2016年3月1日火曜日

失神既往は自動車衝突自己リスク増加と関連

確かに、失神既往のある場合の交通事故頻度は倍化する。

頭部外傷に関連しない意識消失に着眼し、一般住民との比較で検討

失神の原因は必ずしも中枢神経だけでない
http://emedicine.medscape.com/article/811669-overview


単純に、失神として一括り


Syncope and Motor Vehicle Crash Risk
A Danish Nationwide Study
Anna-Karin Numé, et. al.
JAMA Intern Med. Published online February 29, 2016.
doi:10.1001/jamainternmed.2015.8606
http://archinte.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2497782


デンマークの国内コホート 2008年1月1日から2012年12月31日
4,265,301登録中、41,039のEDもしくは病院初回失神診断同定

自動車交通事故率(非致死性、致死性衝突を含む)を、多変量Poissonモデル解析

失神患者41,039、年齢中央値 66歳(IQR, 47-78歳)、女性 51.0%、心血管疾患 34.8%
フォローアップ期間中央値 2年間(IQR, 0.8-3.3年間)、交通事故衝突 4.4% , 1791名
外傷ありは78.1%, 139名
死亡まで至ったのは 0.3%, 6名

自動車衝突事故粗発生頻度は、一般住民に比べ、失神既往では約2倍 20.6 / 1000 人年; 95% CI, 19.7-21.6 vs 12.1; 95% CI, 12.0-12.1)
年齢、性別、社会経済地位、合併症、薬物治療補正発生比較比率 (RR)は 1.83 (95% CI, 1.74-1.91)

男性は女性に比較して交通衝突事故多い  (RR, 1.91; 95% CI, 1.79-2.03 vs RR, 1.74; 95% CI, 1.63-1.87)

自動車衝突事故超過リスクはフォローアップ期間中一定

18-69歳年齢群での、失神後5年衝突事故リスクは8.2% (95% CI, 7.5%-8.8%)で、一般住民 5.1% (95% CI, 4.7%-5.4%) 


英国:高齢85歳スパイロメトリ十分実施可能・・・解釈には注意必要


英国85歳コホート

スパイロメトリ十分実施可能
ただ、徴候無視のスパイロメトリ指数だけの診断では誤診に繋がる


Respiratory health and disease in a UK population-based cohort of 85 year olds: The Newcastle 85+ Study
Andrew J Fisher, et. al.
Thorax 2016;71:255-266 Published Online First: 5 January 2016
doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207249
http://thorax.bmj.com/content/71/3/255.abstract

【背景】85歳以上が年齢群として世界的に急増。
呼吸器系健康、呼吸器系疾患頻度、呼吸器診断のスパイロメトリ使用を85歳の住民ベースのコホートで評価し、社会でのこの高年齢層での呼吸器系健康・疾患実態の評価目的


【方法】 85歳単年の誕生コホート:自宅・施設評価:症状自己報告とスパイロメトリ測定。呼吸器診断と治療のGPカルテをレビュー


【結果】845名のうち、呼吸器系実態burdenは、カルテでのCOPD頻度 16.6%(n=140)

コホートの多くは、喫煙既往・現行喫煙 64.2%, n=539
職業性リスク要素 33.6%, n=269

信頼クライテリア一致のスパイロメトリ施行 87% , n=737


 COPD診断サブグループ n=123のうち、 GOLDクライテリア満たすのは僅か 75.6% , n = 93のみ
 

呼吸器徴候・診断なしの「 健康サブグループ」 , n=151 において
GOLD気流制限クライテリア一致 44.4% , n=67
 中等症以上COPDのNIH・Care Excellenceクライテリア一致 43.3% n=29


【結論】スパイロメトリは後期高齢の入り口85歳でほぼ施行可能で、COPDのような呼吸器疾患同定に役立つ
しかし、スパイロメトリ指数に基づく現行のCOPD定義を用いた場合解釈は困難で、一過性症状に対して過剰診断を引き起こす可能性有り





どっかの講演会で「ヨーロッパはスパイロメトリって何者?」って世界だと吹聴してた演者がいた。高齢者でもスパイロメトリ十分可能で、高齢者というだけでスパイロメトリあきらめる風潮をなげきたい
https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/45025/Default.aspx

同時に、労作性呼吸困難などCOPD特有症状無視してスパイロメトリだけで診断する風潮も・・・

COPD急性増悪:静脈血サンプル評価で動脈血の肩代わり可能?

