2019年5月30日木曜日

SCARLET:敗血症関連凝固障害への組み替えトロンボモデュリン死亡率有効性認めず

26ヶ国159ヶ所のICUで行われた多施設第三相治験

主要アウトカム:28日間総死亡率

介入:敗血症関連凝固異常症例のランダム化
・ボーラス静注 or 15分間点滴投与 (0.06 mg/kg/d [最大 6mg/d]n=395
・プラシーボ n=406
x6日間

結果的には死亡率差認めずというものだが、後述の如く、これではおわらんぞという感じ


Effect of a Recombinant Human Soluble Thrombomodulin on Mortality in Patients With Sepsis-Associated Coagulopathy
The SCARLET Randomized Clinical Trial
Jean-Louis Vincent,et al. for the SCARLET Trial Group
JAMA. 2019;321(20):1993-2002. doi:10.1001/jama.2019.5358


816名ランダム化、研究完遂・full解析 800名(平均年齢 60.7歳、男性 437 54.6%]

thrombomodulin群とプラシーボ群の 28日総死亡率の統計学的有意差なし (106 / 395  [26.8%] vs 119 / 405  [29.4%]; P = 0.32)
絶対的リスク差 2.55% (95% CI, −3.68% to 8.77%)

重大出血副作用イベント(定義:全ての頭蓋内出血、生命危機出血、検討者判断重症分類出血イベント、2連続日赤血球パック 1440mL[ 6単位相当]以上輸血)は、thrombomodulin群 23/396 (5.8%) vs プラシーボ 16/405(4.0%)





ART-123は遺伝子組み換えヒト可溶性thrombomodulin (rhsTM ; thrombomodulin α) は498のアミノ酸(64 kDa)からなりthrombomodulinの可溶性活性化細胞外ドメイン部分
主たるメカニズムは血中トロンビン分子結合能力由来で、protein Cから活性化protein Cへ転換するactivation complexの役割で、付加的にrhsTMは例えばhigh mobility group box protein 1 や histoneなどdamage-associated molecular patternによる炎症抑制、臓器障害抑制をもたらす。
敗血症・DIC疑診例第2相ランダムトライアルpost hoc解析では死亡率減少効果示唆され、①感染症、②最低1つの敗血症臓器障害(心血管 and/or 呼吸系)及び凝固障害の場合、③凝固障害(INR延長)と血小板数減少の3つでrhsTM投与死亡率減少示唆されていた






28日間の全死因死亡率の主要評価項目の低下を明らかにすることができなかったため、他の抗凝固薬との過去の結果から研究がなぜ行われたのかという疑問が生じた。答えは多少微妙だが、要するに、トロンボモジュリンは重要な理論的利点を提供する異なる作用機序を持つこととなった。



日本のp3トライアル(227名、血液悪性腫瘍あるいは感染基礎疾患DIC)が敗血症患者への組み替えthrombomodulinのアジュバント治療としての初めての有効性報告
Efficacy and safety of recombinant human soluble thrombomodulin (ART‐123) in disseminated intravascular coagulation: results of a phase III, randomized, double‐blind clinical trial
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1538-7836.2006.02267.x
この研究自体はプライマリエンドポイントとしてDIC改善目的でヘパリンと比較した有効性研究であった。DIC改善に有意差(66.1% vs 49.9%)あったが、セカンダエンドポイントの死オブ率には有効さ無かった(21.9% vs 25.7%)
この結果により日本ではDIC管理にART-123(組み替えthrombomodulin)承認となった(2008年)

プラシーボ対照トライアル(n=781)は

A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Phase 2b Study to Evaluate the Safety and Efficacy of Recombinant Human Soluble Thrombomodulin, ART-123, in Patients With Sepsis and Suspected Disseminated Intravascular Coagulation
Critical Care Medicine. 41(9):2069–2079, SEP 2013

これでは28日死亡率有意差無し (17.8% vs 21.6% in the placebo group)



