2019年3月30日土曜日

LAMA vs LAMA/LABA:6週間治療後3分間シャトルウォーキング試験呼吸困難度改善

3-min constant speed shuttle test (CSST) で、運動関連息切れ(activity-related breathlessness)のチオトロピウム/オロダテロール(スピオルト相当)とチオトロピウム(スピリーバ)比較


Dual bronchodilation with tiotropium/olodaterol further reduces activity-related breathlessness versus tiotropium alone in COPD
François Maltais, et al.
European Respiratory Journal 2019 53: 1802049;
DOI: 10.1183/13993003.02049-2018




プライマリエンドポイント:6週治療後、シャトルウォーキング試験の息切れ(borg dysponea score)
3分間CSSTのスピードはmMRC "somewhat severe" 4以上の呼吸困難度で完遂




Borg dyspnoea score:
 a) at the end of the 3-min constant speed shuttle test (CSST) (primary end-point)
b) during the 3-min CSST, after 6 weeks of treatment. T/O: tiotropium/olodaterol (n=101); Tio: tiotropium (n=100).


3-分間 CSST終了時息切れのベースラインからの差は
チオトロピウム 平均 –0.968, 95% CI −1.238– −0.698; n=100
チオトロピウム/オロダテロール 平均 −1.325, 95% CI −1.594– −1.056; n=101

この差は統計学的に有意 (treatment difference −0.357, 95% CI −0.661– −0.053; p=0.0217).




modified Borg scale (MBS)は1程度、mMRCは 0.5程度がMCIDという話があるのですが・・・シャトルウォーキング試験では安静時mMRCの評価とはまた違うのかもしれない





2019年3月29日金曜日

アロプリノールと心血管疾患アウトカム・総死亡率減少効果

アロプリノールの総死亡・心血管疾患アウトカムへの影響は後顧的住民研究レベルだと解釈難しい

死亡率・心血管アウトカム減少作用は高用量では大きな減少効果があったが、それなら総累積量により効果変動しそうなものだがそれは認められなかった。
尿酸値と死亡率の関連性は Mendelian randomization study(White JSofat RHemani G, et al. Plasma urate concentration and risk of coronary heart disease: a Mendelian randomisation analysisLancet Diabetes Endocrinol2016;4(4):327336.)では認められなかったことと合わせ、まだ混沌部分が多い




Association between allopurinol and cardiovascular outcomes and all‐cause mortality in diabetes: A retrospective, population‐based cohort study
Alanna Weisman ,et al.
Journal of Pharmacology and Therapeutics
First published: 08 February 2019
https://doi.org/10.1111/dom.13656
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/dom.13656


カナダ・オンタリオの住民ベース後顧的コホート研究
アロプリノールと死亡率、心血管アウトカムの関連性 66歳以上の糖尿病患者で2002年4月1日から2012年3月31日まで初回処方症例で、2016年3月31日までの検討

フォローアップ中央値 4.65 (IQR , 1.79 - 7.81)年間
プライマリアウトカム (総死亡、非致死性心血管疾患(心筋梗塞、血管再建、卒中)、うっ血性心不全)発生:男性  16 266/23 103、女性  10 571/15 313

アロプリノールは、プライマリアウトカム減少と関連   [補正ハザード比 (aHR) 男性  0.77 (95% 信頼区間 0.75–0.80) 、 女性:0.81 (0.78–0.84) ]
総死亡率減少顕著、心血管イベント/うっ血性心不全 modest

累積アロプリノール量はアウトカムに影響無く、アロプリノールは、男性肺炎リスク減少と関連  [aHR 0.88 (0.83, 0.93)]



