2016年6月1日水曜日

6分間ステップ数試験(6MST):COPDリハビリテーション前後評価:6分間歩行距離と同等評価可能、MID 20ステップ

6分間歩行距離試験(6MWD)に対して、 6-minute stepper test (6MST) は、耐忍性、再現性が良いという話


もともとの6MST:
Six-minute stepper test: a valid clinical exercise tolerance test for COPD patients
https://www.dovepress.com/six-minute-stepper-test-a-valid-clinical-exercise-tolerance-test-for-c-peer-reviewed-fulltext-article-COPD

Six-minute stepper test
A step was defined as a single complete movement of raising one foot and putting it down. The stepper (Go Sport®, Grenoble, France)16 was placed on the ground facing a wall to allow patients to maintain their balance by placing their fingers on the wall. The step height was set at 20 cm. Before starting the test, patients got accustomed to the stepper for 2 minutes. The protocol included a 3-minute rest period and a 6-minute stepping period. Patients received standardized instructions adapted from the 6MWT ATS instructions,15 advising them to make the most number of steps they could in 6 minutes. The number of steps performed in 6 minutes was recorded. Monitoring of heart rate and SpO2 by a pulse oximeter (Oxymontre 3100; Nonin) was performed each minute. An investigator, a member of the paramedical team, remained behind the patient throughout the test.



パテント臭がする・・・標準化の折、機器限定して欲しくない




Responsiveness and Minimally Important Difference of the 6-Minute Stepper Test in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Respiration1Vol. 91:367-373 , 2016 (DOI:10.1159/000446517)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27216848

背景: COPD患者での、6-minute stepper test (6MST) のvalidityとreproducibilityは報告されている。
目的: 呼吸リハビリテーション<pulmonary rehabilitation (PR) >の反応性評価するための、6MSTのminimal important difference (MID) を評価し、6MWTと比較

方法: 62名のSCOPD患者、前向き研究。
3週間入院PRプログラム施行
プライマリアウトカムは、PR前後の6MST中のステップ数変化i
セカンダリアウトカムは、6MWDパルスオキシメトリー、心拍、呼吸困難、下肢不快症状をPR前後で比較。
MIDは anchor-based and distribution approachで評価


結果: PR後、6MST中ステップ数T (22.5 steps; 95% CI 13.8-31.3; p < 0.0001) 、6MWD (26.6 m; 95% CI 17.6-35.5; p < 0.0001)増加
6MST と 6MWTはそれぞれ10.1%、6.5%改善
6MST中のステップ数は6MWDとPR前後 (PR前:r = 0.72; p < 0.0001、PR後:r = 0.66; p < 0.0001).とも有意相関

MID 推定、約 20 ステップ

結論: COPD患者の呼吸リハビリテーション中の機能的改善効果評価のための6MST は、6MWTと同様の反応性判定を示すようだ
6MSTは低コスト評価で、スペースもいらない

嚢胞性線維症:長期アジスロマイシン療法への疑念


Cochrane Review
Macrolide antibiotics for cystic fibrosis.
Cochrane Database Syst Rev. 2012 Nov 14;11:CD002203.

6ヶ月以内の検討では、肺機能改善、急性増悪回数改善など示唆されていたが
小数例の検討で、長期治療効果に疑問





Long-term effects of azithromycin in patients with cystic fibrosis

Clémentine Samson, et. al.
Respiratory Medicine, August 2016Volume 117, Pages 1–6
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.rmed.2016.05.025 
嚢胞性線維症68名へのアジスロマイシン12ヶ月超治療
肺機能、急性増悪、抗生剤使用率に効果認めず
気道コロナイゼーションにも効果認めず
マクロライド耐性黄色ブドウ球菌分離

アジスロマイシン長期使用に関して再考が必要


嚢胞性線維症に対しての話だが、びまん性汎細気管支炎・気管支拡張ではどうなのだろう?びまん性汎細気管支炎へのエリスロマイシンの劇的効果を経験してきたものとしては、アジスロマイシンという15員環系のこだわらずとも・・・14員環系を是非腱としてもらいたいというのは・・・日本の医者の思いでは?