エディトリアルとしては
1)ヘパリン投与群がthrombomdulin治療阻害してる可能性
2)プラシーボ死亡率高くトライアル自体が検出力としてパワー不足
3)登録期間長すぎ・・・ということは登録数少なく無理矢理登録したところがある疑惑、1例登録が3分の1でプロトコール不徹底の可能性
4)薬剤投与時INR正常化1/4で投与タイミングの問題がある。投与時INR値でpost-hoc解析すると有意差まではないが死亡率低下の可能性
5)トロンビン・抗トロンビン複合体(TAT)濃度以上、 protein C濃度 40%以下で有効性差示唆
などこのトライアルでは終わらんぞ・・・感

2019年5月29日水曜日

うつ治療の新しい話題

運動は確定的なのだろうが、元々動機づけの乏しい病態なので導入難儀という宿命的課題を保つ、食事療法はまだまだ不確定。ケタミンに関しては安全性有効性・短長期検討何れも不足という感じだろうか?



Evolving Issues in the Treatment of Depression
Ole Köhler-Forsberg, et al.
JAMA. Published online May 24, 2019. doi:10.1001/jama.2019.4990
May 24, 2019

大うつ病性障害(MDD)の生涯発生率は10〜15%。
主な治療法の選択肢には薬理学的および心理学的介入が含まれ、多くの患者が併用療法を受けている。 無作為化臨床試験(RCT)により抗うつ薬の有効性が確立されているが、2つの急性および長期有効性は限定的、患者の3分の1は治療抵抗性を示す。
この分野では新たな介入が必要であり、この視点では、運動、栄養、ケタミンに特に焦点を当てて、新しい介入が検討中

運動
運動、脳由来神経栄養因子、および神経保護を結び付ける仮説を考えると、運動はMDDを予防または治療するための魅力的な選択肢です。ただし、MDDの運動の有効性と有効性の証拠はさまざまです。 
33件のRCTのメタアナリシス(N = 1877)は、レジスタンスエクササイズトレーニングは、非アクティブコントロール条件と比較して、中程度の効果サイズと治療に必要な数で、抑うつ症状の有意な減少と関連していた

Gordon BR, McDowell CP, Hallgren M, Meyer JD, Lyons M, Herring MP. Association of efficacy of resistance exercise training with depressive symptoms. JAMA Psychiatry. 2018;75(6):566-576.

この所見は健康状態、処方された訓練量、および筋力の改善とは無関係であった。しかしながら、20人のRCTがうつ症状の患者を含み、4人のみがMDDの診断を受けた患者を含んでいた。さらに、盲目的割り付けのRCTのみを含めると、うつ症状の減少は有意に小さくなった 。にもかかわらず、軽度から中等度のMDDを有する患者に限定された分析では大きな効果量を示した。

興味深い研究として運動とMDDの関連をMendelian randomization approachでやる方法で、遺伝子を操作変数として用い潜在的因果関係を運動などのリスク要素とうつなどの健康アウトカムの関連性を研究する方法で遺伝子をランダム割り付けし、Mendelian randomizationは共役・逆因果関係のリスクを最小化する。611 583名の成人を含むデータで、 加速度モニターにて活動性評価女性 91 084名で、Choiらは加速度モニターベース身体活動とMDDの予防的関連性、オッズ比 0.74 (95% CI , 0.59-0.92)を見いだした。 
座りがちな生活習慣を毎日15分の激しい活動または1時間の中程度の活動で置き換えることが、うつ病を発症する可能性の相対的な潜在的な減少を26%減少させることを意味した。
ChoiKW, ChenCY, SteinMB, et al; MajorDepressive Disorder Working Group of the Psychiatric Genomics Consortium. Assessment of bidirectional relationships between physical activity and depression among adults: a 2-sample mendelian randomization study [published online January 23, 2019]. JAMA Psychiatry. doi:10. 1001/jamapsychiatry.2018.4175

定期的な運動を実施することは、ほとんどの人にとって困難であり、MDDを持つ人にとっては、エネルギーや動機が低いという症状のため、さらに困難です。それでも、定期的な運動を奨励または処方することは、たとえ単に心血管の健康状態を改善するためであっても価値があります。

