2012年6月21日木曜日

交通騒音と心筋梗塞発症の関連

序文から・・・
“交通騒音は都市部ほど深刻。騒音は典型的なストレス反応を引き起こすストレッサーとしての働きを示す。交感神経過緊張による血圧増加、心拍・血管攣縮などの原因となる。睡眠障害、そして、関連してメタボリック・内分泌機能、免疫機能への影響も考慮される”


AirGIS systemで、PM10やNOxなどの有毒ガス補正。


Road Traffic Noise and Incident Myocardial Infarction: A Prospective Cohort Study.
Sørensen M, Andersen ZJ, Nordsborg RB, Jensen SS, Lillelund KG, et al. (2012)
PLoS ONE 7(6): e39283. doi:10.1371/journal.pone.0039283

交通騒音 (Lden)は心筋梗塞と有意相関し、2つの騒音側窓での10dBあたり1.12の相対リスクIRRを示す。診断時年間騒音暴露 95%信頼区間(CI):1.02-1.22)で、 診断前5年の期間比重平均  (95% CI: 1.02–1.23)。 三次スプライン使用視覚化で、用量依存性が示された。

図1, 交通騒音と心筋梗塞の相関

 

2012年6月20日水曜日

フラボノイド・ブレンド:フラボコキシドの急性肝障害報告

前向き研究にて、変形性関節症治療薬 “flavocoxid (Limbrel):リンブレル”は肝障害と関連することが分かった。


フラボコキシドは、2つのフラボノイドのブレンドで、 botanicals Scute-Ilaria baicalensisとAcacia catechu由来


Acute Liver Injury due to Flavocoxid (Limbrel), a Medical Food for Osteoarthritis: A Case Series
Naga Chalasani, et. al.
Ann Intern Med. 19 June 2012;156(12):857-860



フラボノイドなどが絶対安全だと思っている人たちにとっては警鐘かも

アルコール性肝硬変患者での肝細胞がん検診は死亡リスク減少効果少なくコスト効果的でない

ウィルス性肝炎スクリーニング・管理とは別の話で、肝細胞がん(HCC)検診についての話

デンマークのという但し書きだが、アルコール性肝硬変患者では肝細胞がんリスクは低く、死亡率増加と相関しない。このデータにもとづけば、アルコール肝障害に関わる肝細胞がん検診は死亡率への効果は極少なく、コスト効果があるはずもない・・・というもの

Risk for Hepatocellular Carcinoma in Patients With Alcoholic Cirrhosis: A Danish Nationwide Cohort Study
Peter Jepsen, et. al.
Ann Intern Med. 19 June 2012;156(12):841-847 




ところで・・・B型肝炎に関する中国の大規模ランダム化トライアルに基づき6ヶ月毎の肝硬変患者のHCC検診・超音波検査が2005年 level 1推奨されている。
(Ann Intern Med. 2012 Mar 6;156(5):387-9.)


ただ、このトライアルが全面的に信頼されてるわけではない。



PDQ(r):肝細胞がん検診
Hepatitis B Vaccine to Prevent Hepatocellular Cancer
http://www.cancer.gov/cancertopics/pdq/prevention/hepatocellular/HealthProfessional

一般向け説明では、かん細胞がん検診のエビデンスは確立してないと書かれている。




日本では・・・

科学的根拠に基づくがん検診
肝炎・肝がん
肝炎・肝がん検診エビデンスレポートは2011年9月末に公開予定です。
http://canscreen.ncc.go.jp/evidence/kangan.html



独居・孤独に関わる問題:比較的若年動脈硬化疾患患者は一人暮らしインパクト有り、高齢者は孤独感と死亡・機能減少と関連

1) 動脈硬化45歳以上の外来患者国際的研究で、独居は死亡率増加と関連するが、高齢者ではその影響は軽度。この観察研究には十分な確認が必要。
2) 60歳超の老人にとって、孤独感は機能低下、死亡の予測要素となる


社会的サポートを必要とする一人暮らしと心血管リスクの ONLINE FIRST報告
Living Alone and Cardiovascular Risk in Outpatients at Risk of or With Atherothrombosis
Jacob A. Udell, et. al.
for the REduction of Atherothrombosis for Continued Health (REACH) Registry Investigators
Arch Intern Med. 2012;():1-10. doi:10.1001/archinternmed.2012.2782