2016年5月31日火曜日

海産物・長鎖n-3脂肪酸:認知機能減衰緩徐化

最近こういう報告があったばかり
 剖検報告:老人において海産物摂取は脳内水銀濃度増加をもたらすが、認知症・脳梗塞病理所見減少をもたらす 但し、APOE ε4キャリアのみ
http://kaigyoi.blogspot.jp/2016/02/blog-post_3.html

今度の報告は、 生きてる人間で認知機能減衰との関連を検討


APOE ε4 and the associations of seafood and long-chain omega-3 fatty acids with cognitive decline

Ondine van de Rest,et. al.
Neurology May 31, 2016 vol. 86 no. 22 2063-2070

目的: シーフードと長鎖n-3脂肪酸消費と5の認知機能ドメインを平均4.9年間相関性調査


方法:ongoingの加齢と認知症長軸、住民ベース疫学研究から、915名被検者(年齢 81.4 ± 7.2 歳、男性25%)、最低1回のフォローアップ認知評価・食事データ調査施行被検者
食事は半定量食事回数アンケート
全般認知機能と5つの認知ドメイン(episodic、semantic、working memory、perceptual speed、visuospatial ability)スコア を19の認知機能試験で評価
認知機能変化を他リスク要素補正mixed modelで関連性評価


結果: シーフード摂取は、(年齢、性別、教育、認知活動参加状況、身体活発、アルコール摂取、喫煙、総カロリー摂取補正)separate modelで、semantic memory減少緩徐化と相関 (β = 0.024; p = 0.03) 、  perceptual speed 減少緩徐化と相関(β = 0.020; p = 0.05)




二次解析にて、
APOE ε4 carrierでは週毎シーフード摂取量と食事中の長鎖n-3脂肪酸の中・高度摂取量における、全般認知と多認知機能ドメインの減衰緩徐化が明らかになった。

 これら相関は、 APOE ε4 noncarrierでは見られない


α-リノレイン産の高摂取は全般認知機能減衰と相関し、APOE ε4 carrierでのみ見られる。


結論:これらの知見から、週毎のシーフード及び長鎖n-3脂肪酸の1mealによる多認知機能の減衰防御効果が示唆された。 APOE ε4の役割解明は今後の課題。




シーフード摂取量かなり少ないレベルで評価しているので多摂食の日本で是非詳細な質の高い検討を!

敗血症後死亡率:敗血症発症時併存症と関連しないリスク増加

 敗血症は、先進国での入院主原因となっている。在院死亡率は低下しているが、長期死亡率低下が問題。もともとの併存症が影響をあたえているという議論もあったが、不明。敗血症後5年以上も影響継続するという報告も有り、敗血症後の超過死亡の評価が必要となった。

Late mortality after sepsis: propensity matched cohort study
Hallie C Prescott, et. al.
BMJ 2016; 353 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i2375 (Published 17 May 2016)
Cite this as: BMJ 2016;353:i2375

【目的】 敗血症後の後期死亡率が主に、発症前併存症に依存するのか、もしくは、敗血症そのものに依存するのか?


