2015年8月20日木曜日

MERS合成DNAワクチン・非ヒト霊長類実験成功

Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV)への合成DNAワクチン開発

ペンシルバニア大学研究者達が、アカゲザルに6週間前接種で完全防御結果、非ヒト霊長類実験での成功という次第。

A synthetic consensus anti–spike protein DNA vaccine induces protective immunity against Middle East respiratory syndrome coronavirus in nonhuman primates
Karuppiah Muthumani, et. al.
Science Translational Medicine  19 Aug 2015: Vol. 7, Issue 301, pp. 301ra132


ヒトでの実験もさることながら、合成DNAワクチンであり、製造・供給システムにも課題あり

呼吸不全・循環動態安定患者:動脈内留置カテーテルによる予後差なし

集中治療も、より非侵襲的に・・・

動脈内留置カテーテル、  Indwelling arterial catheters (IAC)は、propensity-matched グループ間比較で、その後の28日死亡率について差を認めない  (14.7% vs 15.2%, OR 0.96, 95% CI [0.62, 1.47])


The Association Between Indwelling Arterial Catheters and Mortality in Hemodynamically Stable Patients With Respiratory Failure: A Propensity Score Analysis
Douglas J. Hsu, et. al.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.15-0516




逆に聞きたい、循環動態安定なのに、なぜ、IACを行う? ICUの儀式か?


ARDS診断: 酸素飽和度代用OK?

ARDS患者では、SpO2/FiO2(SF)はPaO2/FiO2(PF)と極めて相関性が高い。

大規模観察前向きコホート二次解析

PF比 300以下とSF比 315以下閾値など検討


SF診断によるARDSはPF診断ARDSと臨床的特性、予後アウトカムも同様
故に、SF比診断ARDSも診断ツールとして有用という結論

Clinical Characteristics and Outcomes are Similar in ARDS Diagnosed by SpO2/FiO2 Ratio compared with PaO2/FiO2 Ratio
Wei Chen, et. al.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.15-0169

362名のARDSのうち、PF診断 238(66%)、SF診断 124(34%)


同日ABG施行SF診断ARDS患者の小グループ10名では、PF比ではARDSクライテリア合致しない場合があった。


両群では臨床特性、合併症特性に重大な差が無く、APACHEIIスコアが例外でPF診断群で高値。 動脈血ガス依存指標(pH、PaO2)をAPACHEIIスコアから除けば、その差は明らか出なくなった。


 人工呼吸気管を含む臨床的アウトカムも差を認めず (両群平均7日間 , p = 0.25)、入院期間も差を認めない (両群 36% , p = 0.9)


ちなみに・・・

診断基準(  Intensive Care Med. 2012 Oct;38(10):1573-82.  JAMA. 2012 Jun 20;307(23):2526-33.


  • 2015年8月17日月曜日

    院内感染対策病室表面消毒エビデンス乏しい

    院内感染対策って関係者がガイドラインを盾に威張ってる割には肝心のエビデンス乏しいことが多い。特に、環境整備に関して・・・



    Cleaning Hospital Room Surfaces to Prevent Health Care–Associated Infections: A Technical Brief
    Jennifer H. Han, et. al.
    Ann Intern Med. Published online 11 August 2015 doi:10.7326/M15-1192


    病室のhard surfaceのクリーニングは、院内感染減少に関してクリティカルである。クリーニング、消毒、清潔度モニタリング、遂行上の要素、有効性などレビュー

    C. difficile、MRSA、バンコマイシン耐性腸球菌の表面コンタミネーション、コロナイゼーション、感染を含め気の津

    80研究、そのうち、プライマリ研究 76、 システマティック・レビュー 4つ
    49はクリーニング方法、14はモニタリング戦略、17は遂行上のチャレンジ、ファシリテーター着眼、14はモニタリング戦略評価

    ランダム化トライアル、対照化トライアルは僅か5つのみ

    消毒法、モニタリング戦略に関しては有効性比較研究なし

    脂肪制限食の方が、低炭水化物食より肥満減量作用大きい。ただ長期となれば適合作用が生じその差が無くなる・・・

    低炭水化物ダイエットはインスリンを低下し、脂肪燃焼増加をもたらすため、低炭水化物ダイエットが市井ではもてはやされているが、実際は、若干ながら 脂肪制限の方が体重減少を示す。


    現実に低炭水化物ダイエットが有効なのは、食事の選択の影響、すなわち、炭水化物の方が食事量に影響が有り、ダイエットに優位となる。だが、厳格な密室研究では脂肪食に偏る方が体重増加をもたらす。


    Prof. Susan Jebb, Professor ( Diet and Population Health, University of Oxford)


    食事構成内容による体脂肪への代謝的影響をみた良質な実験。一度、総エネルギー(カロリー)摂取量をコントロールした場合、摂取食事構成内容に代謝が厳格にマッチ指せるよう体が順応するためであろう、脂肪酸化(脂肪燃焼)の差はかなり小さい。脂肪酸化の違いがほとんど無いことは、たった2週間の短期間研究でさえ新しい炭水化物摂取食パターンへの適合が生じる。数式モデルによる大略予測と体組成変化結果と一致。
    食事選択厳格制限による代謝独房では、純粋な摂取食事の代謝反応のみが示され、行動変容の入りこむ余地はない。この環境により、低脂肪vs低炭水化物食での差が示されたが、その代謝的差は極めて少なく、最も良いダイエット法は、継続可能な方法ということになる。
    科学のリアルチャレンジは、食事の栄養学的成分でなく、アドヒアランス向上をもたらす行動学的戦略が重要。脂肪だろうが、炭水化物だろうが、カロリーをカットできる食事計画を遂行し続ければ、継続するほど減量に繋がる。





    http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/cp-ldr080615.php





    Calorie for Calorie, Dietary Fat Restriction Results in More Body Fat Loss than Carbohydrate Restriction in People with Obesity
    Kevin D. Hall, et. al.
    Cell Metabolism  DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.cmet.2015.07.021

