2018年6月2日土曜日

2型糖尿病患者・虚血性心疾患:NT-proBNPによる心血管イベント推定

2型糖尿病患者・虚血性心疾患を有する患者におけるNT-proBNP変化と予後検討

2型糖尿病患者・虚血性心疾患患者ではNT-proBNPは予後変化推定に関し有益な情報を与える


Serial Measurement of Natriuretic Peptides and Cardiovascular Outcomes in Patients With Type 2 Diabetes Mellitus in the EXAMINE Trial
Diabetes Care 2018 May; dc180109. https://doi.org/10.2337/dc18-0109


ベースライン→6ヶ月後のNT-proBNP増加量と、重大心血管(CV)イベントに段階的相関強く存在  (P <0.001)

関連寄与要素補正後、ベースラインNT-proBNP 値は独立して重大CVイベント、特に心不全入院出現と相関


持続的NT-proBNP高値あるいはNT-proBNP高値出現は、ベースラインおよび6ヶ月後も低値症例やベースライン高値から減少するようなカテゴリー症例に比べ、何れも有意のCV死亡・心不全発症リスクと相関 (P < 0.001、P < 0.001)

6ヶ月までのNT-proBNP絶対値増加量もその後のアウトカムと関連

DPP-4阻害剤治療はNT-proBNP濃度へ影響を与えず



EXAMINEトライアルのサブ解析にあたると思うのだが、ほんとはDPP4阻害剤でNT-proBNP値減少、CVイベントリスク減少・・・とか言いたかったんだろうなぁ などと

2018年5月30日水曜日

ヒドロクロロサイアザイドと悪性黒色腫リスク









降圧利尿剤:ヒドロクロロサイアザイドと悪性黒色腫リスク

Association of Hydrochlorothiazide Use and Risk of Malignant Melanoma
JAMA Intern Med. Published online May 29, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2018.1652


ヒドロクロロサイアザイド:HCTZ 50,000mg以上をhigh-userと分類
症例 413 例(2.1%)と対照 3406 例(1.8%) メラノーマ:補正 OR  1.22 (95% CI, 1.09-1.36)
量反応関連認めず


メラノーマ局在、病期、年齢、性別、非メラノーマ癌病歴の解析も同様

組織学的subtype層別にて、ORs増加は
nodular melanoma (n = 1695 cases [8.8%]; OR, 2.05; 95% CI, 1.54-2.72; P for trend = .01)
lentigo melanoma (n = 500 cases [2.6%]; OR, 1.61; 95% CI, 1.03-2.50; P for trend = .16)
で、表層撒布型メラノーマより多かった (n = 13 781 cases [72%]; OR, 1.11; 95% CI, 0.97-1.27; P for trend = .73)

セカンダリ解析にて、nullに近い相関性

  • bendroflumethiazide (OR, 1.10; 95% CI, 1.02-1.19; P for trend = 0.47)
  • ACE阻害剤(OR, 1.07; 95% CI, 0.99-1.16; P for trend = .53)
  • ARB (OR, 1.18; 95% CI, 1.07-1.29; P for trend = .07)
  • カルシウム拮抗剤 (OR, 1.06; 95% CI, 0.97-1.14; P for trend  = .94)



”ヒドロクロロチアジドの使用は、メラノーマについて観察された特定の関連性は、さらなる研究必要”ということだが

ACE阻害剤もそうだが、HCTZは光線過敏症を引き起こす薬剤として知られている
皮膚科から指摘され薬剤変更した事例多く、日常臨床に影響をあたえる副作用
光毒性、光アレルギー性皮膚炎の記載がある

光線過敏症の頻度で行けば、ケトプロフェン(光アレルギー性皮膚炎代表格)と2大巨頭では?