【デザイン】観察コホート研究

【セッティング】US Health and Retirement Study

【被検者】  fee-for-service Medicare coverageを受け、敗血症入院患者、65歳以上960名(1998-2010)
マッチ化:現行非入院777名、非敗血症・感染 788名、急性無菌炎症性疾患入院 504名


【主要アウトカム測定】  後期(31日〜2年)死亡率と、期間変数時点での死亡オッズ

【結果】敗血症は非入院成人比較後期死亡率 絶対的増加 22.1% (95% 信頼区間 17.5% to 26.7%)
、非敗血症入院患者比較で絶対的比率増加 10.4% (5.4% to 15.4%)
急性無菌性炎症性疾患患者比較で絶対的比率増加  16.2% (10.2% to 22.2%)
 (P < 0.001 for each comparison)



 非入院成人に比較し、最低でも2年間は死亡率高率


【結論】 敗血症生存社5名に1人は敗血症前の健康状態により説明できない,遅発性の死亡を来しやすい

2016年5月27日金曜日

じゃがいも:高血圧発症リスク増加

全粒穀物や野菜/果物摂取などの多数の食物要素とは独立して、フレンチフライ以外のポテト食が高血圧症発症と関連

米国ではジャガイモ食はクリティカルな公衆衛生的問題で、政府スポンサーフードプログラムに加わっており、カリウム含有故心血管ベネフィットあるだろうと想定されていた


高血圧発症に関してリスキーな存在になろうとは・・・ glycemic loadがその説明となっているが、炭水化物一般に言えるのでは?






Potato intake and incidence of hypertension: results from three prospective US cohort studies
Lea Borgi,  et. al.
BMJ 2016; 353 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i2351 (Published 17 May 2016) Cite this as: BMJ 2016;353:i2351
ベークド・ポテト、ボイルポテト、マッシュドポテト、フレンチフライいずれも、ジャガイモは、成人大規模コホート(女性:Nurses’HealthStudy 62 175 、女性:Nurses’HealthStudyII 88 475 、男性:HealthProfessionalsFollow-upStudy 36 803)において独立した高血圧症発症リスク増加


週4サービング以上を月1サービング未満摂食と比べたランダム効果プール化ハザード比
ベークド・ポテト、ボイルポテト、マッシュドポテト:1.11 (95% 信頼区間 0.96 to 1.28; P for trend=0.05)
フレンチフライ:1.17 (1.07 to 1.27; P for trend=0.001)
ポテト・チップ:0.97 (0.87 to 1.08; P for trend=0.98) 


非炭水化物野菜1サービングを同量 ベイクド、ボイルド、マッシュドポテトに置き換えると、高血圧リスクは減少 (hazard ratio 0.93, 0.89 to 0.96)

CRIC研究:CKDではナトリウム制限にて心血管イベントリスク減少

ナトリウム摂取 高血圧患者のみ減塩有効、 極端なNa摂取制限は高血圧有無にかかわらず有害
http://kaigyoi.blogspot.jp/2016/05/na.html



CKDとナトリウムに関してもJ字型にみえるのだが、制限3次スプライン回帰モデルでは非線形でなく、線形だそうな




Sodium Excretion and the Risk of Cardiovascular Disease in Patients With Chronic Kidney Disease
Katherine T. Mills, et. al.
for the Chronic Renal Insufficiency Cohort (CRIC) Study Investigators
JAMA. 2016;315(20):2200-2210. doi:10.1001/jama.2016.4447.

意義  慢性腎臓病(CKD)患者は一般住民と比べ心血管疾患(CVD)のリスク増加を生じる。これまでの知見では食事性ナトリウム摂取とCVDリスの相関については矛盾した結果を生じており(ナトリウム摂取量と血圧の関連は確立しているが、ナトリウム摂取とCVDリスクの関連性は確立してない)、この相関性について患者で検討されていない。

目的  CKD患者に於ける尿中ナトリウム排泄と臨床的CVDイベントについての相関性検討

デザイン・セッティング・被検者  米国内7箇所のCKD患者の前向きコホート研究 (Chronic Renal Insufficiency Cohort Study)、2003年5月から2013年3月までフォロー

暴露  3回の24時間用測定尿中ナトリウム排泄累積平均と性別特異的に24時間尿中Cr排泄で補正

主要アウトカム・測定  うっ血性心不全、卒中、心筋梗塞として定義したCVDイベント。イベントは6ヶ月毎報告し、カルテにて補正確認

結果  3757名被検者(平均年齢、58歳、女性 45%)中、フォローアップ中央期間 6.8年間につき804のCVD組み合わせイベント発症 (心不全 575 、心筋梗塞 305、卒中 148)

