2013年9月2日月曜日

DPP4阻害剤は、心血管疾患に対して、毒にも薬にもならない?

DPP-4阻害剤と呼ばれるクラスの薬剤は、致死的・非致死的心血管イベントへなんの影響も与えない。

武田・ネシーナ alogliptin (Nesina) と、日本では協和発酵発売のオングリザ saxagliptin (Onglyza)ともに心血管イベントリスク減少せず



EXAMINE研究
SAVOR-TIMI 53研究

いずれも、ESCで報告し、NEJM掲載

プラシーボとの非劣性比較で有意差認めず

EXAMINE研究は、通常メトホルミン(他剤併用も認める)状況でこれが2/3ほどで、それにネシーナ vs プラシーボ比較 したもの、約半数でSU剤、30%程度でインスリン投与、チアゾリジン系は3%未満。ネシーナ治療群の71.4%は、25mg/日、25.7%で12.5mg/日、2.9%が6.25mg。糖化ヘモグロビン 0.33%平均減少、プラシーボでは0.03%増加。最小二乗平均差は -0.36%(95% CI , -0.43 〜 -0.26 , p < 0.001)、体重・脂質特性sみと馬頭
プライマリエンドポイントの心血管死亡・心筋梗塞・非致死的卒中の減少ハザード比は非劣性限界の 1.3を超えず、18ヶ月後、ネシーナ群305名、プラシーボ群 316名のエンドポイント一つ以上発症。

Alogliptin after Acute Coronary Syndrome in Patients with Type 2 Diabetes
White, WB et al
New Engl J Med 2013; doi: 10.1056/NEJMoa1305889.
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1305889


オングリザは、プライマリエンドポイントで613名、対して、プラシーボは、609名

Saxagliptin and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus
Scirica, BM, Bhatt, DL et al
New Engl J Med 2013; doi: 10.1056/NEJMoa1307684.
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1307684


日本の糖尿病臨床のリーダーたちは、製薬メーカーが次々だす新薬にとびつき、メトホルミンを軽視しつづける愚行をやってきた。金銭的利益なのか便宜供与のためなのか・・・

そろそろ、こいつら反省すべき時期・・・
メタボ健診や行政主導検診に意見する資格はないのに、主導している連中
こいつらが日本の健康行政を悪化させている

しかし、こいつらは、今後も、製薬メーカーのご機嫌取りのため言うだろう・・・ 「DPP4阻害剤は、すくなくとも害にはならない」と・・・


男性は恋愛相手女性の成功を喜べない

Gender Differences in Implicit Self-Esteem Following a
Romantic Partner’s Success or Failure
Kate A. Ratliff ,et. al.
Online First Publication, August 5, 2013. doi: 10.1037/a0033769
http://www.apa.org/pubs/journals/releases/psp-a0033769.pdf


フロリダ大学の研究で、恋愛相手の成功を男性は自分の失敗ととらえる。

学生において、パートナーの問題解決・社会的インテリジェンス問題の成績がトップ12%、あるいはボトム12%と伝えられたときの反応。


女性は、同様でなく、パートナーの成功に対して、自己の自尊心に無関係であった。

ICAP 研究: 急性心膜炎へのコルヒチン治療

再発性心外膜炎へのコルヒチン予防効果ランダム化トライアル

Colchicine for Recurrent Pericarditis (CORP): A Randomized Tria
Ann Intern Med. 2011;155(7):409-414
今回は、急性心(外)膜炎への投与について

"A Randomized trial of colchicine for acute pericarditis"
September 1, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1208536

多施設二重盲験研究240名登録 
アスピリンもしくはイブプロフェンなどの通常抗炎症治療に加え
・介入群(n=120):体重 コルヒチン 体重70kg超過 0.5mg×2回/日(70kg以下 0.5 g×1回)、3ヶ月間
・プラシーボ群
プライマリアウトカムは、持続性あるいは再発性心外膜炎 
プライマリアウトカム
・コルヒチン群 20(16.7%)
・プラシーボ群 45(37.5%)
相対的リスク減少 0.56; 95% 信頼区間 , 0.30-0.72 NNT 4 p<0 .001="" blockquote="" nbsp="">
コルヒチンは、72時間後症状持続性減少 (19.2% vs 40.0% p=0.001), 患者あたり再発数 0.21 vs 0.52 p=0.02
コルヒチンは、また1週間後再発改善 (85.0% vs 58.3% p<0 .001="" blockquote="" nbsp="">
全体的副作用・薬剤中止率は両群同様
重篤な副作用認めず

2013年8月31日土曜日

COPD:テストステロン低値となりやすいが、補充療法効果エビデンスは不十分

低テストステロン値が、可逆性となりえる機能障害、衰弱のリスク要素とする考え方もある。ホルモン補充療法を正当化する考え方。フィットネスアウトカムやQOL、生存率まで考えれば絶対的に使用すべきという状況にはまだ無いと思う。

COPD患者に於ける、内在性テストステロン値と、テストステロン治療の運動能力・HRQoLアウトカム効果をシステマティックに評価試み

Endogenous testosterone level and testosterone supplementation therapy in chronic obstructive pulmonary disease (COPD): a systematic review and meta-analysis
Evan Atlantis , et. al.
BMJ Open 2013;3:e003127 doi:10.1136/bmjopen-2013-003127

9つの観察研究、COPD男性 2918名は、対照比較で、テストステロン値低い  (weighted mean difference was –3.21 nmol/L (95% CI −5.18 〜 −1.23))