尿酸はプリン代謝の産物で、細胞外環境及び低濃度では尿酸は抗酸化作用を有するが、高濃度・細胞外環境ではpro-oxidant作用を有し有害作用となる可能性がある。Xanthine oxidaseはhypoxanthineからxanthineへ、xanthineから尿酸への反応を触媒し、ROSを産生する。高尿酸血症は、酸化ストレス、RAAS活性化、心血管アウトカムと関連。一方、尿酸は心血管疾患のメディエーター、従来のリスクのマーカーでもある。
アロプリノールは血管内皮機能を改善し、左室容積を改善、酸化ストレスを軽減し、尿酸低下と無関係の作用の可能性がある。セカンダリ・データ(二次データ)を用いた多くの観察研究では、アロプリノールが臨床的に有意な心血管アウトカム減少効果を大規模住民研究では示せず、特に心不全においては一致した結果がない。
最近出現の尿酸低下薬剤である非プリンXanthine oxidase阻害剤 febuxostatの心血管疾患安全性評価臨床トライアルでは、allopurinoloに比べ総死亡率、心血管特異的死亡率低下の報告 (注.   非劣性だが・・・)
White WBSaag KGBecker MA, et al. Cardiovascular safety of febuxostat or allopurinol in patients with gout. N Engl J Med2018;378(13):12001210.

ALL-HEART研究
Mackenzie ISFord IWalker A, et al. Multicentre, prospective, randomised, open‐label, blinded end point trial of the efficacy of allopurinol therapy in improving cardiovascular outcomes in patients with ischaemic heart disease: protocol of the ALL‐HEART studyBMJ Open2016;6(9):e013774.


アレルギー疾患とがん発生

免疫監視機構の高まりによるがん予防的仮説":an allergic response may lead to heightened immunosurveillance, in which immune cells activated by the allergic response may direct the destruction of abnormal precancerous cells, thereby preventing the development of cancer" 

慢性炎症による組織破壊亢進による癌リスク増加仮説:"chronic inflammation associated with an allergic response may cause tissue damage, leading to an increased risk of cancer . Given the complex biological pathways and resultant effects of allergic conditions, both hypotheses may be correct in different contexts, with the role of allergies varying according to the allergic condition and cancer site."という仮説

さて、どっちが正しいか、アレルギー疾患毎臓器別にどう影響するか?

結論から言えばアレルギー性鼻炎のがん抑制的関連性が目立つ



Allergies and the Subsequent Risk of Cancer among Elderly Adults in the United States
_Monica D'Arcy, et al.
Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention
DOI: 10.1158/1055-9965.EPI-18-088
http://cebp.aacrjournals.org/content/early/2019/03/26/1055-9965.EPI-18-0887.full-text.pdf

Surveillance Epidemiology and End Results (SEER)-Medicare linked data

対照:アレルギー性鼻炎、喘息、湿疹: 8.40%、 3.45%、 0.78%

アレルギー性鼻炎は、下咽頭、食道(扁平上皮細胞)、子宮頚、扁桃/口腔咽頭、膣/外陰部がんと逆相関(aORs , 0.66 - 0.79)
より弱いが有意な逆相関:食道(腺癌)、胃、結腸、肛門・S状結腸/回腸、肝臓、膀胱、肺、子宮体部、膀胱、他の部位のがん



アレルギー性鼻炎の存在確認となる薬剤使用ではさらに相関は強くなる

喘息は肝癌リスク減少と相関  [aOR 0.82; 95% 信頼区間 (CI), 0.75–0.91するが、
湿疹はT細胞リンパ腫リスク増加と相関 (aOR, 4.12; 95% CI, 3.43–4.95)


変形性膝関節症に対するNSAIDs:だんだん効かなくなる


変形性膝関節症に対するNSAIDsの有効性と有害事象(AE)のtrajectory定量化分析

Duration of Symptom Relief and Early Trajectory of Adverse Events for Oral NSAIDs in Knee Osteoarthritis: A Systematic Review and Meta-analysis
Mikala C. Osani, B.A., et al.
Arthritis Care & Research March 28, 2019


2−26週間の変形性膝関節症への経口NSAIDsの有効性・AE trajectory

2018年5月までの文献検索

結果: 72 RCTs (26,424被検者)

NSAIDsは中程度だが、統計学的に有意な効果がありピークは2週目(SMD -0.43 [ -0.48 〜 -0.38)だが、経過と共に効果は減少




機能に関する結果も同様

消化管有害事象(AE)はプラシーボ比較で4週後という早期に出現 (RR 1.38 [1.21, 1.57])
MSAIDs使用の心血管有害事象発生率はプラシーボと有意差なし
多くの消化管・心血管有害事象は一過性で、重症度軽度





腎機能やCKDの記載ないようだが・・・






2019年3月28日木曜日

門脈圧亢進肝硬変へのβ遮断剤による腹水減少による死亡率減少効果

臨床的に有意な門脈圧亢進症(CSPH)を伴う代償性肝硬変患者では、β遮断薬を用いて肝静脈圧勾配(HVPG)を低下させることで代償不全または死亡のリスクを低減できる?