栄養
多くの研究が気分に及ぼす食事の影響を調査しました、しかし結果は混合された発見と食事、研究デザインと研究集団における大きな違いのために解釈するのが困難であった。観察研究は、気分と、食物(野菜、果物、全粒穀物など)の含有量が高いこと、および赤身のタンパク質(魚など)を含む食事との間の好ましい関係を裏付けているようだ。しかしながら、MDD患者における食事の影響を具体的に調べた研究はほとんどない。
SMILES試験(BMC Med. 2017; 15: 23. )は、最初の優れたRCTの1つであり、地中海式食事療法に焦点を当てた体系的な食事療法サポートの効果を調査したものです5。中等度から重度のMDDの成人患者56人中、12週間の個別介入(7 60分セッション)食事療法の助言や栄養士による支援(すなわち、やる気を起こさせる面接、目標設定、そしてマインドフルートリング)と社会的支援の効果を調べました。食事療法サポートグループは、社会的サポートグループと比較して、大幅に改善された。この所見はMDD患者の他の最近の研究と一致しており、いくつかの結果はMDD患者と2型糖尿病患者の間でさらに大きな効果を示す。
最近行われた2件のRCTで肥満患者のうつ症状に対する食事介入の効果が調査された。
Ma J, Rosas LG, Lv N, et al. Effect of integrated behavioral weight loss treatment and problem-solving therapy on body mass index and depressive symptoms among patients with obesity and depression: the RAINBOW randomized clinical trial. JAMA. 2019;321(9):869-879.
Bot M, Brouwer IA, Roca M, et al; MooDFOOD Prevention Trial Investigators. Effect of multinutrient supplementation and food-related behavioral activation therapy on prevention of major depressive disorder among overweight or obese adults with subsyndromal depressive symptoms: the MooDFOOD randomized clinical trial. JAMA. 2019;321(9):858-868. 
RAINBOW試験(N = 409;平均年齢51歳)は、RAINBOW trial (N = 409; mean age, 51) は行動療法的減量治療と問題解決型介入で、BMI 30以上&中等・重度うつ症状を有する対象者、通常治療と比較して介入群でBMIの有意な減少(36.7〜35.9対36.6〜36.6)とうつ症状軽減(1.5〜1.1対1.5〜1.4)を12ヶ月後示した
MooDFOOD試験(N = 1025;平均年齢46.5歳)は、他栄養素サプリメントと食関連行動療法(food-related behavioral activation therapy)でMediterranean-style dietを推奨する方法にてBMI 25-40・MDDなしの患者で検討。150名(10%)は12ヶ月内にMDD発症、4介入群で群間差認めず (9.7% in the placebo- only group, 10.2% in the placebo plus therapy group, 12.5% in the supplement-only group, and 8.6% in the supple- ment plus therapy group; P = .48 for interaction)。
RAINBOW trialでは有意だが、減量・うつ減量効果軽度、MooDFOODではMDD発症予防効果をサプリメント栄養素使用ではしめせず支持されなかった 
MDDの構造化された食事療法のサポートに関する最初の証拠は有望な所見で地中海料理を支持する内容だった。最近の論説では、以前の2つのRCTについて議論し、うつ病の治療には、根本的な薬理学的および心理学的治療に加えてエビデンスに基づく生活習慣介入(例:食事、運動、禁煙)を用いるべき。将来の研究では、より多くの研究集団を含め、比較可能な結果を​​得るために、以前の試験と同様のアプローチおよび食事パターンを使用する必要がある。さらに、気分および健康状態全般に対する長期的影響を調査するためには、より長い追跡調査(すなわち数年)を伴う研究が必要であろう。

