2013年8月22日木曜日

妊娠糖尿病と閉塞型無呼吸症候群との関連 

閉塞型無呼吸症状の妊娠糖尿病リスクのアンケート研究はあるが、閉塞型無呼吸のPSGによる客観的検討相関は知られてないとのこと。

非妊娠・非糖尿病女性(NP-NGT)、正常耐糖能妊娠(P-NGT)、妊娠糖尿病(P-GDM)それぞれ15名の観察症例対照研究

妊娠は睡眠障害と関連し、耐糖能正常妊娠者に比べ、妊娠糖尿病患者では、より睡眠障害が見られる。妊娠糖尿病と閉塞型無呼吸症候群との関連性

Interactions Between Pregnancy, Obstructive Sleep Apnea, and Gestational Diabetes Mellitus
The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism August 21, 2013 jc.2013-2348


NP-NGTと比較し、P-NGT女性でAHI高値  (median 2.0 vs 0.5, P = .03)、さらに睡眠開始続く覚醒時間に反映されている睡眠障害が見られ (median 66 vs 21 min, P < .01) 、高microarousal index (median 16.4 vs 10.6, P = .01)も見られる。

妊娠女性間では、P-GDMでは、P-NGT女性に比べ、極度に総睡眠時間数極端に少なく (median 397 vs 464 min, P = .02) 、  AHI高値  (median 8.2 vs 2.0, P = .05)


OSAはP-NGT女性よりP-GDPで多い  (73% vs 27%, P = .01)

妊娠後BMI補正後、GDMの診断はOSA診断と相関する [オッズ比 6.60 (95% 信頼区間 1.15–37.96)].

妊娠において、妊娠BMI補正後、microarousal inexは有意に糖化ヘモグロビン高値 と空腹時血糖高値 と関連する

酸素飽和度低下程度は、空腹時血糖高値 と相関する。

小児・若年期:抗精神薬は2型糖尿病発症リスク量依存的に増加させる

小児・若年期における抗精神病薬処方量増加と2型糖尿病の後顧的コホート研究



Antipsychotics and the Risk of Type 2 Diabetes Mellitus in Children and Youth
 William V. Bobo, et. al.
JAMA Psychiatry. 2013;():-. doi:10.1001/jamapsychiatry.2013.2053.

抗精神病薬使用は、2型糖尿病リスク3倍増加  (HR = 3.03 [95% CI = 1.73-5.32])
それは当初1年間フォローアップ内で特に明らか (HR = 2.49 [95% CI = 1.27-4.88])



累積投与量に比例してリスク増加し、それ未満と比較し、5g超、5-99g、100g以上でそれぞれハザード比は 2.13 (95% CI = 1.06-4.27)、3.42 (95% CI = 1.88-6.24)、 5.43 (95% CI = 2.34-12.61) (クロルプロマジンで換算g)(P < .04)


向精神薬中止後1年フォローアップでもリスクは残存  (HR = 2.57 [95% CI = 1.34-4.91])


コホートを6-17歳までで限定するとお、抗精神薬使用者は、2型糖尿病リスク 3倍超 (HR = 3.14 [95% CI = 1.50-6.56])で、累積投与量に応じてリスク増加  (P < .03)


リスクは、非定型向精神薬リスペリドンに限定した場合でも増加  (HR = 2.89 [95% CI = 1.64-5.10])、HR = 2.20 [95% CI = 1.14-4.26])







高身長遺伝子変異:鉄吸収増加 ・・・ 低身長は鉄供給により是正の可能性?

遺伝的鉄過剰疾患であるHFEヘモクロマトーシス(ホモ接合体 C282Y遺伝子変異 93%、 compound H63D-C282Y遺伝子変異 7%)は、一般より有意に背が高い(男性で 4.3cm、女性で3.3cm)
この遺伝子異常は比較的両性の疾患で、鉄過剰状態がごく軽度鉄腸内吸収増加させる異常で、、フェリチンが1,000 mcg/Lを超えることがないのが幸いしている状況。