高リスク静脈瘤存在しない代償性肝硬変およびCSPH(HVPG≥10 mm Hg)患者では、門脈圧亢進症による肝硬変の代償不全を予防するためのβ遮断薬(PREDESCI)の有効性調査

スペインの8つの病院

肝硬変代償不全(腹水症の発症、出血、または顕性脳症として定義される)または死亡の発生率が主要評価項目で、調査結果によると、長期のβ遮断薬治療は、主に腹水症の発生率を減らすことによって、これらの患者における代償不全のない生存期間を延ばすことができることが示唆された


β blockers to prevent decompensation of cirrhosis in patients with clinically significant portal hypertension (PREDESCI): a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial
Càndid Villanueva, et al.
The Lancet , Published:March 22, 2019
DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(18)31875-0

【背景】肝硬変の臨床的代償不全は予後不良と関連する。 10 mmHg以上の肝静脈圧勾配(HVPG)で定義される臨床的に有意な門脈圧亢進症(CSPH)は、代償不全の最も強い予測因子である。この研究は、β遮断薬によるHVPG低下でCSPHによる代償性肝硬変における代償不全または死亡のリスクを低減できるかどうかを評価することを目的とした。

【方法】門脈圧亢進症を伴う肝硬変の代償不全を予防するためのβ遮断薬に関するこの研究(PREDESCI)は、スペインの8つの病院で行われた研究者主導の二重盲検無作為化対照試験。高リスク静脈瘤の存在しない代償性肝硬変およびCSPH患者を登録した。すべての参加者は、静脈内プロプラノロールに対する急性HVPG反応の評価を伴うHVPG測定を受けた。レスポンダー(HVPG減少≧10%)はプラセボに対してプロプラノロール(1日2回最大160 mg)に、カルベジロール(≦25 mg /日)に対してプラセボに無作為に割り当てられました。用量は、オープンラベル滴定期間中に個別に決定され、その後、集中ウェブベースシステムによる1:1の割り当てで無作為化が行われた。主要評価項目は、肝硬変代償不全(腹水症の発症、出血、または顕性脳症として定義される)または死亡の発生率であった。代償性肝硬変での死亡は通常肝臓とは無関係であるため、競合事象として肝臓とは無関係の死亡を考慮したintention-to-treat analysis が行われた。


【結果】  2010年1月18日と2013年7月31日の間に、631人の患者が評価され、201人が無作為に割り当てられた。
 101人の患者がプラセボを受け、100人の患者が積極的な治療を受けた(67プロプラノロールおよび33カルベジロール)。
主要評価項目は、β遮断薬群の100人の患者のうち16人(16%)に対してプラセボ群の101人のうち27人(27%)であった(ハザード比[HR] 0・51、95%CI 0・26〜97) 、p = 0・041)。違いは腹水症の発生率の減少によるものであった(HR = 0 44、95%CI = 0 20  -  0 97、p = 0 0297)。
有害事象の全体的な発生率は両群で同様であった。 6人の患者(β遮断薬群の4人)は重篤な有害事象を有していた。

【結論】β遮断薬による長期治療は、主に腹水症の発生率を低下させることによって、代償性肝硬変およびCSPH患者の非代償性生存期間を増加させる可能性がある。



肺癌診断予測式:低線量CT所見と喫煙状況

CTスキャンと他の臨床データのintegrative analysisにて肺癌スクリーニングにおける肺結節同定被検不要数減少を図る

causal graphical modelを用い、従来のメソッドを凌駕し、良性結節を30%減らすことをボトムラインとする、新規肺癌予測法を開発


Causal graphical model



禁煙からの期間 係数(95% CI) −0.178 (−0.349 to −0.007) p=0.041
血管数 0.238 (0.074 to 0.510) p=0.009
結節数 −0.203 (−0.325 to −0.081) p=0.001


Feasibility of lung cancer prediction from low-dose CT scan and smoking factors using causal models
Vineet K Raghu ,et al.
BMJ Journals, Thorax 2019;0:1–7. doi:10.1136/thoraxjnl-2018-2126
http://dx.doi.org/10.1136/thoraxjnl-2018-212638


Lung Cancer Causal Model (LCCM), 





自動化できれば、ヒューマンエラーを騒がれなくなる?

