2015年5月13日水曜日

昼寝は死亡リスクを高める

前向きコホート研究で、昼寝と死亡率の関連性をメタアナリシス


Daytime napping and mortality from all causes, cardiovascular disease and cancer: a meta-analysis of prospective cohort studies
GuoChao Zhong,  et. al.
Sleepmedicine
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.sleep.2015.01.025


12研究、13万名余、昼寝 4万9千余、死亡イベント19万余

メタ解析にて、昼寝は、全原因死亡リスク増加 (n=9 studies; hazard ratio (HR), 1.22; 95% 信頼区間 (CI), 1.14–1.31; I2=42.5%)

昼寝とCVD死亡リスクには相関性なし  (n=6 studies; HR, 1.20; 95% CI, 0.96–1.50; I2=75.0%) 、がんでも相関性(n=4 studies; HR, 1.07; 95% CI, 0.99–1.15; I2=8.9%)

全原因死亡、CVD死亡率リスクに、昼寝頻度層別化、フォローアップ期間、アウトカム評価、年齢、性別で関連性無し

論文も自信の無い言い訳記載されている


でも、昼寝を推奨するテレビ番組多く、健康上良いというエビデンス、ホントにあるのかなぁ・・・



昼寝する子はしない子より10%学習効果あり
Sleep spindles in midday naps enhance learning in preschool children 
PNAS October 22, 2013 vol. 110 no. 43
http://www.pnas.org/content/110/43/17267.abstract
だが、小児で死亡率増加
http://www.sleep-journal.com/article/S1389-9457%2813%2901237-9/abstract


小児の昼寝ベネフィット・リスクは論争となっている、では成人では?
Mayo ClinicのSiteで解説がなされているが、昼寝せざる得ない病態と夜間睡眠への影響混在しているようだ。10−30分程度、午後2−3時の夜間睡眠へ悪影響のない昼寝をさしあたり勧めている。

東アジアに多いアルコール解毒酵素ALD2変異と冠動脈痙攣性狭心症との関係

東アジアに多い、冠動脈痙攣性狭心症


アルコールで顔面紅潮する頻度が多く、主にvariant aldehyde dehydrogenase 2 (ALDH2*2) genotypeによるもの


この2つが関連するという報告

East Asian Variant of Aldehyde Dehydrogenase 2 Is Associated With Coronary Spastic Angina
Possible Roles of Reactive Aldehydes and Implications of Alcohol Flushing Syndrome
Yuji Mizuno,  et. al.
Circulation. 2015; 131: 1665-1673 
Published online before print March 10, 2015, 
doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.114.013120

202名の冠動脈内アセチルコリン投与確認冠動脈痙攣性狭心症:CSA  (男性 119 、女性 83名、平均年齢 66.2±11.4歳)

CSAと対照群を112名、90名と分割

全血由来TaqMANPCRでALD2ジェノタイプ検査、臨床的・検査データは通常方法。

男性頻度、ALD2*2ジェノタイプキャリア、アルコール紅潮症候群、喫煙、血中尿酸値高値、血中HDL低値が、対照群比較でCSA群頻度多い (P < 0.001 ,  P < 0.001 ,  P < 0.001 ,  P < 0.001 , P = 0.007 , P < 0.001)

多変量ロジスティック回帰解析にて、ALD2*2 ジェノタイプと、喫煙は有意にCSAと関聯(P < 0.001 , P = 0.024 )



aldehyde dehydrogenase 2 (ALDH2)遺伝子が抗酸化作用減少をもたらし、冠動脈痙攣を生じやすい・・・というがよく分からん
Circulation.2014; 130: A9412Circulation.2014; 130: A9412(ALDH2*2)

2型糖尿病:体重増加薬剤/治療法は心不全リスクを増加する

そもそも、PPAR-γアゴニストなんて、第一選択とする薬剤ではない。SU剤とどちらが悪いか・・・議論されるべきポジションの薬剤と私は思う。武田の時代錯誤の営業で保持されてた薬剤で、ジェネリックや武田の方針変更でアクトス関連薬剤もニッチな薬剤という本来のポジションとなったと思う。


体重増加をもたらす血糖降下剤及び戦略の心不全リスクをメタアナリシスで示した報告


Glucose-lowering drugs or strategies and cardiovascular outcomes in patients with or at risk for type 2 diabetes: a meta-analysis of randomised controlled trials
Jacob A Udell,  et. al.
The Lancet Diabetes & Endocrinology Volume 3, No. 5, p356–366, May 2015
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S2213-8587(15)00044-3