ケタミン
2019年3月5日に、食品医薬品局は治療抵抗性うつ病(TRD)の薬として鼻用ケタミン(Spravato)を承認しました。ケタミンは1970年代から麻酔薬として使用されており、20年間MDDでの使用が検討されている。ケタミンは初期の試験(9から73の範囲のサンプルサイズ)から広く注目されている。重度の鬱病患者およびそうでなければ治療抵抗性の患者の間で、抑うつ症状および自殺念慮の改善(最大60%)。亜麻酔薬用量(0.5mg / kg)のゆっくりした静脈内投与後数時間以内に大きな治療効果が経験され、そしてこれらの効果は一過性であり、患者は数週間以内にそれらのベースラインの重症度に戻った。これらの最初の発見により、気分障害、特に米国におけるTRDに対するケタミンの適応外使用が増加している。
潜在的な有害作用に関して、これらの用量でのケタミンの静脈内投与は一般に、MDDを有する身体的に健康な個体の呼吸器または心血管の状態に有意には影響を及ぼさない。患者は鎮静、混乱、および解離を経験する可能性があるため、投与中および投与後にモニタリングが必要です。潜在的な長期リスクには、忍容性、乱用、および悪用が含まれる。
臨床試験では、TRD患者の半数以上が通常の治療に加えて鼻腔内または静脈内ケタミンの抗うつ効果を経験していることが証明されている。しかしながら、精神病的特徴または活性物質使用障害のある患者はRCTから除外されており、長期的な安全性データは限られている。ケタミンは、潜在的にTRDを軽減するのを助けることができる有望な薬だろうが、どの患者が持続的な利益を受けるかを確認するためにさらなる研究が必要。ケタミンの点滴は費用がかかり、多くの場合保険でカバーされてないが、ケタミンの鼻腔内投与ははるかに安価だが、頻繁な投与が必要(週2回または週1回)。エスケタミン(特許取得済み)を加えてもエスケタミンが抑うつのための一般的な治療法になるかどうかは不明・・・(後述続く)

2019年5月28日火曜日

免疫療法:経口 TORC1 inhibitor RTB101:高齢者喘息への抗ウィルス抑制効果確認

" RTB101 was used as immunotherapy"だそうで、免疫療法

ラパマイシン標的複合体1(TORC1)シグナル伝達を阻害・・・正直、代謝系しか頭になかった。高齢喘息をターゲットにしているが、COPDでも同様だろう。






高リスクの高齢患者(85歳以上もしくは喘息・2型糖尿病・慢性閉塞性肺疾患(COPD)または現在喫煙している65歳以上)に経口 TORC1 inhibitor RTB101 (ダクトリシブ) (10 mg once daily)x16週間投与

RTB101は "potent small molecule TORC1阻害剤”、半減期 4-6時間
抗ウィルス免疫促進のための用量は最大耐容量の120分の1
ウィルス性RTI、例えば、インフルエンザAやライノウィルスは喘息急性増悪の重要因子で、症例の75%で検出される、この問題に対し予防薬となる可能性示唆




パイプライン:https://www.restorbio.com/pipeline

American Thoracic Society(ATS)の年次総会での喘息高齢者への投与報告

https://www.medpagetoday.com/meetingcoverage/ats/79982



最高医療責任者であるJoan Mannick、MDら報告

喘息を有する65歳以上という事前層別化群で、インフルエンザシーズン気道感染発症率は 治療群 47名の12%、対照プラシーボ 51名の40%
相対リスク 68.9% p=0.0001


喘息患者でも、臨床検査で確認されたRTIの調整率が78.6%低下した(P = 0.001)、American Thoracic Society(ATS)の年次総会での発表

初期phase IIaトライアル 264名高齢者all-comer RTIで42%減少
その後phase IIbトライアルへ移行し、652名の高リスク(高齢喘息を含む)で検査室確認RTIの30.6%減少、重度RTI症では52%減少




