2018年8月20日月曜日

WRAP-IPFトライアル【第2相治験】酸逆流手術:特発性肺線維症肺機能低下抑制効果

腹腔鏡下噴門形成術がよく知られているが、ここでは、腹腔鏡下制酸治療と訳しておこう
WRAP-IPFトライアル

Anti-Reflux Surgery Slows Idiopathic Lung Fibrosis
Fewer hospitalizations and deaths in patients with GERD
https://www.medpagetoday.com/pulmonology/generalpulmonary/74617

PPIは8−9割使用され、抗線維化薬剤としてニンテダニブ 3割〜1割、ピルフェニドン3割程度使用されている



Laparoscopic anti-reflux surgery for the treatment of idiopathic pulmonary fibrosis (WRAP-IPF): a multicentre, randomised, controlled phase 2 trial
The Lancet Respiratory Medicine, Open AccessPublished:August 09, 2018
DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-2600(18)30301-1



特発性肺線維症にPPI必須という現状・・・のさらに上の新知見

2018年8月17日金曜日

長期安全性:適正な炭水化物比率は?

極端な炭水化物制限での減量効果は短期間で確認できる。だが、長期安全性はAtkins時代からの懸念。

減量ではなく、長期安全性としての死亡率最小化における適正な比率は?


Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis
The Lancet , Public Health
Open Access Published : August 16, 2018
DOI:https://doi.org/10.1016/S2468-2667(18)30135-X


低炭水化物ダイエットとは、厳格な炭水化物制限の一方、好きなだけ蛋白・脂肪摂取して良いとイオウもので減力戦略として人気がある
しかし、炭水化物制限の死亡率への長期影響は議論があり、食事性炭水化物が植物ベースあるいは動物ベースの脂肪・蛋白に置き換わっているかにも関わるだろう
炭水化物摂取と死亡率の相関性研究

45−64歳、15,428名成人、4つの米国内コミュニティ、ARC研究時に食事アンケート(1987-1989年)、極端なカロリー摂取(男性 1日600kcal未満や4200kcal超、女性 500kcal未満や3600kcal超)報告でないもの
プライマリアウトカムは全死亡率
非線型関連性想定にて炭水化物摂取比率と全死亡率の関連性検討
メタアナリシスにて多国前向き研究7つからのデータからARICデータをさらに検討
最終的に炭水化物から動物性・植物性由来の脂肪蛋白置き換えの死亡率影響検討

フォローアップ期間中央値25年間、ARICコホート 死亡6283、コホート研究全てでは死亡 40,181
ARICコホートにて多変量補正後、炭水化物からのエネルギー比率と死亡率の関連性はU字型
 (平均 48.9%, SD 9.4): 炭水化物からのエネルギー比率 50-55%が死亡率関連性として最小リスク


 全てのコホート研究メタアナリシス(432,179名登録)において、低炭水化物比率(40%未満)と高炭水化物摂取(70%超)は中等度摂取より死亡率高リスクと関与し、U字型相関(プール化ハザード比 炭水化物低比率 1.20, 95% CI, 1.09-1.32、炭水化物高比率 1.23, 95% CI, 1.11-1.36











しかし、主要栄養素源により結果はばらつく
 炭水化物を動物由来脂肪や蛋白に置き換えると死亡率増加(1.18, 95%CI, 1.08-1.29)し、植物性に置き換えたときは死亡率減少(0.82, 95%CI, 0.78-0.87)





解説では、低炭水化物食は、野菜・果物・穀類摂取減少の一方、動物性蛋白質増加をもたらす可能性、典型的な長期動物由来蛋白・脂肪摂取が炎症惹起性・酸化ストレスなどもたらす可能性に言及している。植物由来の脂肪・蛋白摂取置き換えが可能ならどこまで安全かまた死亡リスク低下が見込めるかは・・・不明。

2018年8月16日木曜日

中国コホート:ビタミンC血中濃度と死亡率の関連性

長期前向き中国コホート研究で血中ビタミンC濃は総死亡率、心疾患死亡率、がん脂肪率低下と相関


Association of plasma vitamin C concentration to total and cause-specific mortality: a 16-year prospective study in China
Wang S-M, et al.
J Epidemiol Community Health 2018;0:1–7. 
doi:10.1136/jech-2018-210809(http://dx.doi.org/10.1136/ jech-2018-210809)