バレニクリン:心血管リスク増加に注意、精神神経疾患リスクは高齢者で注意

禁煙治療において、need-individualized strategyが重要で、心血管イベントリスク増加予測例、特に、食生活の急変を来たし急激な肥満・高血糖など生じるような場合には十分な配慮が必要




Smoking Cessation Drug Linked to Cardiac Events
CME / ABIM MOC / CE Released: 3/2/2018
https://www.medscape.org/viewarticle/893111

2種以上のデリバリーシステムを用いたニコチン置換療法併用は、1剤置換療法より禁煙率は高く、バレニクリニンはこの併用ニコチン置換療法に比べて非優越的
Cochrane Database Syst Rev. 2013 May 31;(5):CD009329.


バレニクリンはプラシーボに比べ有意とは言えない程度だが神経精神的副作用リスクを高める可能性ありと指摘


自傷行為や双極性エピソードなど神経精神疾患による救急受診・入院はバレニクリン処方2年間内で6%ほど増加するも、これも有意差無し
Cardiovascular and neuropsychiatric events following varenicline use for smoking cessation. Am J Respir Crit Care Med. Published online December 20, 2017.

バレニクリンは禁煙成功オッズ3倍の効果を有し、心血管疾患リスクを有意に低下


ランダム化トライアルの世界ではバレニクリンはブプロピオン、ニコチン置換、非薬物的介入、プラシーボより禁煙成功率高いが、リアルワールでは?


65歳以上の56,851名のオンタリオ住民で、バレニクリン新規処方(2011年9月から2014年2月)
心血管疾患と神経精神疾患を、バレニクリンのフィル後12週間1年後まで観察

バレニクリン治療周辺2年間(導入期間発生除外)

  • 心血管疾患 4185名、イベント数 6317(AMI、不安定狭心症、他虚血性心疾患、虚血性卒中、心臓不整脈、末梢血管疾患
  • 精神神経疾患 4720名、イベント数数 10,041

バレニクリン治療心血管イベントは対照期間に比べ有意に高率  (相対発生頻度 [RI], 1.34; 95% 信頼区間 [CI], 1.25-1.44)
男女別、65歳上下別、心血管イベント既往別のサブグループでも相対リスク増加

一方、バレニクリニン治療は対対照期間に比べ神経精神イベント頻度は高かった (RI, 1.06; 95% CI, 1.00-1.13)ものの、有意差はない
65歳以上高齢では神経精神イベントリスク有意増加で、内訳は主に救急受診や入院必要な不安、気分障害であった




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2018年5月29日火曜日

食事アンケート大集団調査の愚行(卵摂取量と心血管医ベント)

食事アンケート調査によりクリニカルアウトカムと結びつける報告多いが、Medpageで随分批判されている。まぁ似たような報告は多く、比例ハザードモデル解析だけで論評する講演経験しなんだか不満累積してたところで小気味が良い


「食事摂取回数と特定の健康アウトカムの影響研究なんて意味がありません。以下の論文を使って解説してみましょう」

I'll put it really plainly: Studies that use responses to a food-frequency questionnaire to link to some health outcome are not worth the paper they are printed on. And so let me use this recent egg study as an object lesson in the problems with dietary epidemiology research.

https://www.medpagetoday.com/blogs/themethodsman/73009

比例ハザードモデルといってもリスク補正十分されたとは言えない、社会・経済的背景を受け、味覚要素さえ影響を受ける。フォアグラ( foie gras)を食す人間と食さないのを比較して、この要素で生命予後や心血管疾患予後を推し量る愚とのこと


意訳をかなり含むが・・・
1)まず誰もランダムに食事を取ることなんてしない、例外は、評価家の2歳児で・・・、社会、経済、プラクティカル、味覚要素など食事の選択理由なんて様々。この単純な研究では多共役要素を補正してない。フォアグラの例・・・ 
2)卵はいろんな食品に含まれる。故に、この調査法だと信頼性が低い 
3)130を超える食品アイテム調査で、偶発的蓋然性、偽陽性確率が高くなる可能性指摘(日本のくだらない人間ドック商売と一緒でたくさん調べれば異常を検出する確率高くなり、医療商売に結びつきやすいのと同じ) 
4)130以上のアイテムに限定しているが、実際上はそれ以上の食品内容を摂取している。意図的な選択バイアスがかかっている。 
5)サンプル集団が大きい、50万もの調査の時は有意差示しやすい。多ければ多いほどよいというものではなく、普通の人間が一生涯関わりの無いイベント確率で杞憂しているようなもんだ。研究自体の意味が無い・・・