6つのRCT、287名では、ピーク筋力とピーク心血管フィットネスアウトカム研究5つあり、HRQoLアウトカム研究3つ

テストステロン治療は、ピーク筋力改善(標準化平均差 (SMD) was 0.31 (95% CI 0.05 〜0.56))、ピークworkload  (SMD  0.27 (95% CI 0.01 〜 0.52))   (プラシーボ比較は1つ除いて全て)で効果。

しかし、peak VO2  (SMD 0.21 (95% CI −0.15 〜 0.56)) 、 HRQoL (SMD   –0.03 (95% CI −0.32 〜 0.25))では効果認めず

結論としては、COPD患者では、テストステロン低値となりやすい。
しかし、テストステロン補充療法により運動能力アウトカム改善、すなわち、ピークの筋力、ピークの運動量増加を示す可能性はあるが、そのエビデンスは貧弱。

COPDと閉塞型無呼吸: CPAP使用するほど死亡率減少

Stanchina ML; Welicky LM; Donat W; Lee D; Corrao W; Malhotra A. Impact of CPAP use and age on mortality in patients with combined COPD and obstructive sleep apnea: the overlap syndrome. J Clin Sleep Med 2013;9(8):767-772.

オーバーラップ症候群って、喘息・COPD併発状態を表す意味でも用いられているが、この場合は、COPDと閉塞型無呼吸(OSA)

10,272名のpost hoc解析、COPD 1,112名、 OSA 2,284名
併発のオーバーラップ症候群 227名で、死亡 17名

多変量解析にて、死亡率に関連する独立因子は、CPAP使用と年齢(HR 0.71、1.14, p < 0.001、 0.002)

CPAP使用時間長いほど、死亡率減少
年齢はCPAP使用と相関せず

後顧解析なので自ずと研究解釈に限界

TIOSPIR研究:スピリーバはミスト、ドライパウダーとも、死亡率・心血管イベント同等

"Tiotropium Respimat inhaler and the risk of death in COPD"
Wise RA, et al
N Engl J Med 2013; DOI: 10.1056/NEJMoa1303342.


スピリーバのミストバージョンは、ドライパウダーと、死亡率・心血管イベントにおいて、安全性同等という TIOSPRIRトライアルの結果


情報ソース:http://www.medpagetoday.com/Pulmonology/SmokingCOPD/41290
メディア:http://www.bloomberg.com/news/2013-08-30/boehringer-s-respimat-inhaler-meets-safety-goal-in-study.html

メディアでは、べーリンガーのスピリーバ・レスピマットは安全性目標を満たしたと報道している。


そもそも、スピリーバ・ドライパウダーを主な対象としていたUPLIFT研究で、「死亡率減少・心血管イベント減少」効果が示されている。故に、ミストも安全ですよという執筆者の意向。

ただ、UPLIFT研究において、「死亡率・心血管イベント」は、セカンダリエンドポイントであり、これを強調しすぎるのは問題であり、UPLIFT研究はスピリーバの安全性をプライマリエンドポイントで示した報告ではない。「消防署の方からと偽る消火栓詐欺と同じやり方」と似ている。

ロジックはこうだ。
「UPLIFTでスピリーバ・ドライパウダーの死亡率減少・心血管減少が示された」

「スピリーバ・ドライパウダーとスピリーバ・レスピマットは安全性上は同等」

「故に、スピリーバ・レスピマットは、死亡率・心血管イベント上安全」
三段論法詐欺

そもそも、この種の報告が出る理由は、BMJメタアナリシスにより、パウダーとミストは別薬剤として扱うべきと主張されるほど安全性に疑問が投げかけられていることが発端。
52%ほどレスピマットで包括的死亡率増加懸念されている製剤である(あった)

スピリーバ・レスピマットの安全性疑惑: メタアナリシス 死亡率52%増加2011年 06月 15日

呼吸器学会のお偉いさんたちはこの話題を概してスルーするところが、滑稽。


UPLIFTのセカンダリアウトカム結果を持ち出して、間接的に安全・・・というのはちょっといただけない。

その種の主張を講演会でするお偉いさんが居たら・・・アホ認定で良いと思う。


スピリーバ・レスピマットを含む、LAMA、LABA全体への安全性懸念払拭というにはほど遠いと思うのだが・・・

2013年8月30日金曜日

時差ぼけ:CRTC1-SIK1経路と、概日リズムのずれ

The CRTC1-SIK1 Pathway Regulates Entrainment of the Circadian Clock
Cell, Volume 154, Issue 5, 1100-1111, 29 August 2013

 網膜のphotoreceptorにて、太陽下日中、概日システムを同調する。この光によるリセット、photic resettingは、cAMP response element binding protein (CREB)-介在視交叉上核(SCN)Per遺伝子のupregulationを生じる
 この経路の詳細は不明で、数日の時間帯へ同調するのに数日かかる理由は不明であった。
 SCNでの光調整性transcriptome解析により、脳内時計リセットでの salt inducible kinase 1 (SIK1) と CREB-regulated transcription coactivator 1 (CRTC1)が重要な役割を果たすことが判明した。
 順応刺激ににより、CRTC1をCREBの共活性化に導き、Per1やSik1の発現にも関与する。
 SIK1は、さらに、CRTC1のリン酸化、不活性化により、脳内時計をシフトする。
 視交叉上核内のSik1のノックダウンにより、行動時相のシフト増加し、急激な-再同調後、実験的時差ぼけを生じる。
 SIK1がネガティブフィードバックをもたらし、体内時計の光による調整を阻害する働きをもつ。この経路が、概日リズム調整のターゲットとして有望かもしれない。




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