「これらの患者の感染症の約60%から80%がライノウイルスであり、ライノウイルスには100種類の血清型があるため、現在このライノウイルス感染を予防する方法はありません」とMannickは述べた。 「喘息患者は気道に十分な抗ウイルス免疫を欠いているため、このウイルス感染にかかりやすいのです。」  研究のために、高リスクの高齢者参加者は、インフルエンザのシーズン中16日間毎日ダクトリシブを単独で、またはエベロリムス、または対応するプラセボと組み合わせて投与されました。高リスクの高齢患者には、85歳以上、および喘息、2型糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、または現在喫煙している65歳以上が含まれた。 この研究の主要評価項目は、16週間の治験薬治療中に1人以上の検査室で確認されたRTIを持つ患者の割合でした。 著者らは、事前定義された分析において、85歳以上または65歳以上の喘息患者はプラセボと比較して高反応者(それぞれOR 0.184、P = 0.007、OR 0.105、P = 0.0001)と見なされたと報告した。  全体として、副作用プロファイルはグループ間で類似していました。参加者の2%以上が報告した有害事象(AE)の中で、最も一般的なものは頭痛(RTB101患者は5.7%、プラセボ患者は7.2%)であり、「安全性の兆候は現れなかった」とMannickは述べた。 「呼吸器感染症の全体的な感染率は40%減少しています」と彼女は述べた。 「私たちがこの治療効果を私たちの第III相試験で見続けるならば、これは高齢患者、特に高齢喘息患者にとって医学的進歩となるでしょう。」 ロンドンのインペリアルカレッジおよびロイヤルブロンプトン病院NHS財団のアンドリューブッシュ医学博士は、「すべての年齢において、呼吸器ウイルス感染が喘息発作の主要な原因であることは疑いない」と述べた。 「喘息発作を約3分の1に軽減することが知られているため、喘息患者には1年間のインフルエンザワクチンを接種することをお勧めします。」


resTORbioのプレスリリースによると、2件の第III相試験が2019年の第2および第4四半期に開始され、合計2,000人を超える患者を採用することを目指しています。






2019年5月24日金曜日

入院COPD急性増悪:CRP指標 vs 喀痰性状指標

入院COPD急性増悪患者:CRP 5mg/dLを指標にするか、喀痰の色を抗生剤使用の指標にするか


CRP-guided antibiotic treatment in acute exacerbations of COPD in hospital admissions
H.J. Prins et al.
European Respiratory Journal 2019 53: 1802014; DOI: 10.1183/13993003.02014-2018



慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪における抗生物質の役割に関し議論あり、抗生物質からのベネフィットを特定するバイオマーカーは必要。 COPDの急性増悪患者を対象とした無作為化対照試験を実施し、GOLD戦略に従ってCRPガイド下抗生物質治療と患者報告症状を比較し、抗生物質処方の減少効果を示唆した。


COPDの急性増悪で入院した患者は、GOLD戦略かCRP戦略(CRP≥50 mg L -1 :5mg/dL)のいずれかに基づいて抗生物質を投与するために無作為に割り付けられた。

合計101人の患者がCRP群に、119人がGOLD群に無作為に割り付け。

GOLDグループと比較して、CRPグループの抗生物質による治療を受けた患者は少なかった(31.7%対46.2%、p = 0.028;調整オッズ比(OR)0.178、95%CI 0.077-0.411、p = 0.029)。 30日の治療失敗率はほぼ同じであった(CRP群で44.5%対GOLD群で45.5%、p = 0.881;調整OR 1.146、95%CI 0.649-1.187、p = 0.630)。

次回増悪まで(CRP群で32日、GOLD群で28日、p = 0.713;調整ハザード比0.878、95%CI 0.649-1.187、p = 0.398)。滞在期間は両群で同様(CRP群で7日対GOLD群で6日、p = 0.206)。



30日目には、症状スコア、生活の質または重篤な有害事象における差は検出されなかった。



COPDの重度の急性増悪において抗生物質治療を導くためのバイオマーカーとしてのCRPの使用は、抗生物質治療の有意な減少をもたらす。

本研究では、両群間で有害事象の差は認められなかった。これらの発見の一般化可能性についてはさらなる研究が必要である。





GOLD戦略;膿性か否かで判断
Treatment of AECOPD usually consists of corticosteroids and bronchodilators. The current GOLD strategy advises to add or withhold antibiotic treatment based upon patient reported sputum purulence. This strategy assumes that both sputum purulence is a good marker of bacterial infection and that the patients’ assessment of sputum colour is reliable. (Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease. Global strategy for the diagnosis, management, and prevention of chronic obstructive pulmonary disease. 2018. 1-1-2018. 1-3- 2018.)





慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪はしばしば経験的抗生物質治療の開始を促すが、多くの場合細菌性病原体は検出できず、ウイルスは実際にエピソードの大部分を占めることがある。確かに、集中治療を必要としない増悪時の広範な抗生物質利用の有効性を裏付けるデータは不十分である。本明細書において、細菌感染の患者の個々のリスクに基づいて抗生物質治療を個別化することは、これらの薬剤の賢明で正しい使用を促進し、世界的な健康に対する最も緊急の脅威の1つを軽減するための抗生物質管理努力を改善する大きな可能性を有する。そして抗生物質の乱用に直接つながります。 COPDの急性増悪を伴う患者の全体的な評価および臨床ケアへの細菌感染と相関する宿主反応マーカーの統合は、個々の抗生物質の決定を改善する可能性が高い。 COPDの急性増悪におけるそのような有望な宿主応答マーカーの中で、細菌感染に特異的なマーカーであるプロカルシトニン(PCT)、および高感度のより一般的な炎症マーカーであるC反応性タンパク質(CRP)が最も関心を集めている。 COPDの急性増悪を含む、敗血症および呼吸器感染症の患者において、PCTが臨床症状の同様の解消と共に抗生物質の使用量の有意な減少をもたらすことをいくつかの無作為化試験が確認している。事実、COPD増悪患者1252人の個々のデータに基づくメタアナリシスは、抗生物質投与の有意な減少(72%対43%)および抗生物質曝露の有意な減少(死亡率に差はない)をもたらすPCTガイダンスを見出した。 (4%対3%)または治療失敗のリスク(17%対17%)[3]。それでも、集中治療を必要とするCOPD患者を調査した最近の試験では、抗生物質の使用に対するPCTの有意な効果は報告されておらず、臨床転帰に関してPCTの非劣性は証明できなかった。 CRPはプライマリーケア研究において抗生物質治療を指示するために首尾よく使用されており、観察研究はCRPがPCTと比較してCOPDの急性増悪における直接抗生物質治療に適していることを示唆した。それでも、急性COPD増悪の患者における抗生物質の決定を導くためのCRPの効果を検討している無作為化試験はほぼ不足。
https://erj.ersjournals.com/content/53/5/1900562

スタチンによる脳振盪認知症予防効果?

スタチンが傷害関連の脳浮腫、酸化ストレス、アミロイドタンパク質の凝集、および神経炎症を軽減する可能性があることを示唆され、スタチンによる潜在的な神経保護効果も推測される




Association Between Statin Use and Risk of Dementia After a Concussion
Donald A. Redelmeier,  et al.
JAMANeurology
https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/article-abstract/2733673

意義:振盪は急性外傷で、慢性の障害に関わる可能性有り、スタチンが神経学的回復改善する可能性有り 
目的:スタチン使用がその後の認知症リスク増加減少するかの関連性検証
デザイン・セッティング・被験者:オンタリオ(カナダ)1993年4月1日〜2013年4月1日登録、フォローアップ2016年3月31日まで、解析日 2014年4月18日〜2019年3月21、被験者は脳振盪診断老齢、重症例(入院必要、先行認知症・せん妄診断、90日内死亡)除外 
暴露:卒中後90日内のスタチン処方 
主要アウトカム:長期認知症発症 
結果:28815名の脳振盪診断(年齢中央値 76歳、女性 61.3%)、7058(24.5%)がスタチン治療、21757(75.5%)はスタチン治療受けず
認知症発症4727名 、フォローアップ平均 3.9年間で、6名中1例の発症に相当
スタチン治療により非使用者より認知症リスク13%減少 (相対リス, 0.87; 95% CI, 0.81-0.93; P < .001)
スタチン使用の認知症リスク減少は多様な患者群で該当するが、他の心血管薬剤使用、経過とともに明確になり、その後のうつ病リスクとは異なり、足首捻挫後の患者では観られない(足首捻挫は対照として用いてるらしい)



