2019年3月20日水曜日

高齢者・糖尿病:健康食にナッツ類は欠かせません 


自由生活高齢者へwalnutsをエネルギー摂取の15%とした場合の加齢関連疾患への影響をみたランダム化トライアル(Walnuts and Healthy Aging study)


クルミ(walnut) dietと対照食で診察室血圧と24時間持続血圧への2年間の効果を比較

事前設定解析 305、完遂 236(75%)、女性 65%、年齢 59歳、 軽症高血圧 60%
耐用性良好、コンプライアンス98%超
降圧剤uptitrationが少なく、全体的な血圧調整が対照比較で認められた

高齢者において、walnut摂取は、特に軽症高血圧において収縮期血圧低下をもたらした



Effect of a Walnut Diet on Office and 24-Hour Ambulatory Blood Pressure in Elderly Individuals
Findings From the WAHA Randomized Trial
Mónica Domènech ,  et al.
https://doi.org/10.1161/HYPERTENSIONAHA.118.12766
Hypertension.18 Mar.  2019;




前向き解析 糖尿病ベースライン存在とフォローアップ時診断された16,217名男女対照
冠動脈性心疾患・卒中・全原因死亡・死亡原因別死亡率qお含む心血管疾患(CVD)リスク評価をナッツ(tree nutsとピーナッツを含む)類全体と種別でその影響を検討
検証済食品摂取回数アンケートを用い、ナッツ摂取量を各2−4年毎update.
糖尿病患者において、ナッツ類高摂取に関連しCVD発生頻度低下・死亡率低下が認められ、特にtree nutsで認められた。
全死亡率低下はピーナッツ摂取量のみに関連した効果であった。
これら知見から、糖尿病患者において、ナッツはCVD合併症・死亡減少目的とした健康食パターンとして含まれるべき。卒中発症リスク・がん脂肪率に関してはナッツ類摂取量とは関連せず

Nut Consumption in Relation to Cardiovascular Disease Incidence and Mortality Among Patients With Diabetes Mellitus
Gang Liu ,et al.
2019https://doi.org/10.1161/CIRCRESAHA.118.314316
Circulation Research. 2019;124:920–929





春が過ぎればもうすぐナッツ

そろそろ、ラッカセイ栽培の準備しておくか・・・

慢性鼻副鼻腔炎(CRS)のクラリスロマイシン治療 システミック・レビュー&メタアナリシス

序文から
慢性副鼻腔炎(CRS)は鼻ポリープの有無により2つのphenotypeに分類。鼻ポリープを伴うCRSwNP、鼻ポリープを伴わないCRSnNP。CRSの根底の病態生理家は複雑で感染と炎症の要素関与。マクロライド系薬剤の有効性は抗炎症作用、抗biofilm、免疫調整として用いられているが、その有効性はまだinconsistent。2つのRCTでベネフィット報告あり、特にIgE低値患者での有効性が一方で示されている。一方でモメタゾン フランカルボン酸エステル・スプレーによるCRSnSPへの治療では、クラリスロマイシンの付加的効果を示せなかった。さらに、Videlerらの研究ではCRSへのアジスロマイシン3ヶ月付加治療後プラシーボ比較で効果認めず。CRSの治療におけるマクロライドの使用に関するエビデンスに基づく医学的勧告もまた変更されました。ヨーロッパおよび中国の現在のガイドラインでは、CRSsNP患者またはCRS患者における経口マクロライドの使用が推奨されていたが、米国のガイドラインでは、マクロライドはCRSの治療には任意選択であると示唆された。中国のCRSガイドラインでは14員環系マクロライドは好酸球増加なくアレルギー検査陰性症例の非アレルギー性CRSsNPで使用。2012年の欧州ガイドラインでは推奨レベルA→Cへ格下げ。




Clarithromycin for the treatment of adult chronic rhinosinusitis: a systematic review and meta-analysis
Zhenxiao Huang, MD, PhD and Bing Zhou, MD
International Forum of Allergy & Rhinology, Vol. 00, No. 0, xxxx 2019
背景:この系統的レビュー(SR)の目的は、慢性副鼻腔炎(CRS)の治療に対する経口クラリスロマイシンの安全性と有効性を評価すること。

方法:このSRおよびメタアナリシスは、介入のSRのためのコクランハンドブックに概説されている勧告に基づいて行われた。プロトコルは、SRの国際的な見込み登録者であるPROSPEROに登録された。英語と中国語の電子データベースが検索され、無作為化比較試験のみが含まれた。