動脈血より静脈血採取の方が容易
初期評価として静脈血で肩代わりになる部分はないか?


COPD急性増悪患者で入院必要性検討患者

pHとHCO3-値としては動脈血も静脈血も相関性あり


Bland- Altman分析

Using venous blood gas analysis in the assessment of COPD exacerbations: a prospective cohort study
Tricia M McKeever, et.al.
Thorax 2016;71:210-215 Published Online First: 1 December 2015
doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207573
http://thorax.bmj.com/content/71/3/210.abstract


pHとHCO3-値の差平均  0.03 、 −0.04, 一致限界 −0.05 〜 0.11 、 −2.90 〜 2.82
患者のSpO2<80%ならSaO2 もSpO2 も相関

採取痛は、静脈より動脈の方が強い  (平均疼痛スコア 4 (IQR 2–5) vs1 (IQR 0–2)、 p<0.001)

2016年2月27日土曜日

糖尿病高血圧治療:効果あるも、下げすぎ注意!

糖尿病の場合は、収縮期血圧140 mmHg以上の症例では降圧薬治療で死亡率・心血管疾患合併症リスク減少
ただ、収縮期血圧140 mmHg未満なら、さらなる心血管疾患死亡増加可能性有り



Effect of antihypertensive treatment at different blood pressure levels in patients with diabetes mellitus: systematic review and meta-analyses
BMJ 2016; 352
doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i717 (Published 25 February 2016)

49トライアル、73,738名のメタアナリシス、ほとんど2型糖尿病
ベースライン収縮期血圧 150 mm Hg超なら、降圧剤治療にて
全原因死亡率減少 (相対リスク 0.89, 95% 信頼区間 0.80 to 0.99)
心血管疾患死亡率減少 (0.75, 0.57 to 0.99)
心筋梗塞減少 (0.74, 0.63 to 0.87)
卒中減少 (0.77, 0.65 to 0.91)
ESRD減少 (0.82, 0.71 to 0.94)

ベースライン収縮期血圧 140-150 mm Hgなら
付加的治療で
全原因死亡率減少 (0.87, 0.78 to 0.98)
心筋梗塞減少 (0.84, 0.76 to 0.93)
心不全減少 (0.80, 0.66 to 0.97

ベースライン収縮期血圧 140 mm Hg未満なら
付加的治療で
心血管疾患死亡率  (1.15, 1.00 to 1.32)
全原因死亡率 (1.05, 0.95 to 1.16)

Metaregression 解析にて、収縮期血圧低下効果悪化治療効果は
・心血管疾患死亡率 (収縮期血圧 10 mmHg低下毎;1.15, 1.03 to 1.29
・心筋梗塞 (1.12, 1.03 to 1.22 ;同上)

パターンは、治療達成時収縮期血圧でも同様パターン




中年期にはSPRINTで厳格な降圧という方向性だったが、糖尿病という要素が加わると複雑なパズルになってくるようだ

EMPA-Reg OUTCOMEの結果の一部説明に降圧効果が示されているが・・・果たして・・・その説明・・・困難になってきたのでは?










 

肥満=記憶力低下:肥満は食べたことも忘れ食べてしまう? 

イギリスの小さなn数の研究



Higher body mass index is associated with episodic memory deficits in young adults
Lucy G.
Chekea,  et. al.
The Quartly Journal of Experimental Psychology
DOI:10.1080/17470218.2015.1099163
Published online: 22 Feb 2016

18-35歳、50名、BMI 18 - 51を「what–where–when style episodic memory test:  “Treasure-Hunt Task”」で検証、このテストは、対象、位置、一時的順序情報を同じパラダイム内で再収集することを要求し、単回イベント最終週でこれらの特徴をintegrateする能力を検証する
BMI高いほど、有意にWWWメモリーおよび全てのエレメント(対象物同定、位置記憶、一時的順序記憶)のパフォーマンス低下
年齢、性別、教育年数補正後、what-where-whenタスク個別に対しBMIの影響は維持されるが、有意性は低下する

肥満に於けるエピソード的記憶欠如という事実は、食欲調整におけるエピソード的に認識の役割に関しエビデンス収集が求められている。

・・・
メモリータスク低下のため、食事したことも忘れ、食べてしまう・・・と、言いたげな論文?