以下、その論文




Associations of egg consumption with cardiovascular disease in a cohort study of 0.5 million Chinese adults
BMJ, Heart
http://heart.bmj.com/content/heartjnl/early/2018/04/17/heartjnl-2017-312651.full.pdf

中国の異なる10地点、30−79歳500万名
層別化Cox比例ハザードモデル解析

ベースラインにおいて通常1日 0.76個、連日摂取13.1%、滅多に食べない群 9.1%(通常摂取 1日0.29個)
卵非摂食者に比べ、卵摂取はCVDリスク低下  (HR 0.89, 95% CI 0.87 to 0.92)

多変量補正HRs(95%CI) IHD 0.88 (0.84 to 0.93)、MCE 0.86 (0.76 to 0.97)、出血性卒中 0.74 (0.67 to 0.82)、虚血性卒中 0.90 (0.85 to 0.95)

全CVDエンドポイントにおいて、量依存相関認める 線形傾向 P< 0.05

連日卵摂取はCVD死亡リスク18%減少、出血性卒中死亡 28%減少


この絵の方がインパクトある



2018年5月28日月曜日

GDPR

GDPR
http://www.fujitsu.com/jp/group/fjm/mikata/column/sawa2/001.html
https://business-security-station.com/securityinfo/498

個人名を出すとめんどくさそうなので、Authorさしあたり記載しないこととする


Author の e-mail アドレスとリンクされている場合あるので・・・

治療修飾を受けてない、いわば治療naïveなCOPD患者の急性増悪臨床パターン

治療修飾を受けてない、いわば治療naïveなCOPD患者の急性増悪臨床パターン

2−3割急性増悪改善すらはっきりしないパターンも存在するという


Exacerbation recovery patterns in newly diagnosed or maintenance treatment-econdary analyses of TICARI 1 trial data
International Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease Volume 13
Published 10 May 2018 Volume 2018:13 Pages 1515—1525
DOI https://doi.org/10.2147/COPD.S149669


背景: 診断されてなかった症例やCOPDの維持療法-naïveな慢性閉塞性肺疾患(COPD)急性増悪:AECOPDの回復パターンは不明
急性気道感染(RTI)の症状治療のタイミングでAECOPD患者の臨床経過の記載をしようというもの

方法: 症状7日以内の急性RTIの新規診断もしくは維持治療-naïve COPD患者の、チオトロピウム 18 μgメンテナンス治療 vs プラシーボの12週間ランダム化臨床トライアル(TICAI 1)のデータの二次解析
AECOPDとRTIの標準治療
登録時、トライアル早期終了故治療差検出にはunderpowerであった
データはプールされ、急性増悪パターンを、EXAcerbation of Chronic Pulmonary Disease Tool (EXACT)、FEV1、レスキュー薬物治療、 COPD Assessment Test™, Functional Assessment of Chronic Illness Therapy–Short Form、 Work Productivity and Activity Impairment Questionnaire: Respiratory Symptomsで評価


結果: 140名の内、維持治療無しのCOPD診断既往は73.6%。
ランダム化後±7日の間に、中等度・重度気道閉塞80.0%、薬物療法治療 40%(ステロイド 34.3%、抗生剤 16.4%、短期作用β2アドレナリン作動性アゴニスト 5.0%)

12週間において、症状改善(EXACTスコア)は中央値 5.0日間。
全患者横断的には、再発なしの回復49.3%、回復するも再発29.3%、症状持続 21.4% (recovery criteria unmet;回復クライテリアに合致せず)