REACH研究 44573名で、8594(19%)は一人暮らし。
一人暮らしは4年生存率高値(14.1% vs 11.1%)、心血管死(8.6% vs 6.8%; log-rank P<0.01)と相関。しかし、年齢による効果影響有り(P value fo interaction = .03)
特に、若年者では、他者との同居に比べ、独居は、有意に死亡率高い(年齢 45-65 歳: 7.7% vs 5.7%; 補正ハザード比 [HR], 1.24 [95% CI, 1.01-1.51];  66-80 歳: 13.2% vs 12.3%; adjusted HR, 1.12 [95% CI, 1.01-1.26])
しかし、これは高齢者では関連無し(80歳超; 24.6% vs 28.4%;補正HR, 0.92 [95% CI, 0.79-1.06])
同様傾向が心血管死亡リスクでも見られる。


住居環境による全原因死亡率(4年間イベント)




独居と関連する4年間ハザード





孤独は、高齢者にとって、疾患、苦悩、QOL低下の原因としてその影響が大きい。US60歳以上の孤独、機能的低下、死亡との関連性を調査。


Loneliness in Older PersonsA Predictor of Functional Decline and Death
Carla M. Perissinotto, et. al.
Arch Intern Med. 2012;():1-7. doi:10.1001/archinternmed.2012.1993

1604名のコホート研究(the psychosocial module of the Health and Retirement Study)
プライマリアウトカムは、6年間の死亡、6年経過での機能低下;4項目(ADL数上困難度、 上肢タスク数根など、可動性減衰、階段登り困難)

平均年齢71歳。女性 59%、白人 81%、黒人 11%、ヒスパニック 6%、独居 18%
高齢者の内、43%が孤独を感じるとのこと。
孤独感はすべてのアウトカムと相関。
孤独感は、ADL減少発生 (24.8% vs 12.5%; 補正 リスク比 [RR], 1.59; 95% CI, 1.23-2.07); 上肢タスクの困難度発生(41.5% vs 28.3%; 補正 RR, 1.28; 95% CI, 1.08-1.52);可動性減少発生  (38.1% vs 29.4%; 補正 RR, 1.18; 95% CI, 0.99-1.41); 階段登り困難発生 (40.8% vs 27.9%; 補正 RR, 1.31; 95% CI, 1.10-1.57)と関連
孤独感は、死亡リスク増加と相関  (22.8% vs 14.2%; 補正 HR, 1.45; 95% CI, 1.11-1.88)

Kaplan-Meier survival curve ;孤独感 vs 非孤独感 72ヶ月








2012年6月19日火曜日

高齢者喫煙でも死亡率増加と関連する

序文から
喫煙は有害であることは確立している。喫煙は、多くの慢性疾患、心血管疾患、がんなどの主要リスク要素の一つで、他の死亡原因上位の死亡率と関連し、全(原因)死亡率とも関連する。喫煙は脂肪と関連する10のリスク要素の一つで、WHOの推定によると、喫煙のリスクは、男性の死の10%、女性の死の6%に相当する。喫煙率不変と仮定すると、21世紀には10億人の死と関連することとなる。しかし、多くのリスク要素同様、中年成人を主体に検討がなされた疫学的エビデンスに基づくのがほとんどで、高齢者の喫煙インパクトのエビデンスは不充分であった。
ということで、高齢者に注目した喫煙と全死亡率の関連性レビュー記事


Review Article
Smoking and All-Cause Mortality in Older People
Systematic Review and Meta-analysis
Carolin Gellert; Ben Schöttker, et. al.
Archive of Internal Medicine June 11, 2012, Vol. 172 (11)


7ヶ国、17研究

すべての研究で、現行喫煙は、全(原因)死亡率増加と関連

非喫煙者比較相対死亡率は、研究横断的には1.2-3.3、メタアナリシスとしては1.83(95%CI 1.65-2.03)

現行喫煙者のRM.は、年齢と共に減少するが、死亡率はやはり最大年齢まで増加は続く。

さらに、量依存的相関が、喫煙量と早死との関係に見られる。

喫煙既往は死亡率増加と関連(メタアナリシス:RM 1.34;95%CI 1.28-1.40)

喫煙既往尤度は、死亡率増加を示す (メタアナリシス: RM, 1.34; 95% CI, 1.28-1.40)が、非喫煙者比較超過死亡に関しては、禁煙期間とともに明らかに減少する。

禁煙のベネフィットは80歳以上を含め 全年齢層で明らか

 Figure 2. 15研究メタアナリシス:現行喫煙と全死亡率

 