補正ナトリウム排出4分位 最小(<2894 159="" 174="" 198="" 273="" br="" mg="">
累積発生率はフォローアップ中央期間にて 18.4%、16.5% ,20.6%、29.8%
加え、フォローアップ中央値における、最大4分位vs最小4分位CVDイベント累積発生比は、心不全 23.2% vs 13.3%、 心筋梗塞 10.9% vs 7.8%、 卒中 6.4% vs 2.7%



多変量補正解析にて最大4分位の最小4分位比較ハザード比はCVDイベント組み合わせ 1.36 (95% CI, 1.09-1.70; P= 0.007) 、心不全 1.34 (95% CI, 1.03-1.74; P= 0.03) 、卒中 1.81 (95% CI, 1.08-3.02; P= 0.02)
restricted cubic spine analysis(制限3次スプライン回帰モデル)で、ナトリウム排泄と組み合わせCVDの相関性は非線形のエビデンス(p=0.11)示さず、有意に線形相関 (p < 0.001)


<0 .001="" br="">結論と知見  CKD患者において、尿中ナトリウム排泄はCVDリスクと相関する



2016年5月26日木曜日

HOPE-3研究:固定量スタチン・固定量ARB・降圧利尿剤にて心血管イベント減少

LDL降下療法と降圧療法は各々の単独より心血管イベント減少効果大きくなるに違いない
polypill conceptにつながるが・・・


脂質モニタリングせず、スタチンを中等量用いるか否か
血圧モニタリングせず、降圧利尿剤にARB中等量固定併用行うか否か

2×2研究でその効果を見たもの


結論は・・・血圧やコレステロール値測定しになくても、固定薬剤処方すれば心血管イベント抑えられる

ベースラインをみると、血圧項目は 収縮期血圧にて138 mm Hg程度


Blood-Pressure and Cholesterol Lowering in Persons without Cardiovascular Disease
Salim Yusuf, et. al.., for the HOPE-3 Investigators
N Engl J Med 2016; 374:2032-2043May 26, 2016

【方法】
12705名(心血管疾患無し)
2×2区分
rosuvastatin (10 mg per day) or placebo
candesartan (16 mg per day) plus hydrochlorothiazide (12.5 mg per day) or placebo
併用療法:ロスバスタチン+2剤降圧剤 3180
dual placebo 3168
【アウトカム】
first coprimary outcome は、心血管原因死、非致死性心筋梗塞、非致死性卒中
second coprimary outcomeは、心不全、心停止、血管再建
フォローアップ期間中央値 5.6年間
【結果】
LDLコレステロール値: 併用群ではdual-placebo群より33.7 mg/dL (0.87 mmol/L) 減少

収縮期血圧: 併用群ではdual-placebo群より 62. mm Hg 減少

first coprimary outcome: 併用群 113 (3.6%) vs dual-placebo 157 (5.0%) (ハザード比, 0.71; 95% 信頼区間 [CI], 0.56 to 0.90; P=0.005)
secondary coprimary outcome: 併用群  136 (4.3%) vs dual-placebo 187 (5.9%)  (ハザード比, 0.72; 95% CI, 0.57 to 0.89; P=0.003)

Kaplan–Meier Curves for the Second Coprimary Outcome, Stroke, Myocardial Infarction, and Coronary Revascularization.
筋力低下とふらつきが併用群でdual-placebo群より多いが、包括的レジメン中止率は同等

【結論】
心血管疾患を有さない中等度リスク成人に対し、ロバスタチン10mg/日、カンデサルタン 16mg/日、HCTZ 12.5mg/日は、dual placeboより心血管イベント減少

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...