結果:1738人の患者を対象とした17件の研究
11の研究で、鼻腔ステロイドスプレー±食塩による鼻腔洗浄に経口クラリスロマイシン追加で鼻腔ステロイドスプレー単独より効果あるかを検討
組み合わせ治療レジメンは中期的(1-3ヶ月)での臨床的症状を統計学的有意に改善。
短期的(1ヶ月未満)及び中期的の内視鏡及びCTスコア改善、長期的(3ヶ月超)での臨床症状、内視鏡スコア改善。
 有害事象の発生率は、この併用療法の使用によっては増加せず。 
症状、内視鏡的スコア、およびCTスコアに関して、クラリスロマイシン経口投与群と鼻腔内ステロイド単独投与群との間に有意差は認められなかった。

 結論:CRSの治療のために、鼻腔用食塩水洗浄の有無にかかわらず鼻腔内ステロイドスプレーを使用するより鼻腔内ステロイドスプレーに経口クラリスロマイシンを追加することはより良い結果を達成する可能性はある。経口クラリスロマイシン単独でも鼻内グルココルチコイドスプレー単独と同様の効力を有することができることを確認するための十分な証拠はない。この分野の質の高い証拠が必要。





専門ではないのでコメントできるほどの知識も経験も無いが
この分野もphenotypeにより治療戦略模索している様相

COPDの治療戦略もまだまだ不確定的なのと似ている

2019年3月19日火曜日

高齢女性(75歳以上):身体活動時間と心疾患リスク減少の線形関係

75歳以上の米国女性では、1日中等度運動150分もしくは強度運動75分の身体活動を推奨するガイドラインに一致した好気的運動活動を行っている。


疑問:高齢女性において軽度運動は心疾患リスク減少をもたらすか?
知見:5861名の女性、軽度運動最大4分位は最低4分位に比べ心筋梗塞・冠動脈死42%減少し、心血管疾患イベント発生を22%減少
意義:高齢女性において、毎日の生活身体活動が冠動脈性心疾患予防、心血管疾患予防に役割を果たす


前向きコホート 2012-2014年 WHI 地域住民コホート

Association of Light Physical Activity Measured by Accelerometry and Incidence of Coronary Heart Disease and Cardiovascular Disease in Older Women
Andrea Z. LaCroix,   et al.  for the Women’s Health Initiative (WHI)
Author Affiliations Article Information
JAMA Netw Open. 2019;2(3):e190419. doi:10.1001/jamanetworkopen.2019.0419













2019年3月16日土曜日

CABANAランダム化トライアル:心房細動カテーテル焼灼 vs 内服 重大イベント減少しないがQOLなどは改善

カテーテル焼灼 vs 内服治療(標準的リズム and/or rate-コントロール薬剤:医師選択)比較
Effect of Catheter Ablation vs Medical Therapy on Quality of Life Among Patients With Atrial Fibrillation: The CABANA Randomized Clinical Trial  
Editorial: Catheter Ablation for Atrial Fibrillation; Christine M. Albert, MD, MPH; Deepak L. Bhatt, MD, MPH

2204名ランダム化:  カテーテル焼灼は内服加療に比べ、Atrial Fibrillation Effect on Quality of Life scoreにて群間差 5.2点(患者レベルの臨床的意義差:5点以上)あり、Mayo AF-Specific Symptom Inventory frequency scoreにて群間差 -1.7点 (患者レベルの臨床的意義差 -1.6点以下)、重症スコア -1.5点 (患者レベル臨床的意義差 -1.3点以下)

意義:有症状心房細動患者において、カテーテル焼灼は内服治療に比べ臨床的有意で有意差あるQOLを12ヶ月時点で認める




Editorial: Catheter Ablation for Atrial Fibrillation; Christine M. Albert, MD, MPH; Deepak L. Bhatt, MD, MPH
心房細動患者において 内服治療(標準的リズム and/or rate-コントロール薬剤:医師選択)比較で心血管イベント・死亡率は影響あるか?
2204名ランダム化、カテーテル焼灼は内服加療に比べ、プライマリ構成エンドポイント(死亡、障害を有する卒中、重度出血、心臓突然死)減少有意差認めず( 8.0% vs 9.2% ;ハザード比 0.86)

意義:死亡細動患者においてカテーテル焼灼は内服加療に比べプライマリ構成エンドポイントを有意には減少せず



アルツハイマー病リスクは近親家族系譜に強く関連

いつも思うが注意必要と思う

第1度近親:first-degree relatives (FDR) The parents, siblings, or children of an individual.(両親、同胞=兄弟姉妹、子供)  (日本の法律上の”第一親等”:ある人とその父母、その子および子の配偶者との関係)
第2度近親:   uncles, aunts, nephews, nieces, grandparents, grandchildren, half-siblings, and double cousins
第3度近親: blood relative which includes the individual’s first-cousins, great-grandparents or great grandchildren