Figure 3. 喫煙既往と全死亡率について14研究のメタアナリシス

 Table 3. サブグループ・研究特性毎のメタアナリシス結果







2012年6月18日月曜日

治療必要な無症状病原体保有者・・・保健所届け出必要

予想通り、潜在性結核感染の、届け出について、当方居住県では、随分誤解が蔓延していることがわかった。調べれば調べるほど、当方の県の実情はおかしい 。
非合法的行政処分が平然とおこなわれているのではないか・・・そういう疑念がもたげる。


関節リウマチなどに対する生物学的製剤投与頻度増加に伴い、潜在性結核感染の取り扱い急増しているはず・・・。法律は悪法であろうと、 遵守しなければならないはずなのだが・・・


 結核学会の雑誌の調査だと、“医学的ハイリスク者におけるLTBI の届出や登録については,結核患者との接触の有無にかかわらず,主治医の判断で治療が必要と判断された場合は,「届出が必要
で公費負担の適用は結核診査会で決定する」と答えたのが最も多く44 保健所(81%)であった”と法令通りの届け出応答体制なのが8割”・・・これが普通だと思う。



改正感染症法における結核対策(IASR Vol.28 p 190-192:2007年7月号)
http://idsc.nih.go.jp/iasr/28/329/dj3292.html




感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-02-02.html

 (3)届け出基準
 イ無症状病原体保有者

医師は、診察した者が(2)の臨床的特徴を呈していないが、次の表の画像検査方法以外の左欄に 掲げる検査方法により、結核の無症状病原体保有者と診断し、かつ、結核医療を必要とすると認められる場合(潜在性結核感染症)に限り、法第12条第1項の 規定による届出を直ちに行わなければならない
この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
5歳未満の者においては、この検査方法で病原体保有の確認ができない場合であっても、患者の飛沫のかかる範囲での反復、継続した接触等の疫学的状況から感染に高度の蓋然性が認められる者に限り、届出を行うこと。  

画像検査方法以外の左欄に掲げる検査とは、塗抹検査・分離・同定による病原体検出、拡散増殖法による病原体遺伝子の検出、病理検査における特異的所見の確認、ツベルクリン反応検査、QFT等となる。



第84回総会ミニシンポジウム Ⅳ. ハイリスク者の結核発病予防
Kekkaku Vol. 85, No. 1 : 47_60, 2010
http://www.kekkaku.gr.jp/ga/Vol.85%282010%29/Vol85_No1/Vol85No1P47-60.pdf
5. 潜在性結核感染治療者の管理上の問題 神戸市保健所 白井 千香

感染症法による潜在性結核感染症の法制度
2007 年に結核予防法が廃止され,感染症法に「結核症」が統合された。この法律では,法第12 条に基づき,結核は二類感染症に位置づけられ,患者(疑似症患者を含む)および無症状病原体保有者(ただし,治療を必要としない者は除く)を,最寄りの保健所へ直ちに届け出ることとなっている。つまり,治療が必要なLTBI は,年齢にかかわらず無症状病原体保有者として届け出る対象となった。従来の「初感染結核」のみならず,既感染者で免疫抑制剤を使用する者を含めて,顕性発症の前に治療を行う場合は届け出る必要がある。


 潜在性結核感染症における届出の意義
LTBI を届出の対象とする理由は以下のとおりである。
①コッホ現象や若年者が初感染結核と判明したような場合には,周囲の感染源探索のため接触者健診を行う必要がある。② LTBI の治療は脱落が多いので,服薬支援の対象とするべきである。③ LTBI の治療を行っても発病する可能性があるので有症状時の早期受診勧奨など,適切な健康教育をする必要がある。④ LTBI の治療は,欧米の低蔓延状況の国々で,結核の根絶に向けた重要な戦略となっている。

ホテル室内の細菌感染:テレビリモコンや床頭台ランプスイッチに感染多い


The Most Contaminated Surfaces in Hotel Rooms
http://gm.asm.org/index.php/component/content/article/48-newsroom/313-the-most-contaminated-surfaces-in-hotel-rooms
2012 General Meeting of the American Society for Microbiology


 ホテル客室の清掃と衛生にスタンダードがない、Hazard Analysis and Critical Control Points (HACCP) system を適応すべきという話。


Kirschらは、他大学と共同で、テキサス州のホテルルームで様々なサンプル調査。
トイレ、浴槽を含め調査、テレビ・リモコンや床灯スイッチが高レベルのコンタミネーションを見いだした。

ハウスキーピング・カートそのもののコンタミネーション高い場合があった

意外と少ないのは、ベッドの頭部分のボード、カーテンレール、ロッド、バスルームのドアノブなど・・・

それらが感染と関連するかは調査してないが、全体的な清潔度を測る指標だと説明している。

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note