14トライアル、平均期間4.3(2.3)年間、9万5502名、4%、3907名心不全イベント

血糖降下薬あるいはその戦略はHbA1c 0.50%(SD 0.33)減少、1.7kg(SD 2.8)kg体重増加と関連。

包括的には、血糖降下薬・戦略は心不全リスクを標準ケアより増加 (RR 1.14, 95% CI 1.01–1.30; p = 0. 041)

この影響の程度は、血糖降下治療法によりばらつきがあり (p for interaction = 0.00021)

薬剤クラス横断的に、PPARーγアゴニストが最もリスク高い  (RR 1.42, 95% CI 1.15–1.76; six trials)
中間的なのは、DPP-4 阻害剤 (RR 1.25、 1.08 −1.45、2トライアル)
ニュートラルなのは、インスリンGlargine  (0.90,  0.77 – 1.05 ; 1トライアル)

目標に基づく強化血糖コントロール戦略(RR 1.00 , 95% CI, 0.88 - 1.13 ; 4トライアル)も、強化的減量 ( 0.80, 95% CI 0.62 - 1.04 ; 1トライアル)も心不全発症と挿管せず
メタ回帰解析にて、血糖降下薬剤・戦略による体重増加1.0kgは、標準ケア比較心不全リスク増加し、その程度は7.1% (95% CI, 1.0 - 13.6)



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2015年5月12日火曜日

アジア・アフリカに蔓延する、薬剤耐性腸チフス:H58

緊急を要する課題とのこと


腸チフス菌のsingle dominant MDR lineage、H58は30年間で広がった
アンピシリン、クロラムフェニコール、ST、ストレプトマイシンといsった薬剤への耐性
(MDR typhoid)

Phylogeographical analysis of the dominant multidrug-resistant H58 clade of Salmonella Typhi identifies inter- and intracontinental transmission events
Nature Genetics (2015) doi:10.1038/ng.3281




Drug-resistant typhoid fever becoming an epidemic in Africa and Asia
http://news.sciencemag.org/health/2015/05/drug-resistant-typhoid-fever-becoming-epidemic-africa-and-asia


1985年あたりで南アジアでクローン出現後、東南アジア・アフリカに広がる前、薬剤抵抗性を獲得


臨床トライアル: 心血管リスク高齢者への抗酸化食:地中海式は、認知機能の改善をもたらす!

酸化ストレスと血管障害は、加齢認知機能低下と関連すると考えられ、疫学的研究にて Mediterranean食、抗酸化食品豊富な心臓疾患予防的食事パターンが、認知機能低下を遷延させることが示されているが、臨床トライアルエビデンスは無い


スペインで、447名の認知機能正常なボランティアを平行群ランダム化臨床トライアルを行ったもの
平均年齢 66.9歳、女性 52.1%、心血管リスク高い対象者


認知機能の悪化を防止するだけではなく、改善をもたらした・・・!


疫学調査ではなく、ランダム化臨床トライアルでの知見 インパクトある報告である



Mediterranean Diet and Age-Related Cognitive Decline
A Randomized Clinical Trial
Cinta Valls-Pedret,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online May 11, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.1668

主要アウトカム:神経神経検査バッテリーに基づく経時的認知機能変化
  • Mini-Mental State Examination, Rey Auditory Verbal Learning Test (RAVLT)
  • Animals Semantic Fluency
  • Digit Span subtest from the Wechsler Adult Intelligence Scale
  • Verbal Paired Associates from the Wechsler Memory Scale
  • the Color Trail Test

記憶、前頭葉機能(注意、遂行機能)、全般機能の 3つの認知因子構成による差平均 z score

結果
介入中央期間4.1年間後、334名の被験者でフォローアップ検査検討可能

寄与要素補正多変量解析にて、Mediterranean食にオリーブオイル追加割り付け群では、対照群に比較して、RAVLTスコア良好 (P  =  0.049) 、Color Trail Test part 2 (P =  0.04) 良好

同様補正後の認知機能組み合わせ指標にてMediterranean食+オリーブオイルにてベースラインを上回る変化 0.04 (−0.09 to 0.18) 、それにナッツを加えると 0.09 (−0.05 to 0.23; P = 0.04 vs controls) 、対照群は −0.17 (−0.32 to −0.01)


前頭葉組み合わせ機能のベースラインからの各々の変化は、 0.23 (0.03 to 0.43; P = .003 vs controls)、 0.03 (−0.25 to 0.31)、 −0.33 (−0.57 to −0.09)

認知全般機能のベースラインからの変化は  Mediterranean食+オリーブオイル 0.05 (−0.11 to 0.21; P = .005 vs controls)、それにナッツ追加 −0.05 (−0.27 to 0.18)、一方、対照食 では −0.38 (−0.57 to −0.18)



対照群は、認知機能全要素は減少 (p < 0.05)




ただし、抗酸化食品は、単一・単調となると、それ自体が、Prooxidant作用をもたらす・・・ という懸念!
http://www.nutraingredients-usa.com/Research/Antioxidants-and-Pro-oxidants-Two-Sides-of-the-Same-Sword


抗酸化物質だけを大量にとると酸化促進物質として溜まる2011年 06月 09日


地中海式が良いのは、多種多様の抗酸化食品をとっているからで、馬鹿みたいに「サプリメント」を摂取することではない!

