかの組み合わせ(中等度運動10分間以上の組み合わせ×3回)か(強度運動10分以上×2回)

アンケート法、歩数計、Accelerometerなど



FEV1%予測値比 52%程度の177名の患者のうち、日内30分連続運動×週5日以上という推奨レベルの運動をしているのは、わずか26%。もし30分をそれぞれ10分ごとに分ければ50%に増加する。


ERSステートメント:COPDにおける栄養評価と治療

COPD特異的栄養成分は存在しない・・・ということ!


ERS statement
Nutritional assessment and therapy in COPD: a European Respiratory Society statement
Eur Respir J 2014 44:6, 1504-1520

栄養とメタボリズムは、COPDにおいて広く行われている科学的研究トピックスであり続けているが、COPD発症・進行・アウトカムへ影響を与える食習慣・栄養状態・栄養介入の関するインパクトある臨床的知見は少ない。 ERSによる形成された多職種Task Forceは、栄養評価・治療に関する現行の状況のエビデンス・記載の要約を公表することを目的としている。


Task Forceメンバーは、主なトピックスについて文献レビューを手法専門家の助言を得ながら行った。栄養状態、体組成異常については特に、COPDアウトカムについての重大な要素ということは明らかとなった。


Task Force は、臨床トライアル、患者カウンセリング上有益な栄養リスク特性評価に基づくCOPDのメタボリックphenotypeを明らかにした。

栄養介入は、栄養状態不十分な患者や、運動プログラムと組み合わせる多くの患者で、おそらく有益。

栄養介入のコスト効果エビデンス提供には、その弁済を補償する事が必要で、栄養学的介入評価アクセス増加が必要


概略的には、バランスのとれた食事は、全てのCOPD患者ベネフィットがある ということで、 肺へのベネフィットのみを有するというようなものではない。また、このような食事は、メタボリック・リスクや心血管リスク上のベネフィットも判明している。

ISHLT/ATS/ERS診断治療ガイドライン:BOS(閉塞性細気管支炎)


An international ISHLT/ATS/ERS clinical practice guideline: diagnosis and management of bronchiolitis obliterans syndrome
http://erj.ersjournals.com/content/44/6/1479.full.pdf



ISHLT/ATS/ERS clinical practice guideline
An international ISHLT/ATS/ERS clinical practice guideline: diagnosis and management of bronchiolitis obliterans syndrome
Eur Respir J 2014 44:6, 1479-1503

【概略】
 BOS という言葉は、FEV1減少継続性の遅延型アログラフト機能障害であり、他の原因によるものでなく、肺機能の移植後障害として可逆性の可能性がある
片側・両側肺移植後、ベースラインFEV1からの90%以下 and/or ベースラインFEV25-75%からの75%以下




委員会は、BOS疑い・断定例における、全身性ステロイド、サイクロスポリン、タクロリムス、アジスロマイシン、再移植について特異的推奨を作り上げた。


BOS診断は、遅延型アログラフト機能障害に起因する 他の移植後合併症の注意深い除外診断が必要。
BOS発症と関連する、いくつかのリスク要素同定されてる。
a) Primary graft dysfunction (PGD)
b) AR including Minimal Grade A1 and higher AR grades
c) Lymphocytic bronchiolitis (LB) or Grade B rejection
d) Antibody-mediated rejection (AMR)
e) Gastro-oesophageal reflux (GOR) (acid and non-acid)
f) Cytomegalovirus (CMV) pneumonitis
g) Symptomatic community-acquired respiratory virus (CARV) infection
h) Colonisation and infection of the lung by
Pseudomonas aeruginosa
i)
Aspergillus
colonisation or fungal pneumonitis
j) Autoimmune sensitisation to collagen V
k) Increased BAL neutrophils on BAL differential cell count
 
現行では、BOSの予防・治療上有意ベネフィットが示されている 利用可能性のある治療はない。
全患者の重要アウトカムの適切測定・報告を含む適切なデザイン・遂行のRCTが、確立したBOS至適治療及び予防戦略を打ち立てる上で必要。



2014年12月15日月曜日

COPD自己管理プログラム:RCTにて、運動パフォーマンス・疾患認識、不安改善

A self-management programme for COPD: a randomised controlled trial
ERJ December 1, 2014 vol. 44 no. 6 1538-1547 



COPDの自己管理サポートのためのプログラムには結論的な研究は存在しない。

Self-Management Programme of Activity, Coping and Education (SPACE) FOR COPD は、6週間の自己管理介入で、プライマリケアレベルでの介入の効果評価目的研究。

プライマリケアCOPD患者被検、通常ケアとSPACE FOR COPDの比較 単盲験RCT。アウトカム項目はベースラインと6週後、6ヶ月後比較。プライマリアウトカムはsymptome burdenで、自己報告 Chronic Respiratory Questionnaire (CRQ-SR) 呼吸困難ドメイン評価。セカンダリアウトカムは、同CRQ-SRの他のドメイン、Shuttle Walking test、 疾患の認識、不安、うつ、自己評価、喫煙状態、医療利用

COPD患者184名を登録、ランダム化

6週間後、群間有意差存在項目は、 CRQ-SR 呼吸困難、 疲労度と情緒スコア、 運動パフォーマンス、不安、 疾患認識

6ヶ月後、介入群意義有る状況仮説での群間差無し項目は、 RQ-SR 呼吸困難、 運動パフォーマンス、 不安 と smoking status

この簡易自己管理介入は、6ヶ月後呼吸困難改善を示さず、通常ケア比較でその意義無かったが、不安や運動パフォーマンス、疾患認識の項目ではgainがあった。

ERS/ATS公式レビュー  : 慢性呼吸器疾患歩行試験の検査特性と標準化

6分間歩行距離試験は保険点数化されたが、いろいろ問題がある。酸素療法適応や酸素流量適応に限定された部分が最大の弊害。
他、医師施行でのみ許可とか、 30m幅がとれないため漸増式シャトルウォーキングを代替としたいがみとめられないとか・・・


ERS・ATS の 慢性呼吸器疾患歩行試験レビュー


An official systematic review of the European Respiratory Society/American Thoracic Society: measurement properties of field walking tests in chronic respiratory disease
ERJ December 1, 2014 vol. 44 no. 6 1447-1478
http://erj.ersjournals.com/content/44/6/1447.abstract


6分間歩行距離(6MWD)は、信頼性ある検査法(class内相関係数 0.82-0.99;7研究)
学習効果存在し、2度目の検査で距離が伸びる(差 26m、13研究)

信頼性はISWTとESWTで同程度、学習効果はISWTでも同様(差 20m、 6研究)


66MWDは、肺機能 (r=0.10–0.59)より、ピーク運動能 (r=0.59–0.93) 、身体活動性 (r=0.40–0.85)と相関する


6WMDに影響を与える要素は、track長、激励、酸素負荷、歩行補助


酸素投与は、ISWT、ESWT共にパフォーマンスへ影響を与える。

運動トレーニングを含む介入による応答性としては、全患者で中等度から高度であった。




技術標準化


An official European Respiratory Society
American Thoracic Society technical standard: field walking tests in chronic respiratory disease
http://erj.ersjournals.com/content/44/6/1428.full.pdf

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...