中国人コホート 948名(男性 473名)、53-84歳、長期前向きコホート研究
血中ビタミンC濃度と総および各原因死亡率研究
インシデントは、がん 141、卒中 170、心疾患 174

原因毎4分位解析、28 μmol/L 超と未満の2分割


Cox比例ハザードモデルにてHRsと95%信頼区間(CI)を推定


血中ビタミンC濃度と総死亡率の逆相関性
  4分位 (HRQ4 vs Q10.75, 95% CI 0.59 to 0.95)
  連続変数 (HRq20umol/L0.90, 95% CI 0.82 to 0.99)
  2分解析 (HRnormal-vs-low0.77, 95% CI 0.63 to 0.95)


  • 以下有意低下
  • 心疾患リスク(ptrend-by-quantile=0.03)
  • がん死亡 (pglobal-across-quantile=0.04) 


卒中では補正にて相関性減衰


心疾患でも同様に、ビタミン正常値 vs 低値比較で逆相関 (HRnormal-vs-low0.62, 95% CI 0.42 to 0.89)






冬場の全死亡率増加逆相関性がめだつが、解説は"中国ではビタミンC濃度ピークなのは冬季(中国の田舎でのビタミンC欠乏頻度:冬場 5%、春 35%・・・)で、ビタミンC摂食少ないヒトは冬場も少ないというのでその差が出る”と記載

理解しがたいので英語読解がおかしいのかもしれない・・・

2018年8月13日月曜日

特発性肺線維症:細胞外小胞増加→WNT-5aシグナリング→線維芽細胞増殖


細胞外小胞(EV)がIPF(特発性肺線維症)にも関与している可能性が高い

細胞外小胞は細胞間コミュニケーションの強力なメディエータらしい
https://www.abcam.co.jp/primary-antibodies/extracellular-vesicles-an-introduction-1



実験・ヒト肺線維症においてEV増加し、さらには疾患での線維芽細胞機能の変化に関連していることを示した報告であり、WNT蛋白 WNT-5AがEVから分泌され、IPFのBALF中に見られる。IPF患者BALV中のEVのWNT-5Aは線維芽細胞増殖をもたらし、IPFにおける病態生理学上の役割大きいと考えられる



Increased Extracellular Vesicles Mediate WNT-5A Signaling in Idiopathic Pulmonary Fibrosis.
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, 2018;
DOI: 10.1164/rccm.201708-1580OC
https://www.atsjournals.org/doi/abs/10.1164/rccm.201708-1580OC



さっぱり分からんが・・・なにやら治療ターゲットとなるのだろう

緑内障は自己免疫的機序が関わる?

緑内障は最も有病率の高い神経変性疾患で、失明のの最も多い原因

 Commensal microflora-induced T cell responses mediate progressive neurodegeneration in glaucoma.
Nature Communicationsvolume 9, Article number: 3209 (2018)
https://www.nature.com/articles/s41467-018-05681-9


マウスのT and/or B細胞欠損及び養子細胞移植(adoptive cell transfer,ACT)を用い、眼内圧(IOP)の一過性増加だけで網膜へのT-細胞浸潤誘導可能となる。
このT-細胞浸潤により網膜神経節細胞の変性遷延化となり、IOP正常レベルまで戻った後も継続する。

Heat shock proteins (HSP) が緑内障マウス、ヒト緑内障患者でT-細胞反応のターゲット抗原として同定

さらに、網膜-浸潤T細胞はヒト及び細菌HSPsに交差反応する

共生微生物叢の不在下で飼育されたマウスは、緑内障T細胞応答または関連する神経変性を発症しない。 これらの結果は、緑内障性神経変性が、共生微生物叢への曝露によって予め感作されたT細胞が一部介在するという魅力的仮説


緑内障は自己免疫的機序が関わる?