アルブテロール吸入 CFCから代替フロンHFAへ変更されたために生じた、支払い支出増加

大学生の教生が授業の一枠をもつ中学校に行ってたためだと思うが、中学理科の授業中、当時珍しかったエコロジー教育を受けたことがある。そのためか、「エコ」=「燃費」や「省力化」みたいな誤用をメディアでみるにつけ、腹立たしさが募る。・・・この馬鹿どもは小学・幼稚園からやり直せと・・・

環境問題が医療の実践に直接影響を与えることがある・・・フロン問題から吸入製品がドラスティックに変わった時代。
個人の医療費用支出や医療資源へのアクセスに変化があったか改めて検討した報告。


アルブテロール吸入 CFCから代替フロンHFAへ変更されたために生じた、支払い支出増加はどの程度か? 受診状況への変化はどうか?


コスト増加を多少もたらしたが、アルブテロール使用回数そのものは減少させた


The Impact of the US Food and Drug Administration Chlorofluorocarbon Ban on Out-of-pocket Costs and Use of Albuterol Inhalers Among Individuals With Asthma
Anupam B. Jena,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online May 11, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.1665


2004年  $13.60 (95% CI, $13.40-$13.70) /処方あたり2008年CFC終了後 $25.00 (95% CI, $24.80-$25.20)/処方あたり
2010年末までに、コストは、  $21.00 (95% CI, $20.80-$21.20) /処方と減少 
2004年から2010年で アルブテロール吸入総量は確実に減少 
ジェネリックCFC吸入使用は2006年最終四半期後急激に減少。これは、HFA吸入増加に取って代わった。

多変量解析にて、アルブテロール処方支払い$10コスト増加は、成人では 0.92% (95% CI, −1.39 to −0.44;  p < 0.001 ) の使用減少をもたらしたと推定、小児では 0.54% (95% CI, −0.84 to −0.24; P = .001) 減少と推定。

小児 vs 成人、持続性 vs 非持続性といった患者特性に関わる違いは無く、喘息関連入院、ED受診、外来受診など差を認めない




コントローラ薬剤の経年的変化などは考慮されてない


男性更年期という愚: 特にテストステロン注射は心血管イベントリスク増加させる

「血中、組織中の成分が減少しているなら、外から補充すれば良い」というサプリメント原理主義の愚劣さ ・・・ 泌尿器学会や婦人科学会系にもその種の発想でいいかげんなことを言う教授どもがあふれている

「あるある問題」からなんの進展もない・・・嘆かわしい


テストステロンによる副事象、心血管系への悪影響に関して配慮せず、利点だけを提示する、研究者倫理だけでなく、医師倫理でも問題


投与法として、注射、経皮パッチ・ゲルなどあり、血中濃度の動態も異なる
ゲル、注射、パッチでその安全性の違いを検討した後顧的分析報告



Comparative Safety of Testosterone Dosage Forms
J. Bradley Layton, et. al.
JAMA Intern Med. Published online May 11, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.1573

54万4115名のテストステロン開始、3データセット間
注射 37.4%、 パッチ 6.9%、 ゲル 55.8%


Medicareコホートの男性の大部分は、注射開始 51.2%
US商用保険者の大部分は、ゲル開始 56.5%
UKデータベースでは、注射、ゲル同数程度でそれぞれ41%


心筋梗塞、不安定狭心症、卒中の心血管ハザード比は、ゲル製剤使用男性と比較し、注射しようでは、心血管イベントハザード高い (1.26; 1.18-1.35)、同様に入院 (1.16; 1.13-1.19)、死亡ハザード (1.34; 1.15-1.56) 高いが、 VTE (0.92; 0.76-1.11)では差を認めない

ゲルに比べ、パッチでは、心血管イベントハザードリスク増加せず (1.10; 0.94-1.29), hospitalization (1.04; 1.00-1.08)、同様に死亡  (1.02; 0.77-1.33)、VTE (1.08; 0.79-1.47)も増加せず




パッチ、ゲル製剤だって安全性が担保されているわけではない・・・







JAMA. 2013;310(17):1829-1836. doi:10.1001/jama.2013.280386.


HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...