HFE変異は北欧に多く、ケルト民族6千年ほどにさかのぼれ、アイルランド系に比べ、高身長。

成長遅延が鉄不足で生じることが多ことと、鉄慢性的十分状態の時、低身長は少ない。
身長正常な子供でも、身長増加に関して、鉄必要量と供給量が影響を与えるのかもしれない。


Increased Height in HFE Hemochromatosis
N Engl J Med 2013; 369:785-786August 22, 2013DOI: 10.1056/NEJMc1303066

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単なる仮説ですが、40年前に知っておけば・・・ 



ただ、炎症性疾患に関して言えば、鉄は毒! ・・・ これだけは知っておくべき
そして、鉄過剰状態が問題となることも多い。

血管疾患臨床症状群:血中HDL低値は強化治療群では意味を持たない 抗脂質無治療・通常治療では従来通りの解釈が通じる

COURAGE試験の事後分析


いわゆる悪玉コレステロールに対してスタチン治療コントロールされている患者でも、果たして、善玉コレステロールはその意味合いをもつのか?

・・・答えはNo!


善玉は常に善玉ではない・・・・ 【元々、善玉・悪玉と命名する方がおかしい】


Low HDL-cholesterol is not a risk factor for recurrent vascular events in patients with vascular disease on intensive lipid-lowering medication
Anton P. van de Woestijne, et.al
J Am Coll Cardiol. 2013;():. doi:10.1016/j.jacc.2013.04.101


低HDLの血管系リスクについて、臨床的な血管疾患を有する患者の脂質効果治療や強度関連付け評価

低HDLは血管疾患のリスク増加と関連し、他のリスク要素治療済みの患者の潜在血管リスクに多く寄与する。しかし、スタチントライアルからの事後分析では、低HDLコレステロールと関連する血管リスクが強化スタチン治療患者ではないか、少ない。

6111名の血管疾患を示す患者の前向きコホート研究
Cox比例ハザードモデルで、HDL-コレステロールの血管イベント評価(脂質降下治療:無し、通常量、強化治療患者での評価)

フォローアップ中央値5.4年間(IQR 2.9-8.6年間)において、心筋梗塞、卒中、血管死の新しい血管イベント発生は、874名

ベースライン無治療患者(n=2153)では、HDL-コレステロール 0.1 mmol/L増加毎5%の全血管イベント減少(HR 0.95, 95% CI, 0.92-0.99)


通常量治療患者(n=1910)では、6%減少(HR 0.94, 95% CI, 0.90-0.98)

しかし、強化脂質降下治療(n=2046)では、再発血管イベント増減と関連せず(HR 1.02; 95%CI , 0.98-1.07)、これはLDL-コレステロール状況と対応せず


結論:臨床的所見ある血管疾患患者では、脂質治療無治療あるいは通常治療群では、血中HDL低値は、血管リスク増加と関連。
一方、強化脂質治療患者では、HDL-コレステロール低値は血管リスクに対して効果認めない。




ALADINトライアル:常染色体優性多発性腎嚢胞へのソマトスタチンアナログであるオクトレオチド徐放剤型の効果

常染色体優性多発性嚢胞腎(Autosomal dominant polycystic kidney disease, ADPKD)は終末期腎疾患へ緩徐進行する疾患で、有効な治療法はない。

ソマトスタチン・アナログである、オクトレチド:octreotide 長時間持続徐放(long acting release)は腎保護的に働く


Effect of longacting somatostatin analogue on kidney and cyst growth in autosomal dominant polycystic kidney disease (ALADIN): a randomised, placebo-controlled, multicentre trial
Anna Caroli ,et. al.
 The Lancet Early Online Publication, 21 August 2013
doi:10.1016/S0140-6736(13)61407-5


イタリアでの学術的多施設ランダム化単盲験プラシーボ対照化平行群トライアル
18歳超eGFR 40 ml/min/体表面積1.73 m2を1:1割り付け
プライマリエンドポイントは、1年後、3年後MRI測定総腎容積(TKV)

2006年4月27日から2008年5月12日まで
1年時点、この時点での評価可能MRIスキャンは、octreotide-LAR群 38名、 プラシーボ群 37名

平均TKVは、プラシーボ群に比べ、octreotide-LAR群で増加量減少( 介入群 46.2 mL, SE 18.2 vs プラシーボ群 143.7 mL, 26.0;  p = 0.032)