結論:気道感染症状ありのAECOPDによるクリニック受診後フォロー中COPD新規診断・維持療法naïve患者の再発、持続症状比率は一定数存在する。
維持療法にてアウトカム改善するか、急性増悪リスク軽減するかの検討は今後の問題





EXACT daily score
http://www.exactproinitiative.com/instrument-descriptions/








https://journal.copdfoundation.org/jcopdf/id/1041/Prevention-of-Exacerbations-in-Chronic-Obstructive-Pulmonary-Disease-Knowns-and-Unknowns
J. COPD Foundation, July 24, 2014

急性増悪:通常パターン、治療不全パターン、再発パターン






2018年5月26日土曜日

COPD:アスピリンの(慢性気管支炎がらみ?)COPD急性増悪予防効果、ワーファリンの予後悪化作用?

抗血小板剤による慢性気管支炎がらみのCOPD急性増悪減少効果の可能性
ワーファリンなどビタミンK拮抗剤はCOPD予後悪化の可能性?


Aspirin Appears Protective in COPD Patients
Too early for recommendations, but rate of 'moderate acute' exacerbation was reduced
MedPage Today May 24, 2018
https://www.medpagetoday.com/meetingcoverage/ats/73091

オリジナル:
Session B102 - CLINICAL TRIALS AND STUDIES IN COPD
A4233 / 607 - Aspirin Use Is Associated with Reduced Rate of COPD Exacerbations in the SPIROMICS Cohort: A Propensity Score Matched Analysis

COPD:SPIROMICS被検者、36ヶ月フォローアップ
アスピリン使用によるCOPD急性増悪を前向きに評価
COPD急性増悪(COPDE)の非補正(粗)発生比率は、人年にて  0.55±0.92 (中等症: 0.37±0.68, 重症: 0.18±0.53) 
アスピリン使用者で、COPDE発生頻度は低下 (補正発生比率比 [IRR] 0.78, 95% 信頼区間 [CI]: 0.65-0.94)、統計学的に有意性残存  (IRR 0.79, 95%CI: 0.64-0.98)、しかし重症ではCOPDE発生頻度影響認めず (IRR 0.78, 95%CI: 0.57-1.06) 
フォローアップ初年度に限れば、中等症・重症COPDE発生率同等 (IRR 0.70, 95%CI: 0.53-0.92)、中等症COPDE (IRR 0.66, 95%CI: 0.48-0.90) 、重症COPDE (IRR 0.85, 95%CI: 0.52-1.4) 
アスピリン使用者と慢性気管支炎存在症例では減少効果有意に認める (p=0.04) 
慢性気管支炎アスピリン使用者において、中等症・重症COPDE (IRR 0.65, 95%CI: 0.50-0.84)、中等症COPDE(IRR 0.65, 95%CI: 0.48-0.87)で相関認めるが、重症COPDEでは認めない (IRR 0.67, 95%CI: 0.43-1.03).







Warfarin Class Tied to Higher Death Rate in COPD
Retrospective results shouldn't change practice, but deserve more study
by Ed Susman, Contributing Writer, MedPage Today May 23, 2018
https://www.medpagetoday.com/meetingcoverage/ats/73063

オリジナル:
Session B102 - CLINICAL TRIALS AND STUDIES IN COPD 
A4234 / 608 - Use of Vitamin K Antagonists Is Associated with Increased Mortality in Chronic Obstructive Pulmonary Disease

後顧的研究 4184名のCOPD患者
死亡率補正ハザード比:COPD患者において、ビタミンK拮抗剤使用者は、非使用者に比較して有意に高い (1.533; 95%-信頼区間=1.344-1.748; P<0 .0005="" age="" br="" figure="" gender="" male=""> < 0.0005)
<0 .0005="" age="" br="" figure="" gender="" male="">

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note