    独房居住実験で、日々脂肪摂取と総脂肪酸酸化の違い検討。
    炭水化物制限は脂肪酸化増加継続し、脂肪1日 53±6 g減少
    脂肪酸制限では、脂肪酸化は不変で、脂肪1日 89±6 g減少

    脂肪酸制限の方が炭水化物制限より体重減少するもわずか(p = 0.002) 
    数式モデルではこれらのデータと一致するし、炭水化物・脂肪の量変化・等カロリー食事継続で、体脂肪の量変化は最小化されるようだ








    2015年8月13日木曜日

    重症市中肺炎へのステロイド:死亡率減少3%、人工呼吸器械5%減少、入院期間1日短縮

    比較的高齢者への重症市中肺炎へのステロイド投与の効果


    議論ありそうだが、現時点では肯定的にとらえるべきかも


    Corticosteroids for Severe Community-Acquired Pneumonia: Time to Change Clinical Practice


    Corticosteroid Therapy for Patients Hospitalized With Community-Acquired Pneumonia: A Systematic Review and Meta-analysis ONLINE FIRST
    Reed A.C. Siemieniuk, et. al.
    Ann Intern Med. Published online 11 August 2015 doi:10.7326/M15-0715

    年齢中央値は60歳代、男性 60%程度

    ステロイド付加投与にて
    ・全原因死亡率減少 (12 トライアル; 1974 名; risk ratio [RR], 0.67 [95% CI, 0.45 to 1.01]; risk difference [RD], 2.8%; moderate certainty)
    ・人工呼吸必要機械減少 (5 トライアル; 1060 名; RR, 0.45 [CI, 0.26 to 0.79]; RD, 5.0%; moderate certainty)
    ・ARDS減少(4 トライアル; 945 名; RR, 0.24 [CI, 0.10 to 0.56]; RD, 6.2%; moderate certainty)




    • 臨床的安定までの時間減少  (5 トライアル; 1180 名; mean difference, −1.22 days [CI, −2.08 to −0.35 days]; high certainty) 
    • 入院期間減少 (6 トライアル; 1499 名; mean difference, −1.00 day [CI, −1.79 to −0.21 days]; high certainty)


    ステロイド付加は、治療必要な高血糖回数増加 (6 トライアル; 1534 名; RR, 1.49 [CI, 1.01 to 2.19]; RD, 3.5%; high certainty)
    しかし、胃腸出血回数増加せず



    大規模コホート:テストステロン補充正常値回帰は男性の心筋梗塞、死亡率減少をもたらす? ・

    【インチキ概念:男性更年期】高齢者テストステロン補充3年間でIMT、冠動脈カルシウム改善せず、性的機能・QOLも効果無し
    http://kaigyoi.blogspot.jp/2015/08/3imtqol.html

    と書いたが、反する大規模コホート報告(低テストステロン値 83010名の在郷軍人後顧的検討)がなされた。

    以下に掲載の論文参照いただきたいが・・・

    かたや、RCTでアウトカムはIMTなどの動脈硬化指標
    かたや、後顧的検討でアウトカムは重大イベント指標



    アウトカムだけ見れば、後者圧倒だが、3年程度では、IMT、冠動脈カルシウムといった血管病変に変化認めないのに、5−6年間で重大なアウトカムに影響をもたらすとは・・・ちょっと信じがたい




    5−6年の検討のはずなのにフォローアップ12−14年間に差が拡大しているという後顧的研究ならではの不自然さ
    さらに、死亡率の方が心筋梗塞より先に治療差がついている


    不自然な結果だと私は思うが、大喜びしている記事が欧米マスコミに・・・



    Normalization of testosterone level is associated with reduced incidence of myocardial infarction and mortality in men
    Rishi Sharma, et. al.
    EHJ DOI: http://dx.doi.org/10.1093/eurheartj/ehv346
    First published online: 6 August 2015



    カテゴリー分け
    Gp1: TRT with resulting normalization of TT levels
    Gp2: TRT without normalization of TT levels
    Gp3: Did not receive TRT

    Gp1 (n = 43 931, 年齢中央値 66 歳、平均フォローアップ 6.2年) vs. Gp3 (n = 13 378, 年齢中央値 66歳、平均フォローアップ 4.7 年間)  propensity-matched cohort
    全原因死亡率ハザード比(HR) 0.44、信頼区間(CI) 0.42−0.45
    心筋梗塞(HR) 0.76, CI 0.63–0.93)
    卒中(HR) 0.64, CI 0.43–0.96




    (AC) Kaplan–Meier curve depicting the all-cause mortality among different propensity-matched study groups.





    (AC) Kaplan–Meier curve depicting the myocardial infarction-free survival among different propensity-matched study groups.

    同様に、全原因死亡率  (HR: 0.53, CI 0.50–0.55)、MIリスク (HR: 0.82, CI 0.71–0.95)、卒中リスク (HR: 0.70, CI 0.51–0.96) もGp1 vs. Gp2 (n = 25 701, 年齢中央値 = 66 歳、フォローアップ平均 4.6 年間)で有意差



    Gp2 vs Gp3で、心筋梗塞、卒中リスク差なし





    HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

    「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...