2019年3月27日水曜日

食事中酸負荷量と高血圧の関連性

「酸性食品」「アルカリ性食品」というのが大昔流行し、高齢者の脳の片隅にへばりついているわけだが

https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/ohashi/eiyobu/blog/tjoimi000000225i.html

ちょっと概念が変わって・・・

potential renal acid load (PRAL) methodやnet endogenous acid production (NEAP) methodなど推定された食事由来酸の量などは、CKDなど食事指導に関し重要な位置づけとなりそうな感じ




Reducing the Dietary Acid Load: How a More Alkaline Diet Benefits Patients With Chronic Kidney Disease
Journal of Renal Nutrition May, 2017, Vol. 27 No3 151-160


慢性腎臓病などの管理で低蛋白食(low protein diet: LPD)推奨される場合があり、理想体重あたり0.6gもしくは40gの蛋白食で、成分として"高biological value"(HBV)60〜70%が推奨される。パンやシリアルなどの"低biological value"(LBV)食品を制限し、動物由来食品からのHBVが主体となるべき推奨。しかし遵守性困難で、HBV蛋白30%としたときに、血中重炭酸増加し患者はこの食事を好む傾向。透析施設では50%程度にHBV蛋白として、ぱんやシリアル食品を自由に許可、果物野菜摂取を推奨となっている。
食物代謝として多くの蛋白は酸を産生し果物野菜はアルカリを産生。酸はリン酸とともに排泄されるも、1日 45 mEqが上限。慢性腎不全の場合は20 mEq/日にさらに低下する。歴史的にアンモニア排泄はNH3 + H+ → NH4+がグルタミン酸による酸中和作用と理解され、残った酸は中和されるか蓄積性に偏る。



さらに、

高血圧全般に関する食事由来酸の付加と高血圧リスクについてのシステミック・レビューとメタアナリシス

Dietary acid load and risk of hypertension: a systematic review and dose-response meta-analysis of observational studies
Mohammad Parohana, et al.
NMCD 23, March 2019 
DOI: https://doi.org/10.1016/j.numecd.2019.03.009


【背景と目的】 以前の研究でも血圧に関連する食事による軽度代謝性アシドーシスが評価されている。しかし、一定のものはない。現行システミック・レビューやdose-response メタアナリシスで、食事由来酸と高血圧の関連性を観察研究からの知見を要約

【方法と結果】 一定のキーワードで2019年2月まで出版されたオンライン・データベース検索。全体として14研究(前向き 3、横断研究 11)、306,183名、高血圧発症 62,264例をメタアナリシスに含めた

前向き・横断研究の結合effect sizeでは、食事性酸負荷量(net endogenous acid production (NEAP) method計算)と高血圧の関連性として非線型相関非有意であった

しかし、研究デザイン層別解析では、前向き検証では、食事性酸負荷量と高血圧の関連性は有意な非線型相関 p=0.006であったが、同断研究の一つでは認めず

線形的量依存解析によると、有意な関連性認めず  (combined effect size: 1.01, 95% CI: 0.97-1.06, P=0.51)

 potential renal acid load (PRAL) methodによる食事性酸負荷では高血圧とに有意でない非線型相関  (P=0.52)

しかし、線形量依存解析では、PRAL値 20単位増加で3%高血圧リスク増加 (combined effect size: 1.03, 95% CI: 1.00-1.06, P=0.03)

【結論】 食事性酸負荷量と高血圧発症に有意な相関認め、。特に前向きでの検証による確認が必要




potential renal acid load (PRAL) method
net endogenous acid production (NEAP) method




https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3604792/table/T2/

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note