解説
https://www.sciencedaily.com/releases/2018/08/180810091530.htm

2018年8月10日金曜日

高齢男性への長期テストステロン投与の好気的運動能力への効果

discussion文中に、"このdotV̇O2peakの差は、2−6ヶ月間の運動トレーニング効果 4−6 ml/kg/minに比べ僅か”と記載ある如く、特に運動介入は実施されてない模様。


この程度の効果が是認されるかどうかは?

Long-Term Testosterone Supplementation in Older Men Attenuates Age-Related Decline in Aerobic Capacity
The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, Volume 103, Issue 8, 1 August 2018, Pages 2861–2869, https://doi.org/10.1210/jc.2017-01902



目的:漸増サイクルエルゴメータ中のdotV̇O2peakにおけるテストステロン・サプリメントの効果検証
デザイン:二重盲検ランダム化プラシーボ対照平行群トライアル(Testosterone’s Effects on Atherosclerosis Progression in Aging Men)
場所 Exercise physiology laboratory

被検者:60歳以上健康男性(テストステロン値 100-400 ng/dLあるいは遊離テストステロン <50 pg/mL

介入:3年間、1%経皮テストステロンゲルを血中値 500-950 ng/dLになるよう設定 vs プラシーボ

主要アウトカム: 漸増サイクルエルゴメータ中の変化量

結果:
平均 (±SD) ベースラインV̇O2 peak  :テストステロン群 24.2 ± 5.2 、プラシーボ群 23.6 ± 5.6 mL/kg/min

V̇O2 peakはテストステロン群では変化無し、プラシーボ群では定価
(平均3-年間 減少, 0.88 mL/kg/min; 95% CI, −1.39 to 0.38 mL/kg/min; P = 0.035)
V̇O2 peakの差は有意 (平均差3年間 0.91 mL/kg/min; 95% CI, 0.010 to 0.122 mL/kg/min; P = 0.008)



Hb 1-g/dL増加が有意にテストステロン治療男性のV̇O2 peak増加と関連



結論:V̇O2 peak3年間平均変化量はテストステロン治療群男性で優位に少なく、ヘモグロビンの増加と関連
V̇O2 peak変化の群間差は、加齢関連減少予測の減衰化を示唆
このわずかな治療効果が臨床的意義持つかは不明





LOH症候群(加齢性腺機能低下症)、ホルモン補充療法と騒ぐ連中はなぁ・・・

はしかワクチン:推奨期間より早期のワクチンが生存率改善に有効<日本のスケジュールは遅すぎる?>

日本のスケジュールは1歳になってからMRワクチン・・・
推奨期間前倒しの方が良いのでは?

日本の定期/任意予防接種スケジュール
https://www.niid.go.jp/niid/images/vaccine/schedule/2018/JP20180401_02.gif


Is early measles vaccination associated with stronger survival benefits than later measles vaccination?
BMC Public Health201818:984
https://bmcpublichealth.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12889-018-5866-y

9ヶ月未満:早期
9−11ヶ月:推奨期間
12ヶ月以上:遅延


1999−2006年まで、小児14,813名(観察 31,725)
ワクチン接種 vs 非接種 ハザード比 0.76 ,95% CI: 0.63-0.91
厳格的麻疹死亡は結果として変化無し (HR = 0.79 (0.65–0.95))


早期MVでのハザード比 0.68 (0.53-0.78)
推奨期間MVでのハザード比 0.77 (0.62–0.96)
遅延MVでのハザード比  0.86 (0.67–1.11)


麻疹ワクチン接種児に限定すると、麻疹ワクチン年齢でワクチン年齢1ヶ月遅延毎死亡率は 2.6%(0.4-5.1%)増加する




日本でのMRワクチン
https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/measles/MRvaccine_20180417.pdf
【可能な限り早めの MR ワクチン接種が推奨される者】 (前頁に記載した注意点は必ず先に確認すること)
※赤字は定期接種対象者、黒字は定期接種対象者以外
【定期接種対象者】
第1期定期接種対象者(1歳児)
 第2期定期接種対象者(小学校入学前1年間の幼児:今年度6歳になる者)

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...