実際解説にもこう書いてあるし・・・

大学のpress-release
https://www.cam.ac.uk/research/news/being-overweight-linked-to-poorer-memory

 “The possibility that there may be episodic memory deficits in overweight individuals is of concern, especially given the growing evidence that episodic memory may have a considerable influence on feeding behaviour and appetite regulation,” she says.


さらに、一般解説では・・・もろにこう書いてある

Changes to the brain caused by obesity may harm memory, which researchers in a recent study think could influence people to eat more and gain more weight.
http://www.upi.com/Health_News/2016/02/26/Study-links-excess-weight-to-having-a-poorer-memory/2681456498277/

2016年2月26日金曜日

薬事承認・適応追加に伴い、肺結核へのLVFX基準追加

平成27年8月24日レボフロキサシン:LVFX(クラビットR)について、「肺結核及びその他の結核症」に対する薬事承認・適応追加に伴い、肺結核へのLVFX基準追加


「結核医療の基準」の一部改正について
http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/uploads/2016/02/27chi3_225.pdf




この段階では(案)だったがそのままなのでわかりやすい

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000098520.pdf







結核へのLVFX使用には偏りがあり、INHやRFPの減感作試みようともせず、すぐにLVFX使用する医師・施設が目立つ。今回の通達でさらに偏りが悪化するかもしれない。

肝障害対応時処置の徹底もすべきだと思う

http://www.kekkaku.gr.jp/commit/yobou/200501.pdf





アルツハイマー病バイオマーカー:脳活訓練全般的には役立たず、高教育レベル・APOE4キャリアは例外かも

認知症無しの高齢者、この研究は70歳以上を検討


認知機能改善を目指すライフスタイルを中年期に行ってもアルツハイマー型認知症に繋がる神経変性変化スピードをさほど減少させないとのこと

アミロイド斑、脳のブドウ糖代謝、脳の容積といった神経変性バイオマーカーのtrajectory(軌跡)に対し、認知機能によいとされるライフスタイル介入は、感度分析に基づく利益性検出するためのパワー適正化させても、その意義を認めなかった


アミロイドtrajectoryに、中年期身体活動性も相関せず

ただ、APOE4キャリアでの画像データの改善が、「コンピュータ使用、書籍・雑誌読書、ゲーム遊び」などの中年期学習継続により、教育機関14年以上の高学歴コホートでは、アミロイドburdenの減少が、見られた。これらの教育レベル高度・APOE4キャリア群では、認知機能アクティビティ高いライフスタイルで33rdパーセンタイルのアミロイドburdenで、認知機能アクティビティ低い場合は67thのアミロイドburden




Effect of intellectual enrichment on AD biomarker trajectories
Longitudinal imaging study
Prashanthi Vemuri, et. al.
Neurology,     Published online before print February 24, 2016 doi:http:/​/​dx.​doi.​org/​10.​1212/​WNL.​0000000000002490 Neurology 10.1212/WNL.0000000000002490
http://www.neurology.org/content/early/2016/02/24/WNL.0000000000002490.short


アルツハイマー病のバイオマーカー痕跡対する、長軸的な画像データ、即ち、脳β-アミロイド負荷 (via Pittsburgh compound B PET)と神経変性(via 18fluorodeoxyglucose (FDG) PET)、構造MRI検査に、年齢、性別、APOE4 genotype、ライフスタイル改善(教育/職業、中年期認知機能、中年期身体活動)の影響調査

住民ベース長軸調査 Mayo Clinic Study of Aging
認知症無しの393名(臨床的正常 340名、 軽度認知機能低下 53名、70歳以上)

結果:
年齢がアミロイドと神経変性trajectory(軌跡)と相関
APOE4状態は、アミロイド、FDG痕跡に影響を与えるが、海馬容積には影響を与えない
教育レベル高度層別において、中年期認知機能活動性高い場合は、 APOE4キャリアにおいてアミロイド沈着低下と相関。
APOE4状態は完遂コホートにおいてGDG uptake低下と相関し、低教育レベルでも同様だが、高い教育レベルのコホート群では認めない。

アルツハイマー型認知症バイオマーカーの痕跡へライフスタイル健全化の影響は最小で、知的な状況良好なライフタイムは、APOE4キャリアではアミロイド低下と関連。
教育レベルが高い場合は、APOE4のFDG代謝へ防御的に働く
異なる教育レベルで、文献結果のばらつき説明可能である

noteへ実験的移行

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