 解説
研究者らは、脳震盪後のその後の認知症のリスクの増加または減少がスタチンの使用と相関しているかどうかを確認した。 この大規模な人口ベースの二重コホート研究では、脳震盪を有すると診断された28,815人の被験者が同定され、そのうち7,058人がスタチンを服用し、21,757人が被験者を服用しなかった。 スタチンの使用に関連する認知症のリスクの減少は、様々な患者グループで見られ、他の心血管薬の使用とは無関係に維持され、経時的に強化され、その後の鬱病のリスクとは区別され、 。 この分析では、脳震盪後、高齢者はかなり長期にわたる認知症リスクを有しており、これはスタチン患者のわずかな減少に関連していた。

2019年5月23日木曜日

AENSCISトライアル:オフェブ強皮症肺への有効性



Nintedanib for Systemic Sclerosis–Associated Interstitial Lung Disease
Oliver Distler,, et al., for the SENSCIS Trial Investigators

強皮症関連間質性肺病変において、ニンテダニブの対プラシーボ、FVC年次低下軽減
副作用はIPFと同様
強皮症の他の臨床所見への臨床的ベネフィット認めず
(Funded by Boehringer Ingelheim; SENSCIS ClinicalTrials.gov number, NCT02597933.)





軽症持続型喘息の大半は喀痰好酸球低比率で、吸入ステロイドもLAMAも臨床的には反応しない

重症喘息では各種好酸球ターゲットBio治療、軽症でも、"BUD/FOR治療 as needed”という好酸球ターゲット療法への反撃?


”喘息の半数は好酸球性炎症を有さない”・・・ことに注目

軽症持続型から吸入ステロイドを全例に使用することに関して異議が述べられた


42週間2重盲検交叉トライアル、12歳以上、軽症持続型、295名
モメタゾン、チオトロピウム、プラシーボ
患者を喀痰好酸球比率2%未満、2%以上でカテゴリー化
プライマリアウトカム:トライアル薬剤の一つへの事前設定弁別反応示した喀痰好酸球比率低値患者に於けるモメタゾン反応性をプラシーボとの比較、チオトロピウムとの比較
反応は、導入治療失敗・喘息コントロール日数、FEV1を含む階層化複合アウトカム: 両側P値が0.025未満の場合、統計的有意性とする
セカンダリアウトカム: 痰好酸球高比率と低比率患者における結果の比較


結論
軽症、持続性喘息の多くは喀痰好酸球レベル低く、この群では、モメタゾンもチオトロピウムも、プラシーボと有意な差を認めない。
データだと(喀痰)好酸球低値患者において他の治療と吸入ステロイドを比較する臨床的directive trialのequipoiseが必要という結論になる(Funded by the National Heart, Lung, and Blood Institute; SIENA ClinicalTrials .gov number, NCT02066298.)



Mometasone or Tiotropium in Mild Asthma with a Low Sputum Eosinophil Level
Stephen C. Lazarus, et al., for the National Heart, Lung, and Blood Institute AsthmaNet
N Engl. J. Med.
May 19, 2019
DOI: 10.1056/NEJMoa1814917
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1814917

患者の内好酸球比率低率は73%、59%はトライアル薬剤で弁別的反応
プラシーボに比較してモメタゾン、チオトロピウムも有意差認めず

弁別的反応を示した好酸球レベル低値患者においては、モメタゾン良好は57% (95% 信頼区間l [CI], 48 to 66) 、プラシーボ好反応は43% (95% CI, 34 to 52)  P=0.14
一方チオトロピウムへの良好反応は 60%  (95% CI, 51 to 68)で、プラシーボ  40% (95% CI, 32 to 49) より良好(p=0.029)

好酸球レベル高値患者群においては、モメタゾン反応性はプラシーボより良好 (74% vs 26%)だが、チオトロピウムの反応性は差認めず(57% vs 43%)