両群35名ずつで3年フォローアップ時評価可能MRIスキャン行い、平均TKV増加は数量的に少ない(介入群 220.1 mL, 49.1 vs プラシーボ群 454.3 mL, 80.8)
しかしその差は有意で無い (p =0.25)

octreotide-LAR群 37(92.5%)、プラシーボ群 32(82.1%)で、最低1回の副事象(p=0.16)

重度副作用は2治療群同等

胆石症、急性胆嚢炎4例がoctreotide-LAR群でみられ、おそらく治療関連事象と考える





2013年8月21日水曜日

閉塞型睡眠時無呼吸症候群:「夜間うめき、窒息」

文献検索による閉塞型無呼吸臨床兆候検討


検診レベルと受診レベル、両方での検討


この疾患では、「夜間のあえぎ(gasping)、窒息」が最も信頼性ある兆候


Does This Patient Have Obstructive Sleep Apnea?
The Rational Clinical Examination Systematic Review
Kathryn A. Myers,  et. al.
JAMA. 2013;310(7):731-741. doi:10.1001/jama.2013.276185.

地域検診患者での睡眠時無呼吸の頻度は2%-4%(サンプルサイズ 350-1741)で、睡眠評価受診患者では21%-90%(サンプルサイズ 42-2677)
 
AHI閾値ベース有病率変数は、
AHI 5以上 14%
AHI 15以上 6%
 
疾患定義上AHI 5以上、且つ、有症状という定義では、2%-4%


睡眠評価受診という立場では、睡眠時無呼吸例では、そうでない例より体重増加
 (summary BMI, 31.4; 95% CI, 30.5-32.2 vs 28.3; 95% CI, 27.6-29.0; P < .001 for the comparison)


閉塞型無呼吸患者同定のためのもっとも有効な観察指標は、夜間窒息、あえぎ(AHI 10以上検出 要約尤度比 [LR], 1.1; 95% CI, 1.0-1.1)

いびきは睡眠時無呼吸で最も多い症状だが、診断確立には役立たない(summary LR, 1.1; 95% CI, 1.0-1.1)

BMI 26未満の軽度いびき患者は、中等度・重度無呼吸症候群の確率低い

集約医療システム内多枝高血圧プログラムにより血圧コントロール症例倍増 心血管予後改善

multipronged program:多枝プログラムという訳にしたが、その集約医療システム内多枝高血圧プログラムを地域規模で大規模に行ったところ、血圧コントロール改善に寄与し、アウトカム無改善ももたらされているという結論

日本の厚労省は、メタボ以降、心血管疾患予防方針間違えてるのではないかと思う。
肥満糖尿病対策ももちろん大事だが、高血圧治療の徹底の方が包括的に考えれば障害や死亡率への予防インパクトは大きいはず。メタボ検診を強引に進め、いま、意味不明な状況になっていると私は感じる。


エビデンスに基づくガイドラインやパフォーマンス測定の開発・シェアリングを含む大規模高血圧プログラムで、2001年から2009年間での間に、高血圧コントロールほぼ2倍となった。

決して、セクシーな(紹介記事にそう書いてある)報告ではないが、現実的なお話という評価

Kaiser Permanente Northern California (KPNC) hypertension program
http://www.nationalforum.org/sites/default/files/10th%20NF%20Plenary%204%20Jaffe.pptx

まとめ(KPNC 2001年−2009年)
      • HTN コントロール率 44%→80%と倍
      • HTN 登録 167%増加
      • コントロールされた高血圧 17万1千 → 53万1千
      • KPNCによる心発作減少効果
    • 6つのケアプロセスを組み入れ
      • エビデンスベースガイドライン開発
      • HTN登録作成
      • パフォーマンス測定分布
      • 臨床実践の成功的伝播
      • 単一製剤併用療法治療促進
      • 非医師血圧受診方法形成





高血圧ガイドラインの変遷















心臓イベントへの効果


















Improved Blood Pressure Control Associated With a Large-Scale Hypertension Program Marc G. Jaffe, et. al. JAMA. 2013;310(7):699-705. doi:10.1001/jama.2013.108769.

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...