アルツハイマー病では症例全体の5%未満である3つの遺伝子異常常染色体若年性家族性アルツハイマー病(amyloid precursor protien and preseenilin 1, -2)があるが、殆どは家族歴でなく散発性とされる。家族系譜を作成すると散発性と思われている場合でも家族歴が発症に関与していることが明らかになった。
APOE遺伝子 e4-alleleの1つのcopy数存在はAD症例の 56%で観られ、リスクとしては3倍、2 copy数はADの11%で8-12倍もリスク増加する。



Relative risk for Alzheimer disease based on complete family history
Lisa A. Cannon-Albright, et al.
Neurology, First published March 13, 2019, 
DOI: https://doi.org/10.1212/WNL.0000000000007231
open access:https://n.neurology.org/content/neurology/early/2019/03/13/WNL.0000000000007231.full.pdf

【目的】アルツハイマー病(AD)リスクの遺伝的要素について近親者に焦点を当てる。家族歴全体を考慮すると、リスク推定値の正確性と有用性が向上する可能性がある。

【方法】ユタ州の死亡診断書にリンクされた1800年代のユタ州・パイオニア系譜を含む母集団リソースを使用して、一親等から三親等の親族を含む特定の家族歴系譜に基づきADの相対リスクを推定。

【結果】罹患した第一度近親者(FDR)はいずれもADのリスクを有意に増加させた(1 FDR:相対リスク[RR] 1.73、95%信頼区間[CI] [1.59  -  1.87]; 2 FDR:RR 3.98 [3.26  -  4.82])。 ];≥3 FDR:RR 2.48 [1.07  -  4.89];≥4 FDR:RR 14.77 [5.42  -  32.15])。
罹病関連第二度近親者(SDR)は、関連FDRの存在下でもリスクを増大(FDR = 1、SDR = 2:RR 21.29 [5.80-54.52])。第3度近親者のみのAD(TDR)でもリスクを高めた(FDR = 0、SDR = 0、TDR≧3:RR 1.43 [1.21-1.68])。

父親の遺伝と比較した、母親に基づくリスクの差については、さまざまな証拠が観察されました。同等の家族歴を持つ女性よりも男性のリスクが高く、家族の死亡年齢にかかわらず、少なくとも1人がFDRに罹患した個人のリスクが高いことが観察された。

【結論】家系図の拡張データから確認された家族歴に基づくADのRRのこの母集団ベースの推定は、遺伝的遺伝因子が直近の近親者を超えて広がる幅広い影響を持つことを示している。
医療提供者は、ADのリスクについて患者や家族に相談する際に、家族歴の完全な一群を考慮すべきです。




母系と父系でやや影響が異なる・・・

Differences for paternal vs maternal family history were noted for the second-degree relationships considered. Individuals with a maternal affected SDR (mother’s brother or mother’s sister) had significantly elevated RR, while individuals with a paternal affected SDR (father’s brother or father’s sister) did not.


ε4ホモ接合体などを含め集中的予防介入検討が必要なのだろうが・・・

2019年3月15日金曜日

潜在性結核感染:メトホルミンとスタチン感染抑制

結核感染に糖尿病が関わるインパクトとともに、メトホルミンとスタチンの感染抑制効果示唆報告

プラバスタチンのみ記載されているが、脂溶性スタチンの影響は?





Early View 
Reduced prevalence of latent tuberculosis infection in diabetes patients using metformin and statins
Matthew J. Magee, et al.
European Respiratory Journal 2019 53: 1801695;
DOI: 10.1183/13993003.01695-2018


National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES) 2011-2012
非施設入所成人3段階確率サンプル 糖尿病・糖尿病前症自己報告もしくは糖化ヘモグロビン定義 ( HbA1c 5.6%以下、 5.7-6.4%、 6.5%以上 )
LTBI感染率QFT、TST(ツベルクリン)にて測定

メトホルミン、スタチン、非メトホルミン薬剤(インスリン、SU、DPP-4i)自己報告

糖尿病での総加重LTBI感染率 QFT 11.6% (95%CI, 7.9-15.3%), n=4958、TST 7.1% (95% CI, 4.8-9.3%) n=4262は、血糖正常者(4.6% 、 4.1%)より感染率高い