この試験では、主な結果は、試験薬に対して特異的に異なる反応を示した喀痰好酸球レベルが低い患者(<2%)において、プラセボと比較してモメタゾン、プラセボと比較してチオトロピウムに対する反応があった。治療の失敗、喘息の管理日数、および1秒の強制呼気量を組み込んだ階層的な複合的結果に従って、反応を決定した。
パネルAは、プラセボと比較した場合の、およびプラセボと比較した場合のチオトロピウムとの比較における、モメタゾンによる治療に対する予め特定された異なる反応を示す。少なくとも1つの試験期間中の反応が別の試験期間中の反応よりも良好にランク付けされた場合、患者は反応が異なると考えられた。モメタゾンとプラセボの比較では、患者の34%がモメタゾンを投与中に喘息管理が良好であり、25%がプラセボを投与中に管理が良好であり、21%が群間差なし、20%がデータなしで群間差なし。チオトロピウムとプラセボの比較では、チオトロピウムを投与している間に36%、プラセボを投与している間に24%に優れていた。22%には群間差がなく、18%に欠損があった。
パネルBは、試験薬剤に対して弁別的反応を示した患者間の主要転帰の統計的比較の結果を示し、0.025未満の2つのP値は統計的有意性を示す。プラセボよりもメタメタゾンに対してより良い反応を示した患者の割合(57%vs 43%、P = 0.14)またはプラセボよりチオトロピウムに対してより優れた反応を示した患者の割合(60)に、グループ間の有意差はありませんでした。





序文
喘息はheterogenousな疾患で多くの患者は現在治療で反応せず、多くの患者は現在利用可能な治療に対して許容可能な反応を示さず、そのほとんどは好酸球性炎症を標的としている。以前の研究で喘息患者の約半数が吸入グルココルチコイドに対する反応が乏しく、好酸球性気道炎症はubiqutousに存在しているわけではないということが分かってる。
 2%以上の痰好酸球のパーセンテージを持つ患者とは対照的に、1秒間の強制呼気量(FEV1)は、吸入されたグルココルチコイドの使用で増加し、好酸球レベルが低い患者(したがって、好酸球レベルの2つのサブグループは、治療の必要性が異なる2つの異なる表現型の喘息を表す可能性がある。
ガイドラインでは、持続性喘息患者全員に吸入グルココルチコイドの使用を推奨している。約50%の患者で、軽度の持続性喘息は痰好酸球増加症と関連していない可能性があるので、これらの患者が吸入グルココルチコイドの恩恵を受けるかどうかを前向きに判断し、そうでない場合は代替治療を検討することが重要。長時間作用型ベータアゴニスト(LABA)を用いた単剤療法の危険性がそれらの使用を除外したので、対照薬の安全な代替薬としてチオトロピウム、長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(LAMA)を考えた。
したがって、Steroids in Eosinophil Negative Asthma (SIENA) 試験では、患者のベースライン時の痰の好酸球レベルに従って、吸入グルココルチコイド(メメタゾン)とチオトロピウムをプラセボと比較した。




好酸球と関連しないとなると、Neutrophilic asthmaや Pauci-immune Phenotypeなど思いつくが・・・いずれも重症持続型喘息を念頭に置いた考え。確かにこれらの軽症例あって当然だが、それらの軽症例と考えて良いのだろうか?また別のphenotypeが紛れ込んでるのだろうか?


いずれにせよ、自覚症状ACT、客観的肺機能FEV1など改善する経過のうちに(喀痰好酸球と弱・中等度相関する)FeNO低値患者でも後から高値に変化する症例って結構多いんだけど、初診からFeNO低値でICSなど抗炎症治療せずってのも考えものだと思う



Gary W.K. Wong, MD( Chinese University of Hong Kong)のエディトリアル
将来軽症持続型喘息でもbiomarker-guided 治療の役割が大きくなると述べている。

"Larger trials with adequate power to detect all important asthma outcomes are needed to evaluate whether LAMAs would be an effective alternative for the treatment of persistent asthma in patients who do not have eosinophilic airway inflammation," Wong wrote.

軽症持続型喘息のphenotypeガイド治療のはじまり・・・


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