糖尿病患者において、メトホルミン未使用率 53.8%。メトホルミン 非使用 53.8% vs 使用 では有意差ないが、メトホルミン使用者に比較し、LTBI率高い  [QFT PD, 1.4% 95%CI -3.7-6.4%] 、TST [PD, 2.7%, 95%CI: -0.3-5.7])

糖尿病患者において、メトホルミン+2剤以上糖尿病薬剤使用っかんじゃでは、非糖尿病治療患者に比べ、LTBI発生率低い (6.2% by QFT and 1.8% by TST)


年齢、性別、HbA1c、糖尿病種、収入レベル、糖尿病罹病期間補正後、TSTは糖尿病ありでのTST陽性率は糖尿病全薬剤未使用に比べオッズ比高い (aOR 3.9, 95%CI 1.1-13.8) 


糖尿病患者でのスタチン使用は46.2%、、LTBI最小罹病率はプラバスタチン(3.0% by QFT and 2.9% by TST)

糖尿病患者において、スタチン使用無し比較で、プラバスタチン使用者のQFT陽性率は尾オッズ比高い(OR 4.4, 95%CI 1.3-14.9)
スタチン非使用とLTBIの関連性は、年齢、性別、収入レベル、メトホルミン、HbA1c補正後も維持(aOR 4.8 95%CI 1.4-16.5) 

TST陽性率は、メトホルミン・スタチンとも未使用では、両者使用に比べ有意に高い (9.6% vs 4.0% p=0.02)


成人NHANES登録で、QFT陽性オッズ比について、糖尿病では血糖正常者に比べ有意に高く(OR 2.6, 95%CI 1.4-5.1) 、また、スタチン非使用で高い(OR 2.9, 95%CI 1.7-4.8)

スタチンと糖尿病にはTST陽性率について乗数関係みられ、糖尿病&非スタチン 9.0% 、糖尿病 & スタチン 4.8% p=0.03

スタチンによる相互作用は年齢、性別、BMI、喫煙状態補正後も有意差維持 p=0.03

糖尿病者のTST陽性オッズはスタチン未使用で高く(aOR 2.7, 95%CI 1.6-4.8)、スタチン使用糖尿病では有意増加無し(aOR 1.2, 95%CI 0.5-3.0)




それでも、メトホルミンを第1選択としないのだろうか? 日本の糖尿病関連学会のおひとたち・・・



急性鼻副鼻腔炎診断のための徴候・所見の正確性

臨床的印象が結構正確らしい

検尿試験紙の白血球エステラーゼ反応が簡便で役立ちそうという話に惹かれる



Accuracy of Signs and Symptoms for the Diagnosis of Acute Rhinosinusitis and Acute Bacterial Rhinosinusitis
Mark H. Ebell, et al.
doi: 10.1370/afm.2354
Ann Fam Med March/April 2019 vol. 17 no. 2 164-172
http://www.annfammed.org/content/17/2/164.full

目的 急性鼻副鼻腔炎(ARS)診断のための徴候と症状の正確性評価

方法 MEDLINE検索、臨床的ARS疑い外来患者の研究・感度/特異度計算のためのデータ収集
1,649名初期同定、クライテリア合致17
急性鼻副鼻腔炎は任意の有効参照スタンダードによる診断、急性細菌性副鼻腔炎(ABRS)は鼻腔穿刺の膿性または細菌培養陽性で判断。テストの正確さの要約推定値を計算するために、二変量メタアナリシスを使用しました。

結果 ARS臨床的疑い患者の内、画像診断ARS 51%、ABRS 31%
ARS "rule in"上ベストな所見は、中鼻道(middle meatus)の膿性分泌物  (positive likelihood ratio [LR+] 3.2) と、全体的臨床的印象 (LR+ 3.0)
ARSの"rule out"上ベストな所見は、全体的臨床的印象n (negative likelihood ratio [LR−] 0.37)、正常な透視性(translumination)所見(LR− 0.55)、先行気道感染のないこと(LR− 0.48)、鼻汁 (LR− 0.49)、膿性鼻汁 (LR− 0.54)


データ不足だが、全体的臨床的印象(LR+ 3.8, LR− 0.34),異常嗅覚 cacosmia (呼吸時悪臭 fetid odor on the breath) (LR+ 4.3, LR− 0.86) 、歯痛  (LR+ 2.0, LR− 0.77)  BRSの最良予測要素

いくつかの臨床的ルールが提案されているが、前向き評価研究は存在しない.


結論 臨床的にARSを疑う患者において、三分の一ほどABRS
全体的臨床的印象、異常嗅覚、歯痛がABRSのベストな予測要素
CRPや尿検査を含めた臨床的意志決定ルールは期待できるが、前向き評価が必要




HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...